2009年12月06日

やっぱり世界はおもしろい

12月5日(土)、奈良市椿井小学校椿井ホールにて、本研究会主催の「在外教育施設派遣教員帰国報告会」が開催されました。今回は、本年度3月末日に5つの国々での勤務を終えられ帰国された5名の先生方による報告を楽しむことができました。
今回の報告会には、派遣希望の先生方を含め、例年になく多くの参加者を迎えることができました。大勢の聴衆を前に、5人の先生方は、日本ではめったに出会えない体験や苦労話、楽しかった思い出、あるいは派遣に際しての注意事項などを、熱く語られました。

メルボルン

まずは、メルボルン日本人学校に校長として赴任されていた、小鍛冶光弘先生です。「言語(母国語)の習得について思うこと」というテーマでした。
メルボルンでは英語圏ということもあり、現地校に通う子どもが多い。流ちょうな英語を身に付けたが、帰国前になり日本人学校で日本語がきちんとできるようにと日本人学校に転入してくることも多いとか。
また、先生は在豪中にマスターされたディジュリドゥの演奏も聴かせていただきました。これがまた、すばらしい。ケアハウスで日本文化を、流ちょうな英語で説明させる様子に感心しました。

ハンブルグ

2番手は、ハンブルグ日本人学校に教頭として赴任されていた、関口純司先生。先生は、「ハンブルグ日本人学校の学校経営ー夢のたまごを育てるー」というテーマで話されました。
ヨーロッパそれもドイツにある日本人学校というイメージからすこしかけ離れた子どもたちの様子。「ことばができない」「ソーセージばかり」「バスの乗り方もわからない」「日本のような豊かさがない」そんな子どもたちを、様々な取り組みや行事などで元気にしていこうとする教師達の熱意が伝わりました。カーニバルの仮装は子どもたちに大受けだったことでしょう。

テヘラン

3番手は、テヘラン日本人学校に赴任されていた、増田吉紀先生です。「イスラム教下でのテヘラン日本人学校 〜制約の多い中での教育活動〜」というテーマで語られました。
イスラム教と聞くと、いろいろな意味でまだよくわからないというイメージがつきまといます。そんな世界に飛び込んでいっての生活や教育活動は、やっぱり目を見張るものがありました。マグナイとかヘジャブという被り物で体を覆わなければ外には出れない。だから体育は体育館の中で行う。でも、スキー場は被り物フリー。エキゾチックな世界遺産に、できれば行ってみたいと思いました。

ソウル

4番手、ソウル日本人学校の赴任されていた、新田憲先生です。「ソウル日本人学校の現状と課題」と言うテーマで話されました。
テコンドーの道着に着替えられた先生は、赴任先で始められたにもかかわらず、黒帯取得の腕前。目の前に繰り広げられる技に目を見張りました。かっこいいです。また、チャングにも挑戦されたとか。やっぱり若さですね。日本と同等の教育を子どもたちにと、ご苦労されている様子がわかりました。海外での生活で、「家族のつながり」が強くなると、赴任国で一子をもうけられた先生は語りました。

メキシコ

そして最後は、メキシコ学院日本コースに赴任されていた、中北基先生です。「海外生活を通して見えてきた新しい感覚(かぜ)〜メキシコから学んだこと〜」というテーマで語られました。
メキシコクイズで聴衆の心をつかんでいくという滑り出しで、知っているようであまり知らないメキシコについて、楽しく学習ができました。日本から離れて初めて感じることができる日本人の長所と短所を述べられた後、メキシコでの生活を通じて見えてきた感覚とは、最後には「やっぱり笑顔」だとしめくくられました。「アスタマニャーナ」やっぱりラテンですね。

4時間という長時間でしたが、話すほうも聞くほうもまだまだと言った様子でした。報告者並びに参加者の皆さん、ありがとうございました。
一人当たり30分というのは、やっぱり無理なようです。話したいことは山ほどあるのは、帰国した教師に共通して言えることです。帰国後16年にもなる筆者さえもそうなのですから。

研究部 岸本 昇
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