[フレーム]

2017年01月

「おや!」、「今朝は寒くないぞ」。築百年ぐらいの古民家に寝起きしていると、外気温の寒暖の差がはっきり分かる。先日、氷点下になって、吹雪いていた明け方は、寒さで目が覚めた。それもそのはず、隙間風が入り込む日本家屋の特徴でもある。土壁家屋で、千年以上も先人たちが生きて来た。アルミサッシュと新建材が普及して半世紀も過ぎた昨今。土壁の下地作業を知らない職人が大半であるという。

▼日本家屋の寒さで、風邪をひくということも無く過ごしてきたが、ことしは風邪をひいてしまった。寒さでなく、風邪のバイキンが老体を襲った。3週間目に、やっと回復の兆しになってきた。

▼「三寒四温」という言葉があったことを思いだした。もう少し先の2月末のことだろうと、「歳時記」を広げたら、2月4日の「立春」から用いるという。1月28日からは、冬も終わりに近いころの、温かい日は雨になり、寒ければ雪になる「四温日和(しおんびより)」ということを知った。

▼季語に「御神渡り」があった。何度か訪れたことのある「諏訪湖」に、怪奇現象なる「謎の白い輪」が浮かんでいると、テレビは伝えていた。数年前までは、諏訪湖の湖面が凍結し、湖面の氷が盛り上がると、その年の天候や農作・凶作や世相を占う神事が行われるというが、ことしは変な現象が現れた。

▼いつもは豪雪地区でないところで、数日間国道で立ち往生したトラックの列や、国境に壁を造り、費用を隣国に負担させる。可笑しなことを言い出したトランプ大統領。「世界の警察」で、秩序を維持してきた大国が、自ら騒ぎを起こす。

▼人心が乱れると、神が怒る。いやな予言を思い起こさせる。「稀(まれ)勢(いきおい)の里(さと)」と、意味ある横綱が誕生した。「相撲」は古来からの日本の神事。おかしな世相も、新横綱の勢いでぶっ飛ばしてやりたい。

「イテテテ・・・」。手足の筋肉筋を伸ばす体型になると、スタイルを変えてもすべてが萎縮しているキンニク筋が、伸びる。「イタイ」が気持ちいい。作業前のラジオ体操にはないカリキュラムで、「筋を伸ばす」トレーニングを久しぶりに体験した。

▼JR大聖寺駅や銀世界の駅前広場を眼下にしながら、柔らかい温もりのあるスタジオには、微かに聞こえるBGMと癒しの香りがする線香も炊かれている。「大聖寺・暦町センタービル」の2階。「燃焼式羽深式トレーニング BURNOUT(バーンアウト)」のキャッチコピーは、「つけよう筋肉 !」「貯めよう貯筋 !!」。なるほど!納得のアピールだと、感心しながら「燃え尽き症候群」のトレーニングを受けた。

▼誘ってくれたのは「活性化サロン」代表の瀬戸さんだった。寒さで部屋のストーブに抱きつくようにいた朝の時間帯に電話が入った。昨年の秋ごろからご夫婦で通っているという。高齢社会になると、「足から老化が始まる」。病気になってからでは遅い「先行投資」のつもりで、「つけよう筋肉、貯めよう貯筋」に励んでいるという。

▼受講者の体調や体型に合わせたトレーニングが用意されているという。瀬戸さんにも持病?はあったのか、毎月の健康診断では、医者も首を傾げるほどの血液数値が正常値に更新している。そんな実績を多くの人にも体感してもらい、老後を健康で楽しく生きる仲間づくりに、との「ありがたい」お声が掛かった。

▼人ごとではないが、当方の血液も老齢化に蝕まれている一人である。月一の病院通い。各種の血液数値が、これ以上悪化しないための「薬漬け」療法である。今朝も自宅で測る寝起きの血圧数値は「高血圧」のレベルだった。

▼「高齢者の夢」。このフレーズの夢とは、「自活できる健康」である。だが、現実には「自己流」の健康という夢を見ているだけでもある。これで、今年の目標が決まった。数ヶ月後には、体質改善された健康数値を報告したい。

「カラスの鳴き声は不吉の知らせ」。昨日のことだった。めったに見ないカラスの大群れが電線に止まり、大合唱していたと言う。それから数時間後に、幼友達の死を知った。カラスにはそんな予知能力があるとは聞いていたが、「やっぱり本当やった」。興奮気味に古希を目の前にした仲間が、こともあろうに「大聖寺活性化サロン」の祝賀行事でもある、「除幕式」を準備している会場に持ち込んできた。

▼「迷信だろう」と思いながらも、全面否定できない子どものころからの言い伝えを、半部以上信じている我が身も話題にハマッテいた。話の決着は、片野鴨池で越冬する野鳥の鴨「ヒシクイ」が、鳥インフルエンザで死亡していたことへつなぎ合わせて一件落着した。

▼JR大聖寺駅から、「山ノ下寺院群」や「九谷焼美術館」へ向かう大型道路は、国道8号線へ通じる。交通量の多い主要道沿いに、加賀市を紹介する大型観光看板が、観光バスの窓からも見える。反対側に、今度新設された「若手起業家紹介掲示板」も、人目を引く高さである。

▼「山ノ下寺院群」は、「七寺院と一神社」が並んでいる。その中に「日本百名山」などの著作で有名な深田久弥が眠る法華宗「本光寺」もある。除幕式の特別講話には、「奈良諦順」住職から「法華宗」の基本的なお話をして頂いたが、修行の身にはいつもながら難しい。だが、いずれは紹介掲示板に追加されるであろう「瞑想家」は、法話にはうなづいていた。

▼定住化促進を唱える地方の行政が知恵を絞っている。そんな中、昨年に発足した民間団体の「大聖寺活性化サロン」の活動スピードには定評がある。今回「紹介看板」の除幕式も、その一つである。除幕式に自主的に参列し、祝辞を述べた加賀副市長や市議会議長に県庁の次長は、異口同音に賞賛していた特異な式典だった。

▼この特異な式典を、嗅ぎつけ取材に群がった報道機関も6社を数えた。寒中の晴れた空に、「カラスの鳴き声は幸運を、呼び寄せる知らせ」だったのかもしれない。

いつも極めて壮健な人が病気になるたとえを「鬼の霍乱」というが、その鬼が土曜日の寒風で、風邪を引いたらしい。野外での引率行動は「年寄りの冷や水」だったかも知れない。善は急げとばかりに、「玉子酒」を飲み、7時ごろに床に就いたが、6時間後の午前1時には、鼻水を垂らしながら起きてしまった。

▼大げさな言い方かも知れないが、19日までには完治したいという気力で、睡眠療法で回復に向かった。「若手起業家紹介掲示板完成式」が予定されている。定番の役どころは、「録画ビデオ」担当である。

▼城下町大聖寺で、若手起業家を支援する狼煙(のろし)をあげて7ケ月が経った。定住促進を進める行政とタイアップして、「一見は百閒に如かず」。「ぐろっと加賀市を巡る」勉強会。そして、「匠のかくれ里・加賀市」で加賀市を紹介するビデオも公開できた。

▼晩秋。地元の中高生徒らを、「大聖寺・流し舟」に遊覧体験と、加賀市のかくれた魅力を託すために招待した。反応は予想外の好評だった。そんな周知活動は、今後も継続していく目安ができた。

▼こんな活動を聞きつけていた石川県庁の幹部職員である表正夫次長が、先日、若手職員を十数人引率し、「ブラリ・オモテ」と称して大聖寺へ、休日にやってきた。そして、大聖寺地区の街の活性化に成功している現状を勉強して行った。参加者からのメールには、行政事務に使われる文言でない、心を揺さぶられたという。謝礼のことばだった。と、瀬戸事務局長も感激しながら語っていた。

▼寒波が一段落して、きょうは気温も上がり好天気になりそうだ。大聖寺駅前通りの、南町交差点角にある「歴街センター」所有の駐車場には、大きな看板が設置されている。看板には、これから大聖寺で起業する若手起業家を、紹介する看板の除幕式が行われる。きょうは、「晴れて」よかった。

大雪注意報は加賀市にも出ていた。案の定、時折、粉雪が舞っていた土曜日は、朝からの気温は氷点下で寒い一日だった。幸いにも積雪はなかったが、「町おこし」に、熱く燃えている大聖寺歴街センター「瀬戸達」事務局長の活動ぶりを、視察に来聖した「ブラオモテ」ご一行13名は、異口同音に「うわさ通りの活躍」を、目と耳で確かめ心で感じたと思う。

▼体験談を聞く講演会は、巷に数々ある。瀬戸氏は開口一番に、話の途中に不明なことを聞いてほしいと宣言した。会話の「キャッチボール」をしながの講演会だった。そして、最後に聞き手一人ひとりから、感じたことを発表してもらい、質疑応答で閉めることを約束した。

▼「ブラタモリ」は、土曜日のNHKの人気番組。当方も欠かさず見ている番組である。「段差の専門家」とも言われ、街歩きの達人・タモリさんが"ブラブラ"歩きながら、知られざる街の歴史や人々の暮らしに迫る「ブラタモリ」。

▼それをもじった「ブラオモテ」は、石川県庁の表正夫土木次長のこと。瀬戸事務局長の活躍を、「直に感じ取ってほしい」。と、これを企画した。県庁の各部署から集まった若手の県庁職員は、何かを見つけて帰ったはずだ。

▼大聖寺の街に、民間主導での「町おこし」が起きて30年目を迎える。関が原合戦のあと、加賀藩3代藩主前田利常の三男利治が藩主になった大聖寺藩は、城下町として発展してきた。地盤の良い水がつかないところに武士が住み、沼地に町人が住んでいた。

▼通りいっぺんの歴史や風土文化も、「町おこし」には大事なことであるが、組織を引っ張る人材の持続力の元が無ければ、形として「民間が行政がやる分」までの仕事になって来れない。「そんな気持ちは何ですか、どこから来るのですか?」。

▼彼は何度も何度も例えばなしを変えながら、「私も、活動を通じて知り合った仲間も、『楽しく、分かりやすく、為になる』ことを、いつも感じながら活動している」。

traq

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /