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_0001 「色彩心理学入門」大山 正著、中公新書1169、1994初版、2008(7版)、ISBN4-12-101169-4、760\+税。
国立西洋美術館の売店で購入した本。
副題には「ニュートンとゲーテの流れを追って」の表記があるが、色彩研究の歴史からマンセルの色立体、国際照明委員会(CIE)の色度図の意味まで広く網羅している。
見識豊かな書である。
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普段何気なく色の「3原色」という言葉を使い、RGBを用いた可色混色を利用している。なぜRGBなのか、この書はそんな疑問に実証的に答えてくれる。
人間の網膜の3種類の錐体(感色細胞)がRGBのスペクトルに反応するので、中間色たとえば黄色は赤と緑の加色混色により表現することが出来る。
では、3種類の錐体の一部の感度が0あるいは低下した場合には、どのような色の世界が見えるのか、この本はそんな疑問にも答えてくれる。(色盲、色弱)
光の3原色は人間のもつ光の波長に対する刺激を基にして、成り立っている。人間世界の中でのみ成立する感覚の世界である。感色細胞が4種類あるなら、まったく違った世界となり、人の3原色の世界よりも変化に富む世界となることをこの本は示唆している。
他の生物では、人間とは異なる波長に応答する場合もあり、色とは何かを深く考える良い機会となった。
この本を読み思い出したことがある。
ある健康施設の喫煙コーナーでは、そこに集まる人の肌の色がどす黒くいかにも不健康そうであった。アナログエンジニアは一瞬どきりとした。このコーナーでは、青色の蛍光灯が使われており、肌の色の補色なので、明るい割に肌の色が汚く見えるのである。
逆のケースもある。食品売り場などでは、たとえば肉を売っているコーナーではふつうに暖色系の照明が使われており、自宅で見るよりおいしそうに感じられる。
色彩によるマジックである。
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