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新実彰平氏インタビュー(2)なぜ維新なのか?そして衝撃を受けた国民民主・玉木代表「178万円」発案

[ 2024年12月19日 17:05 ]

京都駅構内でインタビューに応じた維新の新実彰平氏
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出身の京都で政治家を目指す決意を固めた新実彰平氏だが、この地では決して強いとは言えない日本維新の会の門を叩いたのはなぜなのか?参議院銀を目指した理由とともに、その思いを語った。(取材・構成 江良 真)

だいやまーくだいやまーく 京都はまさに日本の縮図 だいやまーくだいやまーく

キャスターの時は皆さんにスピーカーとしてお伝えするということに意義がありました。でも、これからはスピーカーや代弁ではなく、自分の主張を発しないといけないと思ってます。困っている人から話を聞いた上でそれを自分の言葉に変換しないといけない。重みとか責任とか、怖さも出てくるなという気がします。

参議院議員を目指した理由は、安定的に議席をいただけるということでした。足を地につけてちゃんと社会課題を学ぶことができますし、政策を練ることができますし、そこに専念できるという意味では、一番魅力的でした。

生まれ育って今も住んでいるので京都選挙区ということもありますが、県全体が選挙区というのも大きな理由でした。都市部が選挙区の人なら、その都市部だけだったり、地方が選挙区の人はその地方だけだったりということもあるんですけど、京都全域が選挙区になると、本当に多様な社会課題に触れることができるんです。もう日本全体の縮図なんですよね。農村もあれば漁村もあって、一方で、世界から人が集まる都会もあって。その全てを勉強したいし、その全てにアプローチしたかった。

実はこれ、日本全体と同じ状況なんです。東京には東京の課題があるし、青森には青森の課題があるわけで、それに近いものをギュッとしたのが京都だし、その全域を自分の足で歩けるのはやりがいがあります。

だいやまーくだいやまーく これまでの政治報道にジレンマ だいやまーくだいやまーく

野党が躍進して政局報道が減ったのは素晴らしいと思っています。これまで政治報道イコール政策じゃなく、政局報道が中心でした。僕もやりながらすごいジレンマを抱えていたんですけど、残念ながら国民の関心も政局を向いていた。数字もいいので我々もそこに甘えていたところがあった。なおかつ政策はやっぱり難しいので、メディアも政策を深く理解しきれず、噛み砕いて視聴者の方に伝えるということもすごく手間でした。僕もそこは反省しています。

ただ今回、玉木さんが「年収の壁」議論で178万円という形で、難しい政策を分かりやすく自分の言葉で伝えられて、国民の関心を引きました。あれはすごいなと思いましたね。この流れは本来メディアが作らなければならなかったけど、政治家自らが作ってくれたわけですよね。これは玉木さんのお力だ思います。当然キャッチーさの裏側にある複雑さとか、メリットの背景にあるデメリットとかというものをこれから目を向けていく必要はありますが。

こういう世論喚起は維新が得意だったはずでしたが今回、あまりうまくいかなかった。ただ、維新の人間として言うなら、馬場前代表も、共にやっていらした藤田前幹事長も、自民党と火花散らして水面下でずっと議論されていました。何をしようとしてたかというと、一歩でもいいから、半歩でもいいから、政策を前に進めていこうという意志でやっていらっしゃった。

特に政策活動費です。政党から国会議員に対して渡せるお金で、使い道までは公開しなくていいというルールを、自民党はまさに国会議員への現金配りに使ってました。その現金が選挙において便利に使われていました。それを、10年後ではあるけど政策活動費にも必ず領収書を公開するようにする。それによって、領収書の保管が必要になり、現金配りはできなくなるので、自民党はこれまでの選挙スタイルをガラッと変えざるを得ない。半歩前進は勝ち取っていたんですよ。

でも、国民は10年後と言われてもピンと来ない。政治的には自民党の現金配りが一切できなくなるという効果をもたらしていたと思うのですが、"あ、そうか。そんなことやってくれてたんか。俺らの生活良くなるやないか。応援しようか"というところにまでつなげるチャンネルにはならなかった。説明の仕方、表現の仕方までは工夫が仕切れていなかった。それと対極的だったのが玉木さんだったと思いますね。

だいやまーくだいやまーく 維新はどうあるべきか だいやまーくだいやまーく

何する政党なの?おまえのところの議席増やしたら、おれたちにどんな良いことがあるの? シンプルにこういうことだと思うんです。衆院選が終わって、ああいう結果になって、維新のメンバー全員が、私たちは何のために働いているんだろう?私たちは国民の皆さんに今から何をしていくんだろう?何のために維新は存在してるんだろう?と、みんなが今胸に手を当てて考えてると思います。

目指すものを明確にして、それを分かりやすい言葉で国民と共有して達成に向けて歩むこと。吉村代表は大阪府知事としてその挑戦を日々繰り返してこられた方です。その旗のもとに、そのために存在してるんだと維新全体で心を合わせるのが望ましいことだと思ってます。

では、何を目指すのか?僕自身は、やっぱり現役世代をしっかりと後押しをするために存在している政党だと思います。人口の多いご高齢の皆さんの方を向いた政策が展開されて社会保障が回らなくなってきている中で、高齢者の皆さんをどうやって支えるのか?それは正しいんだけど、そればっかりやっていると自転車操業になる。付け焼き刃で長い目で見ると結局ご高齢の皆さんのためにもならない。どんどんどんどん若者も苦しくなるし、高齢者の皆さんも苦しくなる。

その負のスパイラルを逆回転させるために現役世代を支えて、結婚したい、子供を持ちたいと思う人を増やして、こっちの懐を豊かにした上で高齢の皆さんも支えるっていう順番で回していく。そのための政党だと僕は思ってます。

維新のアピールも少しズレていたと思います。大阪の改革を全国に言い過ぎたと僕は思っています。大阪を知らない人に、大阪が良くなったという実感を共有してもらうのは至難の技ですし、やっぱりこの順番を変えていかないといけないと思います。

京都とか他の近畿各県においても、大阪が乗り込んでくる、みたいな見られ方もある。特に京都なんかはそうです。黒船襲来的に扱われて、京都のことは京都で決めるんだ、みたいなところがあった。そうじゃない。私たちのやりたいことはこうなんです。教育の無償化をしたいんです。経済をもっと活性化したいんです。もっとより良い社会にしたいんです。ほら、実際に大阪でもやってきたんですよ。そういう順番でいかないと。大阪でやってきたんだから信頼してよ、と言われても、いや知らんしってなるのは当然です。=(3)に続く

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