2回連続で...民間ロケット打ち上げ失敗 飛行3分後に自律破壊 衛星投入できず 3号機へ「早期に着手」
[ 2024年12月19日 05:30 ]
宇宙事業会社スペースワン(東京)は18日午前11時、和歌山県串本町の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」から小型ロケット「カイロス」2号機を打ち上げたが、約3分後に飛行を中断し、ロケット自体の判断で機体を自律破壊した。民間単独では国内初となる衛星の軌道投入に挑んだものの、目的は達成できず、打ち上げは失敗した。
3月に打ち上げた1号機も発射後に爆発、2回連続で失敗となった。スペースワンの豊田正和社長は午後に記者会見を開き「ミッションの衛星の投入ができなかった。お客さまにおわびする」と陳謝した。
同社によると、3段式のロケットは打ち上げの約80秒後、1段目の燃焼ガスが出る「ノズル」の動作に異常が発生し、機体の姿勢が乱れた。衛星を格納する先端のカバー「フェアリング」を分離し、高度100キロには達したものの、安全な飛行のために設定した範囲を外れ、ロケット自体の判断による自律破壊に至ったと説明した。
ノズルは打ち上げ直前にも点検をしたと強調。1号機の失敗から9カ月での再挑戦に関しても問題ないとの考えを示した。
同社は豊田氏をトップとする対策本部を設置。阿部耕三執行役員は3号機の打ち上げに関し、原因究明を進めた上で「早期に着手したい」と話した。
自律破壊した機体は紀伊半島南方の沖合に落下したとみられる。串本町消防本部によると、ロケット打ち上げに伴うけが人や火災の情報は入っていない。
3月に打ち上げられた1号機は、自律破壊によって直後に爆発した。今月14日の予定だった2号機での再挑戦は、発射場上空の強風により延期。15日も同様に中止となっていた。今回の失敗に強風の影響はなかったという。
IHIエアロスペースなどが出資して設立した同社は、衛星を低コストで高頻度に宇宙へ運ぶ事業に取り組んでいる。
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