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まだ、新年になっての初対面の人に、ご挨拶ができる「小正月」も間近い。「いいお正月でしたか」。すると、「寝正月」などが多い中。実家へ帰り温泉旅館で正月を過ごして来たといういう、顔見知りの中年女性に出会った。「けなるい!」と返すと、「はぁ?、それって何ですか」と言われた。

▼九州は博多出身の彼女は、加賀市に嫁いできて、もう30年ぐらいのはずだが、初めて聞く方言だと言う。九州のご両親がまだ元気なうちに、ご主人と一緒に里帰りしたという。子育ても済み「夫婦水入らず」の時期に、親孝行とは「うらやましい」。

▼子育て中も、子どもたちとの会話には方言は出なかったという。テレビから聞こえてくる「標準語」が当たり前になって半世紀以上。とくに核家族での生活スタイルから、同居者に地元出身の老人がいない家庭には、聞く機会のない方言は「死語」になってしまったのか。

▼子どもがまだ小学生だという地元生まれの父親が、子どもから尋ねられた。山中温泉の銘菓「娘々(にゃにゃ)饅頭」の呼び方に答えられなかったという。「姑娘(クーニャン)ラーメン」の看板も地元で見たことがあるという、世代間の違う若い父親もいた。が、老人の博学?を教えなかった。

▼「赤いランタン 波間に揺れて 港上海 白い霧・・・クウニャン 悲しやシナの夜」。漫談調の替え歌?「支那の夜」を口ずさんでしまった。その後に出たのが「上海帰りのリル・・・」。小学生のころにラジオから聞こえていた歌詞の1題目は、今になっても覚えていた。結局、ユーチューブで「津村謙」と一緒に、知らなかった3題目までを歌ってしまった。

▼「降る雪や明治は遠くなりにけり 中田草田男」。雪なし正月だった今年に、やっと、五徳庵の庭も雪景色になった。2年後には「年号」が変わるという。「降る雪や 昭和は遠く なりにけり」。

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traq

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