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画像:20170604車椅子のママ心配?]
東京・中日新聞
2017年6月4日
障害者は四つ葉のクローバー
「車椅子のママ 心配?」
実家が沖縄で、飛行機での移動が欠かせない私。でも先日、予約の際に「待った」が掛かりました。初めて、息子と二人で帰省しようとしたからです。
その航空会社独自のルールでは、身の回りのことができない障害者は必ず付き添いを付け、さらに三歳未満の子がいる場合は、あと一人付き添いが必要なのだそうです。私は身の回りのことは自分ででき、子どもも三歳以上なのですが、緊急時の脱出などの対応のため、利用を保留にされてしまいました。
息子はもうすぐ四歳。話を聞いたり、約束が守れたりするようになってきて、私と二人だけのお出かけも楽しんでいます。私は何かあったとき、息子をさっと抱きかかえられないので不安もありますが、私たちなりのやり方を見つけ、時にはまわりに助けてもらえばいいと思っています。
今回は、息子は指示に従って動けること、何回も搭乗の経験があることを説明し、どうにか認められましたが、当たり前の私たちの生活を否定されたようで、悲しくなりました。
ヘルパーをはじめ、誰かが一緒に出かけてくれるのは安心です。しかし急ぎのときに調整をしないといけないのは、時に面倒です。制度の中で、私がヘルパーを使える時間も限られています。ヘルパーへの給料、交通費もかかります。
車椅子ユーザーら障害者への対応が心配なのは、仕方ないでしょう。でも入店や利用を初めから渋るのではなく、利用者にどんな手伝いが必要か、どこまでなら対応できるのかを話し合えたらありがたいです。
その航空会社では、一般の人は三歳未満の子を二人連れることはできますが、「障害者」となるとルールが厳しくなるようです。障害者の利用がもっと自然なことになるよう、お出かけを続けていきたいです。
写真:お出かけの最中、車椅子をベビーカー代わりにお昼寝する息子
いぜな・なつこ 骨の折れやすい障害で電動車椅子を使いながら、神奈川県内で子育てに奮闘中。