2012年7月27日現在
国立感染症研究所感染症情報センター
(2012年7月31日 IDSC 更新)
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7月19日現在の被災地における感染症リスクアセスメントに基づく注意すべき感染症は以下の通りです(計7症候群・疾患)。
洪水による被災地の生活では、食品の保冷や衛生状態の管理が十分に出来ないことから、急性胃腸炎はとくに注意すべき感染症の一つです。急性胃腸炎には細菌性とウイルス性があり、この季節に多いのはいわゆる食中毒の原因となる 細菌性の急性胃腸炎です。主な症状は腹痛、下痢、嘔吐で、血便や発熱をともなうこともあります。感染経路は主に経口感染で、腸管出血性大腸菌やカンピロバクターなど少量感染で発症するものもあります。感染した患者から排泄されたごく少量の便が原因で2次感染が起こることもあります。細菌性の胃腸炎の場合には、脱水予防と下痢に対する対症療法が基本となりますが、菌の種類と状況によっては抗菌薬の投与が検討される場合もあります。ウイルス性の急性下痢症の場合は特別な治療法はなく、水分をこまめに少量ずつ補給することが大切です。脱水がひどい場合、その他、重症度に応じて入院加療が必要となることがあります。一般的に、排泄物(おむつなどを含む)・吐物の適切な処理、手洗い、汚染された衣類の消毒などの取り扱いには注意すべきです。被災地・避難所では困難なことが予想されますが、出来るだけ、食事の準備や食前、排便の後、また、おむつ交換後や排泄処理後には十分な手洗いを行うようにしましょう。
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