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電気・電子分野では、虚数単位に"j"の文字を使う慣例である。当然j^2=-1.。"i"の文字は、電流を示す記号に良く使うので、iの文字の代わりにjを使うのである。
アナログエンジニアはもちろん電子回路をやるので、大学卒業以来、虚数単位にj以外はまず使わない。
洋書でも同じ。定義抜きで、電気・電子分野の人は"j"を虚数単位を表わす文字として使用する。こんなこと、分野違いの人や、初めて電気・電子をやる新人には判らない。
しかも、角周波数ωとともに使うので、ジェーオメガ=jωの形が身に染みついている。
例えば、コイルLの正弦波に対するインピーダンスはjωL、コンデンサなら、1/(jωC)=-j/(ωC)となる。
この虚数計算、実は、正弦波交流に対する微分方程式の定常解を求めているのであって、ヘビサイドの演算子法による回路解析が起源と聞いている。後に、複素関数論の裏付けをもつ、ラプラス変換で数学的にも妥当な解法として認知されるようになった。
その後だと思うが、ミクシンスキーの畳み込み積分により演算子法で、別の形で裏付けされた筈である。こちらの方は、インパルス応答の重ね合わせに近い。
そして、複素数jωの計算に慣れてくると、入出力関係の位相角が、何を基準にして遅れているか、進んでいるか、意識するようになる。基準位相が異なれば、進相コンデンサと言う名が、何に対して進んでいるのかも判る。
しかし、この辺をきちんと説明されることはかなり少ないのだ。そのことは、電気・電子分野を学ぶ上で障害にもなりえるのだ。
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uA709さん おはようございます
ジェーオメガ、これが電気数学の基本となる算法ですね。私は大学の3年次で習いました。数学的裏付けは結構厳しいですね。
積分は1/sがかかる。これは楽ですね。
ジェーオメガのωが角周波数で、f=2πωだということを強調しておかないと使えない。また、ジェーオメガの出てくる式は、正弦波交流に対する応答の定常解だと理解したのはずっと後の事です。
投稿: 5513 | 2012年2月 6日 (月) 07時32分
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アナログエンジニアさん、こんばんは。
jωですか。何となく懐かしい響きですね。高校で自動制御を習ったときに出会いましたね。機械的に覚えました。大学でラプラス変換を習いました。これは、難しかった。大人になってから積分変換を、お勉強しました。やっと解りかけた。Sin(At)を微分するとACos(At)になるのと、ラプラス変換では、微分するとsを掛けるのと同じなのが解るのにチョット時間がかかる。だから、面白い。
投稿: uA709 | 2012年2月 5日 (日) 20時27分