世界で後れをとる日本のEV化。それでも日本車が有利な理由とは
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日本政府が打ち出した「2035年ガソリン車の新車販売禁止」は、自動車業界に大きな衝撃をもたらした。世界的な脱炭素、電動化の流れの中、車はこれからどう変わっていくのか。この大変革は自動車産業だけでなく、あらゆる人の生活、仕事の未来にも影響を与えるだろう。そこで今回は、Gemba Lab代表でジャーナリストの安井孝之さんの著書『2035年「ガソリン車」消滅』(青春出版社)から、新たな主力となるEV(電気自動車)の日本での現状と未来について抜粋紹介する。
日本ではなぜEVが普及しないのか
2020年末にフルモデルチェンジをした日産自動車のコンパクトカー新型「ノートe-POWER」の売れ行きが好調だ。発売1カ月で月間販売目標の2.5倍の2万台を受注するヒット商品になった。
このノートは「e-POWER」と銘打っているからEVかと思いがちだが、そうではない。ガソリンエンジンとモーターが搭載されているHVである。だがトヨタのHVとは構造が大きく違う。
クルマの動力を生み出すのはもっぱらモーターで、エンジンは発電機を回すために働いている。エンジンの力で発電機を回して電気をつくり、バッテリーに充電し、その電気でモーターが動き、クルマを走らせるのだ。モーターが駆動源なのでEVと同じような加速感を楽しめるのが売りである。
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