2022年04月29日

パーリナイ



先日、市内某所で本の出版記念パーティがあってん。
関わっている親しい人がいくということで一緒に参加した。
ドレスコードは別にないよと聞いていたけど
会場がホテルの鳳凰の間やさけ、Gパンに雪駄履きというわけにもいかん。
とりあえず、黒の長いワンピースにパンプスというとこまで決めて
さーよ、これでは身内の葬式帰り(時間的には通夜帰り)やと思われるやん。
普段、装飾品も鞄もない私としてはどないしょ。
こりゃ買いに行くしかあるまいと仕事をさぼりゲットした写真。
多分100人ぐらいの中で一人やろと周囲を見てほくそ笑む。
「今日は正装やね」と言われたけど、
アンティークなバック390円、バングル55円、スカーフとイヤリングは100均。
ちなみに素敵なパンプスも500円で買ってきた。
そのパーティを軽んじてるわけやないで。
多分この手のものに全く興味がない上、1回こっきり。
主役でもないさけええわい。
実は5/11から1週間、還暦のうちにぶらり旅に出る。
ほんまは1か月いきたいんやけど仕事をそこまで休まれへん。
FMの収録もある。んで1週間。
その資金を置いておきたいね〜ん。
(しかもパーティの参加費は10000円やってんもん!!!)

<いい季節>

いい季節。
春は初夏のように暑い日や、寒の戻りなどもありつつも
いい季節だ。
こんな陽気だから思い切って自分の殻をやぶってみよう【孵化】。
俺は明るい世界で生きていきたい。
脱皮を繰り返し、俺は一回り大きくなる。強くなる【脱皮】。

でも...ふと立ち止まる【前蛹ぜんよう】。
じっとして考える。
考えながらもう一度イチから俺自身を作り変えてみよう。
今度こそ、今までとは違う新生・俺【蛹】。

早く、早くしないと。
仲間は多分、糸掛けをしてから2週間で羽化していくはず。
結局、俺は再生ができなかった。
さなぎの中で幼虫だった体はバラバラになり
液体となり、いつまでたってもそのままだった【羽化失敗】。

ああ、一度でいいから飛びたかった。
この意識がなくなる前に。

すると体を固定していた糸もろとも大きな力で
小川に向かって投げられた。
さなぎのままだったが確かに飛んだ。
羽は広げられなかったが
虫を好まない人間に、俺は心底感謝していた。


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2022年04月15日

来て嬉しい、帰って嬉しい



スマホの待ち受けを
「孫」「犬猫」にはせーへんと決めちゃあった。
(「夫」は論外)
そんな甘ちゃんな人間ではないっ。
と思っていたのに、ロック画面もホーム画面も孫。
気づいたらパソコンの壁紙も孫というていたらく。
過去の自分に恥じる。即、改善しよう。
もっとおシャンティな写真を撮って、クリエイターっぽいスマホを目指すでぇ。

この頃、映像クリエイターという今まで周りにはいなかったタイプの人と会うことがある。
なんか横文字の職業というのは信用ならんと思いこんじゃあったけど、会ってみると常識人が多い。
会話に横文字がぶわ〜っと羅列するのかと思いきや、こちらを考えてか最小限に言うてくれる。
難しいことをそのままいうのは普通の人で、頭がいい人は相手に合わせて簡単に理解できるように変換する。
この間聴きに行った講師は
「今後のオーガニゼーションはナレッジマネジメントの〜」
「今経済はスタグフレーションでダウントレンドのダンピングが...ポートフォリオがマストで〜」
本気であほか、思と。
ほんまに内容わかっていうてんのか。

どうでもいいが、息子はシステムソリューション部というわけわからん横文字の会社の中にいる。
なんじゃ、そりゃ。

<コックリさんコックリさんおいでください>

【はい】
すごい!ほんまに来た!!
「何聞く?どうする?怖い!」
放課後の教室に集まった4人は色めき立った。
A子が遠慮のない声で聞いた。
「私の未来はどうですか?」

【A、コ、シ、ヌ】

「え?」みんなの顔が曇った。
「嘘やん?そんなん嫌や」
A子は思わず手で顔を覆った。
「あかんて、コックリさんがいるときに指を離したら呪われるんやで!」
A子は素早く指を戻し「今のすぐ戻したからノッカンやな」といった。

ノッカンなわけないやろ。
これが本物のコックリさんやったら。

私がやってたんやで。ぎゅーって10円玉を動かしてたんや。
3人はそれに引っ張られて答えを導かれている。
色んな質問が出た後
もう一つだけどうしても聞きたいことがあって、とA子が言う。

「B君の好きな女の子は誰ですか?」
皆が大好きな王子様B君。
10円玉はものすごいスピードで飛ぶように動いた。

【A、コ、ガ、ス、キ】

A子は勝ち誇ったようにみんなを見た。
そんなはずはない。
私同様、故意に動かしたんだろう(恋だけに)。
と、「もう帰ろう」と満足げに言いこっくりさんの紙を
ゴミ箱に捨てた。

「こっくりさんお帰りくださいも言わず、知らないよ」
と後の2人は怯えている。
それには答えず、
「コーン度B君とデートしよっかな。
B君と結コーンしたら遺コーンを残さずコーングラチュレーションて祝ってネ」

A子は呪文のように【A、コ、ガ、ス、キ】と呟きながら
教室の外にぴょんぴょん跳ねて出て行った。
全身コーンじきの毛で覆われ、尻尾が短いスカートの中から
顔をのぞかせる。
「うわ〜〜」

(注記)私は「何がネだ」と、口にする。


Posted by こば at 21:51Comments(0)

2022年04月11日

宮本静ゴールデン歌謡劇城



昨日は友達と待ち合わせをして和歌山城ホールに「宮本静のゴールデン歌謡劇城」を観に行く予定やった。

待ち合わせ前に本町公園のマルシェに友達2夫婦がおると知って
ダッシュで会いに行ってん。
こういうことは絶対にしないタイプやと自分で思っていたので
走る自分を俯瞰で見ながら「人の性格は変わるのかもしれん」と不思議やった。

その前夜はこれまた友達が還暦ライブをするというので出かけて行った。
友達がここのところ増えたのかもしれん。

和歌山城ホールの前においしいイタリアンをおごってもらったりした。
友達とは、げに、ええもんや。

ところで静ちゃんの舞台はいつもながら堂々としてて素晴らしかったが
今回「あ」の席、つまり一番前を取ったのには理由が。
いっぺん見てみたいと思っていた「すわん江戸村」という大衆演劇とのコラボやて。

実は知り合いがここの役者さんにどはまりして、
お金をためて貢物をしていた。
寝ても覚めても兄ちゃんを想い、少しでも近くにいたいと必死やった。
どんなに望んでも、若い役者さんにとって「お金を運ぶおばちゃん」でしかないのが
なんでわからんのやろう?

昨日、わかった。
これはいかれる。
若くてきれいで妖艶な兄ちゃんの視線はおばちゃんの女心ぐらいは簡単に射抜ける。
縦に並んでたら10人ぐらいはいてまうやろ。
詳しく書くと明日の朝まで書けるからやめとこ。

百聞は一見に如かず。嘘やと思たらぜひ一度ご覧あれ。

<役者だねぇ>

ある大衆演劇の看板役者「清水禮之助」に
彼女は惚れていた。
憧れとか、ファンとかやない。
心底惚れぬいている。

彼が欲しいといえば、
着物も帯も扇子も、毎舞台履き替える足袋さえ
私が買ってやりたい。
彼は「ありがとう」とは言わない。
口の端で少し笑って、
「次の舞台で着るから必ず見に来いよ」という。

仕事があるからと断ると「チッ」舌打ちをされる。
その舌打ちさえ美しい。

禮之助と染め上げた楽屋の暖簾は彼の初舞台で送ったものだ。
その暖簾を部屋にひっこめて、目の前で楽屋の戸を閉める。
楽屋の前に来られる関係になるまで
どれだけの時間とお金を使っただろう。

「もういいよ」
「そんなこと言わないでよ」
「次の舞台は俺の演出なんだ。だから特別な女に見せたかったのに」

特別な女という表現に彼女はめまいがした。

清水禮之助という蜘蛛の巣に彼女は囚われていた。
もう糸でほとんど覆われて身動きが取れないのだが、
それを至福だと感じていた。

彼女たちは紛れもなく幸せを感じていた。

(注記)その人だけを見ることは時にラッキーだ。横を見ることをしない。

Posted by こば at 22:33Comments(2)

2022年04月08日

壺の大きさは誉め言葉ととろう



会社で悲しいことがあり大阪に向かう。
京奈和道に乗るころには「ええ天気」やということに
気持ちが90%動きすっかり悲しいことは悲しいことではなくなった。
薄まったのか消えたのかは定かではないけど。

ずっと何年も前の悲しいことをひきずる人がいる。
客観的に見たら1日寝りゃ忘れるレベルやのに。
前に娘が鬱になって心療内科に通ったことがある。
客観的に見たら鬱になるタイプでは決してない。
ほいでもなった。なんでや。
今は心療内科は商売繁盛で、ストレス社会であることは間違いない。

そのお医者さんによると私のストレスの体内の壺はとてつもなく大きいか
底に穴が開いているらしい。

バケツにゃ穴が開いている 藁を詰めればいいでしょ♪。

<天の羽衣>
男は水浴びに天から舞い降りてきた天女の衣を隠した。
若い天女は羽衣を探したが見つからず
男は裸の彼女に自分の着物をかけて優しく話しかけた。
そして自分の家に連れて帰り大切にして
2人は楽しく暮らした。

しかしある日、天女は隠されていた羽衣を見つけ
男を問い詰めなじり天に帰って

いくはずだった。

天女は男の家に着いた時から
「あたしを誰だと思ってんの?」と男をののしり、
たくさんの食べ物を男から奪い、食べちゃ寝て
ブクブクと太ってしまった。
腹囲は97cmというえげつない状態で男のももひきさえも入らないぐらいだった。

「飛べない...。なんということだ!」

2人は同時に同じ言葉をつぶやいた。が
男の声は天女の2倍大きく、絶望感が半端なかった。



Posted by こば at 20:41Comments(2)

2022年04月07日

小指の思い出




えげつないことが起こった...。
昨日会社の健康診断やった。
去年とは格段に太っていて、おととしの痩せていたころとは20kg見事にリバウンドした。
自覚はあった。
問題は「腹囲」ウエストじゃなくおへその下あたりを測る。
「97cm」「嘘やん。もう1mやん」
残り小指1本で1m。これはメタボをはるかに超えている。
1キロメーターボ、言うてる場合か。

「健康そのものですね。悪いとこないです」と産業医の先生は言い、
「太りすぎ以外はね」と念押しした。
しかも背も伸びていた。
多分、足の裏に脂肪が巻いたんやろうと推測される。

実はその前日「かに道場」で越前ガニをたらふくおよばれした。
あほ程食べた。う、う、うまい。人の分まで食べた。
そのバチかもしれん。

<画餅>

ところで私は誰だ。
広いアイランドキッチン。
IHコンロでカレーの鍋をかき混ぜながら不安になる。
私、というところを見ると女だろうか。
いや、ジェンダーレスの時代だ。
私=女
料理=女
時代錯誤だ。

ローリエを避け、味見をする。思ったより甘い。
「ママ、まだ?お腹空いたよ」
「じゃあ、一緒にお手伝い大作戦!」
弾む声を聞いて、私は「母」だとわかった。

夫ご自慢のカトラリーポケットが付いた丸めたランチョンマットを
3組、大きなテーブルに運ぶ。
大きな窓から降り注ぐ光。
ピンク色のミトンでカレー鍋を持ち、まぶしい場所を慎重に歩く。
「おいしいね」
「ママのカレーは世界一だね」と二人は私を待たず食べている。

私は早い段階からこれが夢だとわかっていた。
わかりながら笑った。
ご飯だけを入れた皿を自分の席に運んだ。

笑っているはずの夫にも子供にも顔はなかったが
確かに幸せを感じていた。

Posted by こば at 22:40Comments(0)

2022年04月06日

4月になったね〜いい季節だね〜



4月1日のエイプリルフール。
以前、東京でデビューするとか面白い嘘をついたのに
今回は何人かの友達に「離婚することになってね」と送ったら
「やっぱり」という反応やったのでこの手のは笑えやんとわかった。

2、3日と上富田町で仕事やった。
昨日はもう桜が嫌というほど咲いていて
きれいという陳腐な言葉以外の形容詞がなかなか見つからん。
淑やか、優美、麗しい、可憐な、何と言うても桜はきれいや。
誰かが桜は「待つ、咲く、散る」どれをとっても絵になるというてた。
山に目を向けたら「山笑う」の季語の通り、嬉しそうやった。

2日目の日曜の仕事は夫の携帯が壊れたことで予定が大幅に狂てもた。
ともかく滞在時間も説明も長い。
スマホの新しい型を開発するより、手続きの簡素化を目指したほうがええ。

ソフトバンクの片隅には「スマホ教室」が開かれていて
中高年のスマホ初心者が説明を受けていた。
それもまた長い。じいちゃんの精神と健康、面面が心配になる。

<オカンオカン詐欺>

「もしもし、オレオレ」
「よ...よしおなの?」
「そう、そうだよ母さん」
「よかった。ありがとう連絡してくれて」
「実は...」
「実はね、お母さんね、会社のお金が入ったカバンを落としてしまって、動揺して自動車事故を起こしちゃって...。
会社のお金をこっそり株に投資してたこともばれそうなの。
連帯保証人になった友達もいなくなるし」

え?大変な状況じゃないか。

「だからすぐにお金を用意して」
「すぐなんて無理だよ」
「今いる場所を教えて。お母さんは事故の話し合いでここを動けないから会社の部長さんが取りに行くわ」
「銀行に行かないと」
「じゃあ、銀行協会の職員があなたの自宅に取りにいくから、キャッシュカードを預けてね。手続きに必要なので暗証番号を教えなきゃだめよ。早く!」

オレは母さんを助けたい一心だった。




Posted by こば at 18:33Comments(0)
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