1/12 タミヤ CB750F レストア
クリアー塗装と完成写真です。
デカールが乾燥したら、いよいよクリアー吹き。
そして研ぎ出しも終了した状態がこちら。
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で、結論から言うと染み出しは出ませんでした。パチパチパチ。
クリアーの工程は5回。
2回目までは砂吹きで下地のクリアーを出来る限り溶かさないように
慎重に砂吹きします。
3回目にそこそこの吹付で塗膜を重ねていきます。
4,5回目はしっかりと塗膜を載せて厚めに吹いてやります。
各工程の間は1時間の乾燥ブースです。
5回目が終わったら、6時間は乾燥させましょう。
私は1日おいてから研ぎ出しに移っています。
ちなみにデカールの段差は完全に消しきっていません。
あまりクリアー層を厚くしたくないんですよ。
全体的にシャープさが無くなってくるので。
それに完全に段差を消し切ると立体感がなくなる気がします。
いやね、気がするだけなんですけどね。
そもそも実車を見ているとき(特に遠くから)は、
ステッカーなどに立体感はないと思うんだけど
印刷とはちょっと違う感じがします。
何でかはよくわかりません。
たぶんステッカーの厚み分に影がつくので、
それを人間は感じ取っているんでしょうね。
デカールの段差を消すと、見た目は美しく見えるんだけど
印刷されたおもちゃに見えてしまう気がします。
私だけかもしれませんが、それが理由で世間とは反対方向の
段差ありの完成品を作っています(笑)
塗装の塗りわけの段差は完全に消します。
でも、デカールの段差はちょっと残すのがRinzou流です。
そして完成です。
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このブログを始めて5年になりますけど、初めての完成品のご紹介になりました。
(と言ってもレストアなので、、、汗)
本当はもっと紹介できるものはあるんだけど、文章が苦手なんですよね。
できる限りリアルタイムに載せるよう頑張ります。
タンク類は置いておいて、その他をいじります。
シートは金型の都合で端面が角ばっています。
でも実車は端面が円いんです。
シート表皮の下にスポンジがあるので、
それを巻き込むと厚みがあるので丸くなるわけですね。
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写真では丸端面が角張っていますので、
そこを600番くらいのペーパーで丸めます。
昔に作ったときは色も塗らずにそのままのパーツを使っていました。
たぶんそんなところは気にならなかったのかな。
色を塗らなかったのは、表面の質感がそこそこに良かったからだと思います。
今回は角も削って、ベルトの周囲を筋彫り追加して立体感を出して塗装します。
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フロントフォークはメッキパーツです。
パーティングラインが目立つので、ためらわずにメッキをはがしてしまいます。
今回は漂白剤を使わずにシンナーのみではがしました。
時間がかかりますけど、シンナーだけでもはがせますので。
写真の筆はこするための筆です。
短く切って力を入れてこすれるようにしています。
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剥がした後はパーティングラインの処理。
昔にやらなかった理由はメッキ部分の再現ができなかったからですね。
今はメタルシールがあるので、インナーチューブにはそれを貼ります。
よって、パーティングラインがないパイプに見せることが可能です。
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ヘッドライトの固定部なんだけど、とても厚くできています。
これも出来上がりをぼやっとさせてしまう原因なので、薄く削ります。
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薄く削ってシャープになったヘッドライト固定部とメタルシールの貼り付け。
できる限り1枚で張るのがきれいに見せるコツです。
しわが寄らないように、少しひっぱり気味で貼っていくといい感じになります。
ハセガワから出ているミラーフィニッシュを使いました。
このミラーフィニッシュは細かい凹凸に追従しないので、
きれいな面にしか使えません。
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タイヤは経年変化でこんなことになってしまいました。
これも加水分解による劣化ですね。
ゴムだとここまで劣化はしないだろうなあ。
ちなみにプラモデルのタイヤは、ほとんどゴムは使われていません。
エラストマーと呼ばれる柔らかいプラスチックです。
次回で完成です。
2層目のクリアーレッドを塗装。
使用する塗料は
ガイア クリアーレッド。
ムラにならないように薄く溶いた塗料を何回かに分けて塗ります。
一気に仕上げようとすると角部やちょっとした凹部にに塗料が
たまってムラになりますから少しずつ。
色付きのクリアーの塗装はとても難しいです。
塗り重ねていくと、どんどん色が濃くなります。
よって、ちょっとでも凹凸があると塗膜の厚さが変わるために
部分的に色が濃くなってムラになるわけ。
私は砂吹きに近いくらいの、表面に塗料をためない
吹き方でやっています。
最後にクリアーを吹くのでツヤは気にしません。
ちなみに私は5回重ねました。
クリアーレッドが乾燥したら、デカールを貼る前にクリアーを吹きます。
実はこれには理由があります。
塗装表面の凹凸によるデカールのシルバリング対策というのもありますけど、
どちらかというと赤色の染みだし対策です。
ガイアのクリアー系の色はすべて染料系です。
ちょっと堅い話になりますが、
染料というのは物質と結合してその物質自体の色を変化させるものです。
つまりクリアー塗料(透明樹脂)の分子と結合して発色します。
ただ、結合自体は溶媒(この場合はシンナー)で外れてしまうので
重ね塗りで染み出すのは上塗りした時のシンナーで染みてしまうためです。
それに対して、
顔料系と呼ばれる一般的な塗料は、色のついた粒子が塗料樹脂に
混ざって発色しているものになります。
だから色移りはありません。
よって、クリアー染料系の塗料は重ね塗りすると色が移行します。
今回はまさにこの状態。
完全に乾燥したクリアーレッドの上にデカールを貼る分には
デカールの変色はないはず。
しかしその上にクリアーを吹くとシンナーが染料を活性化させて
確実に赤が染み出してきてデカールを変色させるはず。
よって今回はクリアーを先に拭いて赤の染みだしを防止して
その上にデカールを貼ります。
そうすればデカールの上にクリアーを吹いても、
溶けるのはクリアー層なので変色は防げるはず。
というわけで、2日間乾燥機で硬化させたクリアーレッドの上に
砂吹きに近いクリアーを数回に分けて重ねます。
それでもたぶん最初の何回かのクリアーには染み出すでしょう。
でもそのうちクリアーの上にクリアーが重なれば、シンナーが
クリアーレッドに触らなくなって染みだしが防げるはず。
今回は6回に分けて薄めたクリアーを吹いています。
使用したシンナーはリターダーが入っていない単純なうすめ液。
その中でも乾燥が早いガイアのうすめ液を使います。
要は溶媒(シンナー)が早く揮発してくれれば、染料の活性化が抑えられて
染みだしが極小で止まるはずなので。
さて、デカールは染まらずに過ごせるのでしょうか(祈)
シルバーに塗装します。
今回はキャンディーレッドにしますから、まずは下地のシルバーを塗装。
使用する塗料は
ガイア スターブライトシルバー
ギラギラしたシルバーなので車体色や広い面の金属部には
あまり使いません。
でも、キャンディ塗装にはこれくらいギラギラしたほうが
見た目が明るく美しいので仕上がりが華やかになります。
本日はここまで〜
タンクの下地処理。
使用するのはクレオスMr.フィニッシング サーフェイサー1500。
1:3の割合でシンナーで薄めてブラシで塗装。
表面の仕上がりがとてもなめらかなので、現在のお気に入り。
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吹いたらキズやヒケがないか確認。
以前は合わせ目を完全に消し切れていなかったので、
今回はしっかりとペーパーで消しておきます。
タンクキャップの周囲の形状が角ばっています。
本来、この周囲は板金を曲げているので、こんなに角ばっていません。
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実車はこんな雰囲気。
ヌメっとしてます。
よってこの角をちょっとだけ削って丸めます。
とは言え、この角を丸く削るのって実は難しい。
開けた場所の角を丸めるのはペーパーでもいけます。
ところがこれみたいに周囲が複雑な形をして、
さらに凹部の場合はペーパーを丸い形に確保することが難しい。
結果、丸く削りたいのに平らに面取りされてしまうことがあります。
全体が平らに面取りになってしまうのならまだしも、
丸かったり平だったりと見栄えが悪くなることこの上ない。
そこでこれ。
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片面がヤスリになっているスポンジ。
これは便利です。
正確に平らな面を出すのは絶対にできない代物ですが、
逆に角を丸めるのにこんなに便利なものはありません。
曲面に滑らかに接してくれるので、曲面の研きも
とてもきれいに仕上がります。
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断面を見ればスポンジであることがわかります。
出戻りモデラーである私は、最近のツールの進化には驚いています。
20年前には考えられなかった、もしくはプロの職人さん(模型ではない)
しか使っていないような物が気軽かつリーズナブルな価格で入手できるんです。
このスポンジヤスリは一番驚いたかな。
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さっそく磨きます。
少し強めにヤスリを当てたいので、折り曲げてスポンジの腰を
利用して削りやすくかつ早くできるようにしています。
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そして、それ以外のパーティングラインを丸めるのもこれでふた舐め
くらいすると、いい感じに刃のようなバリが丸くなってくれます。
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サフを吹いていないのでわかりにくいですが、角はちゃんと取れています。
なんでわかるのかっていうと、目ではありません。
「指」です。
人間の指は0.03mmの歪みやキズなどを判別できるんです。
人によっては0.01mm以下でも判別できちゃう。
「百聞は一見に如かず」と言いますけど、
「百見は一触に如かず」とも言いたい。
人間ってすごい能力を持っているんです。
私も五感を大切にしていきたいと思っています。
rinzoukobo