ECBが物価高騰で利上げ幅を上積み、欧州の景気後退を回避できるか
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過去最高水準のインフレが続くユーロ圏。物価抑制に向け、ECB(欧州中央銀行)は6月のFRB(米連邦準備制度理事会)に続き、事前予想を超える幅の利上げに踏み切った。(ダイヤモンド編集部 竹田孝洋)
物価上昇率が2カ月連続過去最高に
14年6月以来のマイナス金利政策を終了
ECB(欧州中央銀行)が金融引き締めを急いでいる。インフレ抑制に向けて7月1日で量的緩和(国債の大量購入による資金供給)を終了させたのに続き、7月21日の政策理事会で、自ら予告した利上げ幅0.25%を上回る0.5%の利上げに踏み切った。
ラガルドECB総裁は、21日の理事会後の記者会見で「インフレは当面、好ましくないほど高い水準にとどまる」と危機感をあらわにした。
利上げは2011年7月以来11年ぶり。これにより、政策金利の一つである預金ファシリティ金利(ユーロ圏の銀行が一時的な余剰資金をECBに預けるときの金利)はマイナス0.5%から0%となり、14年6月に導入されたマイナス金利政策は終わった。
ECBは6月の理事会で7月の0.25%の利上げを予告していたのだが、それを翻したのは、言うまでもなくインフレが加速したためである。ユーロ圏の6月のCPI(消費者物価指数)上昇率は前年同月比8.6%となり、統計開始の1997年以降で最高となった。2カ月連続で過去最高を更新した。1年前の21年6月の上昇率は同1.9%であり、上昇ペースは急加速している。
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折からのエネルギーや食料品の高騰にロシアのウクライナ侵攻で拍車が掛かっていることが背景にある。そして、他の品目へも物価上昇が波及している。エネルギーや食料品を除いたコアCPIの6月の前年同月比上昇率は3.7%と前月より0.1%低下したものの、依然ECBの物価目標である2%を大きく上回っている。
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