上海G20で発した中国の4つのシグナル
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20ヵ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁の会議が2月26日〜27日上海で行なわれた際、中国政府は国際社会に向け、大々的に「鎮静剤」を処方した。李克強総理から周小川人民(中央)銀行総裁、楼継偉財政部長(大臣)に至るまで、3人が順番に海外に向かって「信じてほしい」と呼びかけたのだ。
人民元が下落し続けるような理由はないし、中国もまた通貨切り下げ競争に参加して輸出能力を強めることはなく、中国の対外支払い能力も、現在心配するようなところはないと訴えた。この種の信じてくれという呼びかけの効果については、まだ今後の状況を観察せねばならないが、少なくとも外部に対し、4つの大きなシグナルを発信したものとなった。
中国の金融・財政政策は
どちらも明らかに緩和へ
今年のG20サミットは9月に杭州で行われる予定で、これは中国が初めて開催するG20サミットで、本来ならば、中国が経済的な成果を見せつけ、世界経済のガバナンスに一層関与する絶好のチャンスとなるものだった。しかし昨年から中国の経済情勢の減速傾向が明らかとなり、年間経済成長は数年来初めて7%を切り、海外の中国経済を見る目はネガティブなものとなった。
今回の上海会議の直前には、上海のA株と人民元がともに下落して国際的な悲観ムードをいっそう強め、世界市場のさらなる動揺を感じさせた。このため、中国政府は構造改革と経済成長促進の保証に関して再度信頼を獲得し、人民元切り下げ疑惑を晴らすことが、今回の上海G20の新たなテーマの一つとなった。
上海会議の席上で、周小川総裁は自国の金融政策は現在「穏健で緩和寄り」の状態にあり、経済の下向きリスクに対応するため、中国はいまだある程度の金融政策の発動余地とマルチの金融政策の道具をもっていることを初めて明らかにした。これは中国が近年はじめて金融政策に関して「穏健」という言葉で、重大な調整について表現したもので、今年中国の金融政策はさらなる緩和のチャンスが存在することを意味するだろう。
楼継偉部長は会議の席上で、「中国は今のところまだ財政政策の余地があり、今年の赤字がさらに拡大するかもしれない」と語った。彼は経済が比較的不況にあるときには、もしその余地があれば、まず拡張性のある、素早い効果が見込める措置を選択すべきで、それはたとえば行政審査・許認可の簡潔化、狙いを定めた減税、労働力市場活性化の増強、出稼ぎ農民の都市住民化の推進などである。
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