三曲さんきょく
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三曲実演
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詞章
- 酒は量(はか)りなしと宣(のたま)いし
- 酒に大蛇(おろち)を平らげ給う これ皆酒の徳なれや
- 今世の人も聞こし召せ ささ聞こし召せ ささ
※(注記)演奏は一部抜粋
「笹の露(ささのつゆ)」別名「酒」
- 作詞
- 島田両造(両三)(しまだりょうぞう[生没年不詳])
- 作曲
- 菊岡検校(きくおかけんぎょう[1792-1847])
- 箏手付
- 八重崎検校(やえざきけんぎょう[?-1848])
- 出演
- 三絃 平田紀子、箏 寺井結子、尺八 黒田鈴尊
〈掛合いで描くお酒の風景〉
聴きどころを平田紀子さん、寺井結子さん、黒田鈴尊さんの三人に聞きました
なんといっても「酒」という別名があるこの曲には、三曲合奏の中でも例外なほど、長い掛合い(かけあい)
歌舞伎(かぶき)舞踊などの伴奏音楽を、異なるジャンルの音楽が交互に、または同時に分担して演奏すること。また義太夫節(ぎだゆうぶし)では、複数人の太夫で登場人物を分担して語ること。があります。その掛合いがお酒を酌み交わす様子を表しているとされていまして、お酒が好きな3人で楽しく演奏できたらいいなと思って、この曲を選びました。
最初のころは、乾杯してまだほぐれてない様子、遠慮しいしい「あ、いかがですか?」なんて、ちょっと気遣い合いながら。そして「まだまだ酔ってないぞ」というところから、だんだん時間を忘れて盛り上がるところまでもっていくのが面白いですね。
今回は、乾杯し始めたところまでのご紹介ですが、三曲合奏の楽しさは伝わるかな、と思います。それに歌詞も魅力的です。全部弾くと20分強の曲ですけれども、ストーリーがあるので、その辺を楽しむと長く感じないと思います。
曲中の技法(三絃)について平田紀子さんに聞きました
「高ツボ」といって、高音を出すために三絃の胴のすぐ近くあたりのポジションを押さえるんですよ。 高音をツボ(つぼ)
三味線を弾く時に左手で弦を押さえる位置のこと。「勘所(かんどころ)」などともいわれる。で作って長いフレーズを弾いて、ある種の緊張感を持たせるのが大きい特徴だと思います。 通常の音程に戻ってきたときには緊張から解き放たれる爽快感すら感じます。地歌では高ツボを多用するので、低音から高音まで三絃が出せる音域をフルに使って自在に弾く楽しさがあります。
曲中の技法(箏)について寺井結子さんに聞きました
箏の技法には、スクイ(すくい)
三味線の演奏で、撥(ばち)で弦の下からすくうように弾く奏法のこと。また箏(そう・こと)では親指につけた爪で弦を手前から弾いた後に、爪の裏側を使って向こう側から弦をすくうように弾く奏法をいう。や、普通に弾く音とは違って、音色がちょっとびりついたような音色になる消し爪という奏法があります。あとは、爪をはめてない指で弾く、ピチカートという奏法があったりします。同じ音程でも、技法が変わると音の感じが変わるので、より面白さが伝わるかな、と思います。
曲中の技法(尺八)について黒田鈴尊さんに聞きました
「うちゆび」といって、同音を連打するときに、穴(指)を変える技法があります。ただ単に同音連打で息遣いを変えるだけではなくて、指も変えて、音色を変えていきます。尺八には音味(ねあじ)という言葉もあって、同じ音でも指を変えて、使い分けている、より複雑化していく、というところも、見せ場かなと思います。昔の人は、それをおもしろく使っていたと思うので、今の人の耳にもアピールできればいいなと思って、一生懸命練習しています。
演奏方法
三曲 三絃 演奏方法の解説
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三曲 三絃の技法
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三曲 箏 演奏方法の解説
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三曲 箏の技法
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三曲 尺八 演奏方法の解説
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三曲 尺八の技法
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