サブスク全盛の今、「レコード人気」が再燃する理由とは
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平成以降、時代遅れのメディアとして長らく顧みられることの少なかったアナログレコード。だが、2014年前後を境にじわじわと売り上げを伸ばし、懐かしくも新しい音楽の聴取形態として幅広い層に定着しつつある。一時は過去の遺物と目されていたメディアがなぜここまで市場規模を拡大しているのか。30年近くかけて収集した5000枚を超えるドーナツ盤の中から、珠玉の1000枚を厳選して多彩なエピソードと共に紹介する『昭和レコード超画文報1000枚 〜ジャケット愛でて濃いネタ読んで〜』の著者であるチャッピー加藤氏に、レコード盤復活劇の裏側と独自の魅力について聞いた。(清談社 山田剛志)
レコードブームの裏には
サブスクの台頭があった
高度経済成長期からバブル期にかけて、主要な音楽メディアとして一時代を築いたレコードだが、1980年代の後半に差し掛かると後発メディアであるCDの普及により利用者は減少。著者である加藤氏がアナログ盤収集に凝り始めたのは、レコードにとって冬の時代ともいえる90年代の中頃だった。
「レコードが最も売れていた1970年代、国内盤のLP(アルバムCDに相当)はおよそ2500円、EP(シングルCDに相当)は400〜600円ほどが相場。当時はまだ小学生でしたから、気になったレコードを買いあさる資金はなく、"大人になったら好きなレコードを全部買ってやろう"という夢を抱いていました。いざ大人になるとレコードはすっかり廃れ、当時欲しかった盤の多くは中古屋で50円から100円程度で売りに出されていました。誰も聴く人がいなくなったことにより、とても安価になっていたのです。それから猛烈な勢いで買い集めて、気付けば所有枚数は5000枚を超えていました」
本職は構成作家でありながら、歌謡曲専門のDJとしても活動する加藤氏。熱心なファンとしてレコード盤の栄枯盛衰を見守ってきた氏の目には、近年のレコードブームはどのように映っているのだろうか。
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