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個人企業経済調査の概要
調査の目的
個人企業経済調査は,統計法に基づく基幹統計調査(基幹統計である個人企業経済統計を作成するための調査)として,個人企業の経営実態を明らかにし,中小企業振興のための基礎資料などを得ることを目的とする。
調査の沿革
個人企業経済調査は,経済安定本部(現在の内閣府)が,昭和22年に国民所得の推計資料を得るために実施した「個人企業経済調査」から発展したものである。
昭和27年4月には,そのうちの工業及び商業についての部分を,総理府統計局(現在の総務省統計局)が調査することとなり,同年10月に,名称を「個人商工業経済調査」と改めた。
その後,昭和36年7月に「個人企業経済調査」と改め,従来の製造業及び卸売業・小売業のほかにサービス業を加えて調査するようになり,昭和39年7月からは調査事項を拡充し,営業上の資産及び負債についても調査することとした。
また,昭和41年7月からは,調査対象を大幅に拡大するとともに,従来調査地域としていなかった町村についても調査することとした。
平成14年からは,従来の調査票を整理・統合するなど調査方法を大幅に見直すとともに,事業主による業況判断や事業主の年齢等を新たに調査することとし,標本規模を従来の約3,000から約4,000に拡大した。
さらに,令和元年度に実施する調査からは,調査結果の利活用の一層の推進を図るため,調査の抜本的見直しを行った。調査対象産業を,「製造業」,「卸売業,小売業」,「宿泊業,飲食サービス業」及び「サービス業」の4産業から,ほぼ全産業に拡大し,標本規模も約4,000から約40,000に拡大した。標本規模の拡大に伴い,調査周期を,これまでの四半期調査(動向編)及び年次調査(構造編)から年次調査に集約した。また,新たに都道府県別結果を公表することとした。
調査の根拠法令
個人企業経済調査は,「統計法(e-Gov)別ウィンドウで開きます。(平成19年法律第53号)第2条第4項」に基づく基幹統計調査(基幹統計である個人企業経済統計を作成する調査)として,「個人企業経済調査規則(e-Gov)別ウィンドウで開きます。(昭和50年総理府令第5号)」に基づき実施する。
調査の対象
全国の個人企業約200万企業(平成28年経済センサス-活動調査結果による。)のうち,次の産業を営むもののなかから,一定の統計上の抽出方法に基づき抽出した約40,000企業を調査対象とする。
大分類 | 備考 |
---|---|
D 建設業 | |
E 製造業 | |
G 情報通信業 | |
H 運輸業,郵便業 | 中分類「42 鉄道業」及び「46 航空運輸業」を除く。 |
I 卸売業,小売業 | |
J 金融業,保険業 | 中分類「62 銀行業」及び「63 協同組織金融業」を除く。 |
K 不動産業,物品賃貸業 | |
L 学術研究,専門・技術サービス業 | |
M 宿泊業,飲食サービス業 | 小分類「765 酒場,ビヤホール」及び「766 バー,キャバレー,ナイトクラブ」を除く。 |
N 生活関連サービス業,娯楽業 | 小分類「792 家事サービス業」を除く。 |
O 教育,学習支援業 | |
P 医療,福祉 | 小分類「831 病院」,「832 一般診療所」及び「833 歯科診療所」を除く。 |
Q 複合サービス事業 | 中分類「87 協同組合(他に分類されないもの)」を除く。 |
R サービス業(他に分類されないもの) | 中分類「93 政治・経済・文化団体」,「94 宗教」及び「96 外国公務」を除く。 |
抽出方法
最新の事業所母集団データベースから作成した母集団名簿に基づき,都道府県別に産業及び売上高階級の各層から,層化無作為抽出により行う。なお,調査対象企業は継続して3か年調査し,毎年,調査の実施ごとに調査対象企業の全体の3分の1を入れ替える。
標本抽出方法 | 層化無作為抽出 | |
---|---|---|
層化基準 | 産業区分 | 6区分:「建設業」,「製造業」,「卸売業,小売業」,「宿泊業,飲食サービス業」,「生活関連サービス業,娯楽業」,「サービス業(上記産業を除く)」(※(注記)) |
売上高階級 | 2区分:都道府県,産業分類ごとに売上高90%点を算出し,各標本の売上高が売上高90%点未満か否かで区分 |
|
都道府県 | 47区分 | |
標本配分 | 産業区分 | 均等配分 |
売上高階級 | 均等配分 | |
都道府県 | 都道府県の規模(個人経営の企業数)で傾斜配分 | |
標本規模 | 層内 | 40以上 |
都道府県 | 480以上(=×ばつ6区分(産業分類)×ばつ2区分(売上高階級)) | |
全国 | 約40,000 |
※(注記) 標本設計上の産業分類区分
標本設計上の産業分類区分 | 左に該当する日本標準産業分類(大分類) |
---|---|
「建設業」 | D 建設業 |
「製造業」 | E 製造業 |
「卸売業,小売業」 | I 卸売業,小売業 |
「宿泊業,飲食サービス業」 | M 宿泊業,飲食サービス業 |
「生活関連サービス業,娯楽業」 | N 生活関連サービス業,娯楽業 |
「サービス業(上記産業を除く)」 | G 情報通信業 H 運輸業,郵便業 J 金融業,保険業 K 不動産業,物品賃貸業 L 学術研究,専門・技術サービス業 O 教育,学習支援業 P 医療,福祉 Q 複合サービス業 R サービス業(他に分類されないもの) |
調査の時期
調査の期日及び期間
調査は,毎年6月1日現在で行う。なお,経理事項(棚卸高を除く。)については,前年の1年間の状況,棚卸高については,前年及び一昨年の12月末時点の状況,従業者の採用・離職状況については,前年6月1日から当年5月31日までの1年間の状況について,調査を行う。
調査期間
毎年5月下旬〜6月末日
調査事項
1 調査対象企業に関する事項
ア 名称及び電話番号
イ 所在地
2 事業主に関する事項
ア 事業主の男女の別及び年齢
イ 後継者の有無
3 事業全体に関する事項
ア 主な事業及び主な事業以外の事業収入の有無
イ 売上金額及び仕入金額
ウ 棚卸高
エ 営業経費等
オ 受託の状況
カ 設備取得状況
キ 従業者数
ク 従業者の採用・離職状況
4 主な事業に関する事項
ア チェーン組織への加盟の有無
イ パーソナルコンピュータの使用の有無
ウ 営業(操業)日数及び時間
エ 営業用土地・建物の所有形態
オ 営業用建物と自宅用建物の別
カ 事業経営上の問題点
キ 今後の事業展開
ク 法人化の予定
調査票
調査の方法
調査は,総務大臣が業務を委託した民間事業者から調査票を郵送し,調査対象企業の事業主又は事業主に代わる者が調査票に回答することにより実施している。調査票の回収は,郵送又はインターネットにより行っている。
<調査の流れ>
総務省統計局 − 民間事業者 − 調査対象企業
業務の実施機関
調査に係る業務のうち,
調査の実施については,以下の業者に委託して実施しています。
「個人企業経済調査実施事務局」
個人企業経済調査共同企業体(株式会社サーベイリサーチセンター,株式会社インテージリサーチ)
調査結果の集計については,独立行政法人統計センターに委託して実施しています。
集計及び結果の公表
総務省統計局に提出された調査票は,独立行政法人統計センターにおいて集計する。
調査の結果は,調査実施の翌年の3月までにインターネット等により公表する。
結果の利用
個人企業経済調査の結果は,中小企業関係施策のための基礎資料や, 国民経済計算年次推計に利用されています。
中小企関係施策のための基礎資料
小規模企業支援のための諸施策
- 個人企業の経営実態をみる際に売上高や営業利益などが活用されています。
国民経済計算年次推計
- 混合所得の推計に1企業当たりの営業利益等が利用されています。
- 民間企業設備投資の個人企業分の推計に1企業当たりの新規設備取得額が利用されています。