参議院選は「野党実質不在時代」の幕開けとなるか
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異例の高支持率を続ける第二次安倍内閣
経済以外の争点をつくらない参院選対策
第一次安倍内閣時代以来、内閣支持率というものは首相就任時が最高で、その後毎月数%ずつ下落していくものかと思っていたが、第二次安倍内閣は発足以来4ヵ月が経過して、徐々に数字を上げている。
たとえば、『読売新聞』(4月16日朝刊)が4月12日〜14日にかけて行った世論調査(電話方式)では、約1ヵ月前を2%上回る74%の高支持率を記録した。
円安と株高の進行で、経済に明るさが見えてきたことが大きな理由だろう。加えて、経済以外に争点をつくらない安倍内閣の「参院選対策」と見られる安全運転戦略が、功を奏している。また、これまでの各内閣で年中行事のようになっていた閣僚のスキャンダルが起こっていない。
後者に関しては、いわゆる「身体検査」などを含む内閣のマネジメントのほかに、民主党政権に比べて、大手メディア各社が協力的であることも影響しているのだろう。「叩けば埃の出る身体」であっても、叩かずにいてくれれば体面が保てるのが、政治家という生き物だ。
同日の読売新聞では、安倍首相に対するインタビューを載せており、同紙は首相がまず96条の改正から憲法改正を目指すことを参院選の公約に掲げると見出しにしているが、「美しい国、日本」を旗印にナショナリズム色を色濃くしていた第一次安倍内閣時代の安倍首相の印象よりは、遥かに抑制が効いている。
96条改正の方針は、日本維新の会と同じであり、選挙後に維新を取り込める「保険」を意識しながら維新と近い距離を取りつつ、大敗が予想される民主党との対立軸を出す戦略と見ると、これも「安全運転」の一環と見ることができる。
政府は、検討中の「アベノミクス戦略特区」構想で、東京、名古屋と共に、大阪府・市に法人税を引き下げる特区などを設けることを示唆しているが、これは維新の会の橋下徹大阪市長に花を持たせることにもなる。
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