木村拓哉で好感度アップ!?日産やカルビーが「リブランディング」で復活した理由

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木村拓哉で好感度アップ!?日産やカルビーが「リブランディング」で復活した理由Photo:Chung Sung-Jun/gettyimages

企業のイメージを維持するのは至難の業だ。みずほ銀行や日産などの不祥事だけでなく、大量生産、大量破棄が印象付けられたアパレル産業や、コロナ禍の行動自粛が呼び掛けられる中でマイナスのイメージが付いてしまった観光業などもある。しかし、中には逆境からリベンジできた企業もある。コロナ禍で業績悪化企業が増える中、リブランディング戦略によって勝ち抜いた企業を紹介する。(生活経済ジャーナリスト 柏木理佳)

消費者のイメージを変えた日産の広告力

ポジティブなことよりネガティブなほうが長期間、消費者の知識に組み込まれやすいという研究(Fiske,S.T. 1980;Oden & Anderson 1971)があるように、一度ネガティブな感情がインプットされた消費者の知識を再びポジティブな気持ちへ変容させることは時間的にも金銭的にも簡単ではない。

企業イメージを変えるには、テレビコマーシャル(CM)が大きな効果をもたらす場合が多い。最近で言えば、木村拓哉さんの「やっちゃえNISSAN」シリーズがその一例だろう。誰もが一度は聞いたことがあるフレーズではないだろうか。

2018年、カルロス・ゴーン氏の金融商品取引法違反容疑の逮捕によりイメージダウンした日産は、2020年にアンバサダーとして木村拓哉さんを起用、テレビのCMで木村さんが新型EV「アリア」を運転しながら「上等じゃねえか、逆境なんて。さあ行くぞ、もう一度、やっちゃえNISSAN」と消費者に語りかけている。

さらに、ロゴも同じタイミングで変更した。そもそもロゴの変更には慎重になる企業が多い。というのも、80年代の米国ではM&Aの普及により、ロゴのブランド価値は資産価値があるものとして、会計上でも無形資産として計上されているほどだからだ。

しかし、日産は生き残りをかけ、新しく黒を基調にした斬新な大人っぽいイメージのロゴに変更し、新型EV「アリア」に採用した。

結局、キムタクが「アリア」に乗車しているCMは、2020年9月度のCM好感度ランキング総合1位(CM総合研究所)で、日産としては7年ぶりの1位奪還となり、過去の不祥事のイメージを払拭させることに成功したといえる。

日産の2021年上期の営業利益は1391億円で、コロナ禍前の前年同期比の1588億円の赤字から2979億円も増加、売上高営業利益率も3.5%増加した。半導体不足が懸念される中、新車などの1台当たりの収益率が向上した。

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