停電、運休、連結分離はまだ序の口...「新幹線」を待ち受ける"超重大インシデントのXデー"
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超特急で失墜した
新幹線への信頼
日本が誇る「世界一」がガラガラと音を立てて崩れている。
世界の高速鉄道の中でも、安全性、快適性、運行の正確さ、サービスの質の高さなどで頭ひとつ飛び抜けているとされてきた「新幹線」のトラブルが続いているのだ。
9月19日、東北新幹線は時速315キロで走行中に連結部分が外れてしまった。自動的に緊急ブレーキがかかって停止をしたので、深刻な事故にはならなかったものの、前代未聞の事態である。その4日後の23日には、山陽新幹線の広島-小倉間が始発から長時間にわたって運転見合わせ、連休最終日ということもあって人々の足に大きな影響を与えた。原因は夜間に行った架線を交換する保守作業の際、作業用の車両が線路上で動かなくなってしまったとことという。
このような保守作業中のトラブルは実は少し前から立て続けに発生している。7月22日未明、東海道新幹線の線路上で保守作業中、2台の保守車両が衝突して脱線、作業員2名が負傷して1人は首の骨を折る重傷だった。これによって浜松-名古屋間が終日不通、山陽新幹線もダイヤが乱れた。その12日前、7月10日未明には東北新幹線の保守用車両が油漏れを起こし、保守作業が遅れて始発から午前8時45分ごろまで運転を見合わせている。
一方で走行中のトラブルもあった。7月6日午後0時15分、静岡―掛川間を走っていた東海道新幹線「のぞみ12号」で停電が発生。乗客はトンネル内で、クーラーの切れた車両に3時間ほど閉じ込められた。こちらも上下線がストップして多くの人の足に影響を与えた。その後の調査で、この車両の特高圧ケーブルが破損したことが原因だと判明している。
さて、このようなトラブルが続発している実態を聞くと、「新幹線で何が起きているんだ?」と首を傾げる人も多いかも知れないが、実は鉄道会社や現場レベルでは、ずいぶん昔からこのようなトラブルが多発することはわかりきっていた。
これまで新幹線の安全運行を支えてきた保守作業の現場が「限界」に近づいているからだ。
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