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今は春、大学での新たな講義も始まっている頃である。大学で学ぶ電子回路学は、ほとんどの場合ほんの入門であろう。大学で電子回路を学んだからといって、設計できる状態にはふつうならない。
アナログ電子回路は他の工学と同様、解析し設計式を自力で導き、解析的に解けない部分は数値計算(あるいはシミュレーション)により回路定数を設計する。
アナログ電子回路はデジタル電子回路に比べブラックボックス化のレベルが低いので、自然界との関連が深い。高校物理の知識は当然として、回路理論、半導体物理、電気計測、センサ工学、制御理論などの知識があるにこしたことはない。
多くの新人回路屋さんがまず出会う仕事は出来上がった回路の評価、検証であろう。この場面で結果を出せるには、与えられた回路を十分解析し、的を得た:目的を持った試験を行い整理されたデーターを取得する能力が必要である。
解析式は自分で導出するものである。解析の基本は電源を含む2端子素子を使ったキルヒホッフによる解析である。最近始めた「電子回路基礎」カテゴリーのエントリーで、この解析への準備を進めてきた。
実践に入ってしばらく経過すると、回路定数を変更するなどの設計的要素が仕事の中で増えてくる。早く実戦力になるには、自分が今できる検討を未知の課題としてさまざまな視点から実践することだ。そして、回路集など基本回路の習熟も大切である。
アナログ回路開発はふつう3カ月以上かかる。場合によっては年単位の仕事となることもある。比較的小規模の回路でも、大学の講義時間をはるかに超える。
この時間をどのようにしてアクティブに過ごすかが重要である。
ベテランでも時には、基礎概念の再チェックも必要だろう。個別部品で組むアナログ回路は、いまだ個人で見渡せる世界の範囲にある。別の言い方をするなら、個人の力量がもろに現れる技術分野であると思う。
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