医学部並みの難易度なのに稼げなくなる?獣医師「超二極化」時代へ
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獣医学部は偏差値が高く定員数も少ない「狭き門」。難易度低めの医学部や、歯学部、薬学部と同水準の難関だ。ところがこの難関をくぐり抜けた獣医師に、厳しい「二極化」の時代が待ち受けているという。特集『動物病院の最前線』(全10回)の#7では、動物病院を選別する厳しい荒波を伝える。(ダイヤモンド編集部副編集長 杉本りうこ)
医学部並みに難しい獣医学部
なのに「超二極化」で稼げなくなる?
「獣医学部を目指す」。子供にそう言われたら、親ならばどう反応するだろうか。大学受験の難易度という点からいえば、獣医学部は偏差値が高く定員数も少ない「狭き門」である。
北海道大学獣医学部の偏差値は、他の国立大学の医学部と肩を並べる。これは突出して高い例ではあるが、他の獣医学部の多くも難易度が低めの医学部や、多くの歯学部、薬学部と同等の偏差値水準となっている。また獣医学部は、国公立・私立大学を合わせて17校にしか設置されていない。定員は合計1000人程度だ。この「希少さ」も合格のハードルの高さに拍車を掛ける。
獣医学部合格の難関を突破するために、多くの人は学習塾や予備校へ通うといった教育面への投資をしている。この投資はこれまでなら、獣医師のキャリアを通して回収することが確かにできた。動物病院を開業して良心的な経営をし、地域の飼い主から「愛犬・愛猫を任せられる先生」という一定の評価を勝ち得る。そうすれば年収1000万〜2000万円は決して不可能ではなかった。
元々、動物が好きで獣医師を志す人が圧倒的に多い。動物に関わる仕事をしながら、十分な収入を得られる開業獣医師は、満足度の高い職業でもあった。
ところがこのキャリアプランが今、大きく変わろうとしている。動物病院の経営コンサルティングを手掛ける西川芳彦氏は「一部の動物病院に患者が集中し、それ以外の病院が稼げなくなる二極化が進む懸念が大きい」と指摘する。何が起ころうとしているのか。
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