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メッシのW杯だ 「神がカップを与えてくれると信じていた」5度目挑戦35歳、ついに全てを手に入れた

[ 2022年12月20日 04:50 ]

FIFAワールドカップカタール大会決勝 アルゼンチン3―3(PK4-2)フランス ( 2022年12月18日 ルサイル競技場 )

元アルゼンチン代表のアグエロ氏に担がれ、優勝を喜ぶメッシ(ロイター)

メッシが伝説になった。決勝が18日に行われ、アルゼンチンが36年ぶり3度目の優勝を達成。前回王者のフランスと延長を終えて3―3で決着せず、PK戦を4―2で制した。最後のW杯と公言していたFWリオネル・メッシ(35=パリ・サンジェルマン)は2得点を挙げるなど、今大会7得点3アシストの活躍で史上初となる2度目のMVPを受賞。86年メキシコ大会優勝を支えたディエゴ・マラドーナ氏に肩を並べる世界制覇を成し遂げた。

待ってはいられなかった。チームへのメダル授与を前に、MVPの個人表彰を受けたメッシ。退場の道すがら足を止めると、設置されていた優勝トロフィーにキスをした。いとおしそうに右手でなでながら2度。「これが本当に欲しかったんだ。幸運なキャリアで欠けていたもの。神がカップを与えてくれると信じていた。長い時間がかかったけれど、ようやく手に入れた。僕のものだ」。チーム表彰で主将として受け取ると、仲間とともに天に向かって高く掲げた。

W杯の歴史に残る死闘の末に頂点にたどり着いた。連覇を狙う前回王者に対し、開始から積極的なプレーで主導権を握った。前半23分に自らPKを決めて先制。同36分にはカウンターから前線にボールをつなぐ歯車の一つとなってチームは追加点を挙げた。後半終盤の逆襲で試合を振り出しに戻されると、延長後半3分にはワンタッチでボールをつなぐ華麗なパスワークからシュートのこぼれ球を蹴り込んだ。それでも相手FWエムバペのハットトリックで再び追いつかれ「クレージー」と振り返ったPK戦に突入。そこでも後蹴りの1人目で確実に仕留めると、勢いに乗ったチームは4人全員が成功した。出場5回目で自身初めての栄冠にアルゼンチンを導いた。

36年前の優勝は「神の手」「5人抜き」という伝説的なゴールを決めたマラドーナによってもたらされた。2年前に亡くなった希代の英雄とは早い時期から"2世"として比較されて苦しんできたが、ようやく自ら呪縛を振りほどき「これ以上、望むものはない」と喜びに浸った。W杯は最後になるものの「もう少し世界王者として楽しみたい」と当面の代表継続を宣言した。

今大会でサポーターと一緒に選手も繰り返した応援歌がある。歌詞には「ディエゴ(マラドーナ)とリオネル(メッシ)の国に生まれた」「3度目の勝利が欲しい。世界王者になりたい」「ディエゴが空から見守ってくれている」などのフレーズ。この日も表彰台で見上げた天に歌声を届けた。エムバペと1点差で得点王こそ逃したが、7得点3アシストで堂々の優勝。2度目のMVPやW杯最多出場26戦など数々の"伝説"を残し、メッシが最後のW杯を終えた。

≪盟友アグエロ氏が神の子"支えた"≫アルゼンチンが優勝を決めた後のピッチには、昨年12月に心臓疾患を理由に現役引退したアグエロ氏も姿を見せた。長くメッシとともに戦った盟友。2人の絆は固く、決勝前夜は同じ部屋で過ごしたという。肩を抱き合うと、思わずメッシは涙ぐんだ。

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