仕事の収支と同じように「わが家の収支」も言える?
老後貧乏回避は「わが家のお金の重大3要素」から!
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今の40〜50代は、消費好きな
「キリギリス」が多い
前回「40代、50代に『老後貧乏予備軍』が増えている!あなたは老後に年200万円で暮らせるか」というタイトルで書いたところ、知り合いの40〜50代男性から「深田さん、タイトルも内容も怖かったです...」といったメールが複数届いた。
40代は「老後に向けて用意しなくてはいけない金額がリアルで、このままではまずいと思った」と言い、50代は「老後資金3500万円って、今からだと間に合わないかも」と、年代により感想が二分される。
一方、SNS上の読者のつぶやきには「『年間240万円の年金貧乏』だと?今現在、年収240万円で暮らしている若者をバカにしてるのか」との指摘や、「老後は年金だけでは暮らせないようです」などのコメントがあった。どれもリアルな反応だと思う。
実は、老後資金について明確な金額を出すのはできれば避けたいと思っていた。たとえばセミナー会場で質問を受ける場合、長くFPをやってきたこともあり、たいていのことには即答できるのだが、例外が「老後資金はいくら準備すると安心ですか?」という質問だ。老後をどう暮らしたいかによってかかる支出は人により大きく異なるし、現役時代の収入から貯められる金額もさまざまだ。個別性が高いため答えにくく、いつも一瞬言葉につまる。
仮に「会社員なら目安は3000万円ですね」と答えたとして、会場に老後資金に回せるお金が300万円もない59歳の人がいると絶望的な気持ちにさせてしまうかもしれないと考えると、他の質問のように歯切れ良く答えることができない。このように「老後資金の金額」に慎重な私が、広く読まれるネットのコラムで前回、「老後資金の目安は3500万円」と思い切って書いたのは理由がある。
それは、今の40〜50代は他の世代に比べ突出して「消費好き」だから。「アリとキリギリス」のキリギリスが増殖中であることに、私のほうが危機感を覚えたのである。
もちろん、中にはお金をあまり使わない人もいるだろう。そういう人は貯蓄ができているし、もともと支出額が少ないから年金収入だけ生活できるかもしれないので心配はない。しかし、それなりの収入を得ているにもかかわらず、貯蓄ができていない人は、使っている金額が多いわけだから、200万円台の年金収入だけではとうてい暮らしていけない。当事者に危機感を持ってもらうためには、リアルな金額を出すことが必要と考えたのだ。
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