ゴーンショックの払拭狙う日産のEV投資、ダイムラーも不安視する将来性
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2018年11月に当時の日産会長だったゴーン氏が逮捕されてから、丸3年が経過した。その後、日産に対する成長期待は停滞したままだ。ゴーン問題によって企業イメージは傷つき、その後も同社内部では自信喪失が続いているように見える。(法政大学大学院教授 真壁昭夫)
5年で2兆円の投資規模は
競合他社に比べて見劣り
日産自動車が11月末、今後5年間で2兆円を投資し、電気自動車(EV)の開発を加速させる戦略を発表した。背景にはカルロス・ゴーン氏がトップだった時代の「負の影響」を払拭(ふっしょく)し、EV開発によって次のステージで巻き返しを図る意図があるだろう。
ただ、5年で2兆円の投資規模は、十分とはいえないかもしれない。率直に言って、その規模は競合他社に比べて見劣りする。日産はいわゆる「ゴーン問題」で経営体制が不安定化した。同社は、仏ルノーおよび三菱自動車とのアライアンスを強化し、EV化加速の主導権を握れるのだろうか。今後はいっそう迅速に、世界経済の環境変化に対応しなければならない。
日産は速やかに、EVや自動運転技術などの先端分野に、より多くの経営資源を投入し、人々の新しい生き方の創造に集中する必要がある。口で言うほど容易なことではないが、とにかく収益力があるうちに企業風土の変革を進めなければ、事業体制の不安定感はさらに高まる恐れがある。足元の環境は、日産が激化する競争に生き残り、さらなる成長を目指すラストチャンスとの見方もある。
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