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メッシ 目覚めた内なる「マラドーナ」 荒々しく若手けん引し「ディエゴのW杯」以来36年ぶりV

[ 2022年12月20日 04:50 ]

FIFAワールドカップカタール大会決勝 アルゼンチン3―3(PK4-2)フランス ( 2022年12月18日 ルサイル競技場 )

2010年W杯南アフリカ大会で、メッシ(左)をねぎらうマラドーナ監督(ロイター)

「神の子」とも呼ばれ、元ブラジル代表の王様ペレ氏と並んで史上最高のサッカー選手と称賛されてきたディエゴ・マラドーナ氏はメッシにとって高くそびえ立つ壁だった。避けられない比較論を受け「マラドーナはマラドーナ。追い抜くのは100万年かかっても無理」と漏らしたこともある。選手として見せるひらめきやゴールとアシストを量産するドリブルやパス。共通項はあっても人柄は違った。

薬物問題や自由奔放な言動で世間を騒がせながら、人気を博したマラドーナ氏。対照的にメッシはシャイで控えめだった。しかし、今大会はある変貌ぶりが話題になっていた。

両チーム合わせて警告18枚が出た準々決勝オランダ戦。PK戦を制したメッシは試合後、挑発的な発言があった敵将ファンハール監督に「しゃべり過ぎだ」と詰め寄り、取材を受けている際に近くで足を止めた相手選手に「何見てんだ、バカ。あっち行け」と吐き捨てた。批判的な声も上がったが偉大な先達と重ね「メッシの内なるマラドーナが姿を見せた」と悪態のフレーズが印刷された非公式グッズが人気になるほど母国では好意的に受け止められた。

18歳の代表デビューから年月を重ね、35歳の主将として臨んだ今大会は荒々しい一面を見せながら、若手を引っ張った。マラドーナ氏は代表監督を務めた10年W杯南アフリカ大会当時、メッシに関し「いずれカリスマ性が増し、リーダーのような存在になる」と語ったことがある。それから12年。「メッシは俺の"マラドーナ"だ。彼より重要な選手はいない」と評価した愛弟子は予言通りピッチ内外でチームを束ね、アルゼンチンを頂点に導いた。誰よりも喜んでいるに違いない。

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