メーカーの"囲い込み思想"で
日本のIoTが取り残される
――日の丸IoTの成否(4)
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>>日の丸IoTの成否(3)から続く
なぜ日本のIoTはうまくいかないのか。
第4回では、IoTの先駆けともいえるスマートハウス(またはホームネットワーク)、テレマティクス、業務システムなどの事例を挙げながら、このままでは日本のIoTが失敗しかねないリスクについて解説したい。
住宅内の機器が連携するスマートハウス
だが実際には「つながらない」
天気の良い夏のある日。屋根の上にあるソーラーパネルはどんどん発電しているが、家族は全員外出していて、家の中ではほとんど電気が使われていない。周辺の住宅にもソーラーパネルが付いているので地域全体で電気が余っている状況にあり、電力会社に電気を売れそうにない。
せっかく発電した電気を捨てるのはもったいない。そこで、ソーラーパネルが冷蔵庫、給湯器、充電器と連携して、今のうちにその電気で氷を作る、お湯を沸かす、電動アシスト自転車のバッテリーを充電する。
このように住宅内で電気を使う機器が、発電機器と連携して最適なエネルギー使用を実現するのが「スマートハウス」の基本概念である。
2009年、このコンセプトを実際に具現化するため、筆者は経済産業省でスマートハウス実証プロジェクトを立ち上げた。
ところが実際にスマートハウスに取り組んでみると、住宅内の機器同士で連携させることの難しさに直面した。メーカーを超えて機器同士をつなげる「標準」の問題が明らかになったからだ。
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