三味線音楽しゃみせんおんがく
概要
三味線は歌や語りの伴奏楽器として、さまざまな種類の音楽を生み出しました。三味線を用いた伝統的な音楽を総称して三味線音楽とよびます。三味線音楽は、踊りの伴奏としても広く用いられました。
16世紀中期ころに琉球から大坂の堺に伝わった三線(さんしん)を、日本人が使いやすいように改良したのが三味線です。この三味線は、近世文化の担(にな)い手であった町人たちの最も身近な楽器として普及し、さまざまな種類の三味線音楽が生まれました。
三味線は、それぞれの音楽の種類に応じて、胴の大きさや棹(さお)の太さ、用いる撥(ばち)の形などが異なります。さらに三味線の弾き方も音楽の種類に応じた違いがあり、音楽の種類によって異なる音色で演奏されます。三味線音の好みには地域性があり、上方(かみがた)
江戸時代に、京都やその周辺の大坂などの地域をさして使われるようになった語。(関西)ではやわらかい音色が好まれ、江戸(関東)では切れのよい華やかな音が好まれました。
三味線音楽は、歌舞伎(かぶき)や人形芝居などと結びついて演奏される劇場の音楽と、座敷(ざしき)
畳を敷いた部屋。客を迎え入れて酒宴などを開く部屋も指す。などの小さな室内で音楽を聴くために演奏される三味線音楽とに大きく分けられます。
「春霞弾初雙六」
所蔵:国立劇場(NA0080595000)