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「紀州のドン・ファン」元妻 所持品から覚醒剤反応 捜査担当警部補が公判で証言

[ 2024年9月25日 05:30 ]

2018年に「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家野崎幸助さん=当時(77)=に覚醒剤を摂取させ殺害したとして、殺人罪に問われた元妻須藤早貴被告(28)の裁判員裁判が24日、和歌山地裁で開かれた。当時県警の警部補として捜査を担当した男性が検察側証人として出廷し、被告や野崎さんの所持品から覚醒剤反応があったと証言した。

尋問で男性は、19年7月に東京都内の被告の自宅から押収した被告のジャケットやサングラス、ハイヒールなどから覚醒剤反応が出たと証言。また事件直後の18年5月下旬に野崎さん宅にあった歯ブラシやコップ、ワイシャツ、寝具などからもごく微量の覚醒剤が検出されたと述べた。

起訴状などによると被告は18年5月24日、何らかの方法で野崎さんに致死量の覚醒剤を摂取させ殺害したとしている。死因は急性覚醒剤中毒で、口から飲んだとみられる。

今月12日の初公判で検察側は、被告が覚醒剤の密売関係者に致死量の3倍となる3グラム以上を注文し、十数万円を支払い入手したなどと指摘。被告は「殺していないし、覚醒剤を摂取させたこともない」と無罪を主張した。

直接証拠はなく、検察側は被告が事件当時、野崎さんと2人きりだったことなど間接証拠を積み上げて立証する方針。5回目の公判のこの日、野崎さんだけでなく、被告の所持品からも覚醒剤反応があったとの証言が出たことについて、元検事の亀井正貴弁護士は「弁護側が、検察側のほとんどの証拠に対して"不同意"としていることが予想される」と指摘した。裁判では、検察側の証拠を取り調べることに同意するかどうか弁護側が述べる必要がある。弁護側が同意しない場合、検察側はその証拠を裁判所に提出できないため、代替手段としてこの日のように証人尋問を行うことになる。

亀井氏は「検察の証拠に不正確な部分があるかもしれないとして、弁護側はそこを一つ一つ争う手法」と今回の流れを推測。一方で「覚醒剤の入手手続きなど客観的事実が積み上げられている。検察側としてはストーリーが出来上がっていると思う」と話した。

被告は覚醒剤について、どのように話すのか。次回公判は27日。

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