[フレーム]
新聞購読とバックナンバーの申込み

怖い肺炎、しっかり予防で怖さ軽減 せき、たん、発熱などの風邪症状に胸の痛み感じたら診察受けて

[ 2024年11月8日 05:00 ]

肺炎になりやすい人
Photo By スポニチ

芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(73)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった"老いるショック"脱出術 オヤジの処方箋」。今回は、これからの季節に注意したい「肺炎」を取り上げます。

こんにちは、生島ヒロシです。秋本番。空気もずいぶんと乾燥してきました。風邪もいよいよ本番です。皆さん、肺炎って風邪がひどくなったもの、と思ってますか?私はずっと、そういうイメージでした。最近「マイコプラズマ肺炎がまん延」というニュースを耳にすることが多くなり、肺炎が気になって、ネットで記事をいくつか読んでみたんです。どうもこのイメージ通りじゃないみたいなんですよ。高齢になると、肺炎は死因の上位に入ってきますから、正しい知識を持ってないとね。半蔵門病院(東京都千代田区)副院長でアレルギー・呼吸器内科が専門の灰田美知子先生に教えていただきましょう。

灰田先生、風邪をこじらせると肺炎になるわけじゃないんですね。
「風邪が肺炎の入り口になることはありますが、全てがそうではありません。風邪は主に鼻の奥から喉にかけての上気道に炎症を起こしますが、肺炎は主に、肺の中で酸素と二酸化炭素を交換する肺胞という組織に炎症が起きます。風邪はウイルス、肺炎は細菌が原因になることが多いです」

患部も原因菌も違うんですね。どうやって見分けるんですか?私たちでは区別がつかないと思うんですが。
「熱、せき、たんは共通の症状です。肺炎の一番のサインは、呼吸をして胸が痛いかどうか。解熱剤を飲むと、この痛みも同時に取れてしまうことがあるので、風邪のような症状で胸に痛みを感じたら、病院で診察を受けてください。病院でエックス線検査をして肺に影があれば肺炎です。たとえ熱が39度あっても、影が確認できなければ肺炎の可能性は低いです」

高齢者に多い肺炎。特にどんなことに気を付ければいいですか?
「せきやたんは、体内に侵入してきたウイルス、細菌などの異物を、外に出そうとする反応です。高齢になると、この反応力が衰えてきます。これは熱や胸の痛みにも言えて、反応が鈍くなるために、発熱や痛みを感じない間に肺炎が進行し、気が付いたときには重症で病院に運び込まれて来るケースも多いです。高齢者には、行動や様子がおかしくないか、周囲が気を配る必要があります」

肺炎の治療はどのようにするのですか?
「細菌が主な原因なので、抗生物質を使います。たんを検査して、どの抗生物質が効くかを判断します。黄色や緑がかったたんが出ることがありますが、実はこれらのたんは、ウイルスや細菌と戦った白血球の死骸なのです」

昔"たんは汚いけど偉い"というCMをやっていたのを思い出しました。私たちのために戦ってくれた、その亡きがらですか。たんには感謝しないといけませんね。

高齢以外に、肺炎になりやすいのはどんな方ですか?
「まず喫煙者、ぜんそくがある方は注意してください。鼻の構造が悪い方も細菌が肺に入りやすいので気を付けてください。糖尿病の方も、糖はバイ菌の栄養となるので要注意です」

肺炎の予防法はどんなものでしょうか。
「雑菌を入れないことが大事ですから、まず、うがい、手洗いを徹底してください。鼻うがいも菌を洗い流してくれます。人混みではマスクの着用も忘れずに」

鼻うがい、私もやってますよ。
「血中の酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターを常備して、特に高齢者は1日1回はチェックすることをお勧めします。新型コロナウイルスのまん延でパルスオキシメーターが注目を集めたので、すでにお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。指の先を挟むだけと、使い方も簡単です。数値が98なら正常。95に下がったら少しおかしい状態。90に近づいたら病院での処置が必要です」

パルスオキシメーターは3000円ぐらいからありますし、ドラッグストアでも売ってます。体温計と同じように、一家に一つ準備しておきましょう。
マイコプラズマ肺炎は若い人に多いようですが、もちろん高齢者もかかります。うがい、手洗いと基本は忘れないようにね。高齢者は誤嚥(ごえん)性肺炎にも注意しないと。口の中の雑菌が誤って気管支、肺に入ってしまうもの。亡くなる方も多いですから、そうならないための口腔(こうくう)ケアにも気を使っていきましょう。私は「FBI」を心がけてます。Fはデンタルフロス、Bはブラッシング、Iは水流が出る器具で汚れを落とすイリゲーションです。あと、肺炎の原因の半分近くを占める肺炎球菌はワクチンもあります。ワクチンを打つ場合は、かかりつけ医としっかり相談しましょう。

◇生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の73歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月〜金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。健康に関する名物コーナーに登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。元為替ディーラーで経済評論家の岩本さゆみ氏との共著「日本経済 本当はどうなってる?」(青春出版社)が販売中。

続きを表示

この記事のフォト

「美脚」特集記事

「STARTO ENTERTAINMENT」特集記事

芸能の2024年11月8日のニュース

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /