東京電力が10%を超える値上げを図ろうとしている。発電原価の算定基準年度は3-4年前との報道がある。
その後の無駄を省いた試算では少なくともない。原発事故は自らの怠慢から生じたものだから、それは算定に入れるべきではないだろう。
電力高騰による企業の海外進出の加速が懸念されているとの話もあるが、その前に、なぜ日本の電力が高いのか検証の必要があるだろう。進出先の電力価格と比較してみるがよいだろう。どこかに無駄、交渉力の欠如、エネルギー政策の無策があるはずだ。
都合のよい計算ばかりするから、誰も信用しなくなる。
原子力の議論も同様だ。
推進する側は謙虚に、リスクを高く見積もった計算をすべきである。意図的に低くリスクを見積もるから、反対派は逆に固くなりなれる側面もある。世論も味方しないだろう。
こんな計算で値上げをするような企業・官庁には原子力の安全を担保する能力はないと言わざるを得ない。
そして、さらに、高速炉FBRによるプルトニウム燃料の増産。その前にやるべきは、最終地層処分の問題だ。国有地以外に受け入れる場所はなく、また、何10万年もの間安定な地層は日本に本当にあるのか疑問だ。あったとしても、極めて長い期間、きちんとした管理が必要だ。まだ実現できていない事柄の一つだが、少なくともこれ以上の金額は必要だの算定はできるだろうが、その数値が発電原価に織り込まれているかどうか判らない。
推進派も反対派も自己の論理だけ並べ立てるから、不毛の議論を招く。
リスクと謙虚に向き合う。そして重大な結果を招く要因には最大限の安全策を講じる。これはアナログエンジニアの設計哲学でもある。結果的に安価なものとなる。
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