ファイザーが「成功確率0.004%」で高コストでも新薬開発をやめないワケ

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ファイザーが「成功確率0.004%」で高コストでも新薬開発をやめないワケPhoto:123RF

米国ビジネススクール講師である著者が、グローバル人材のための「決算書の読み方」を伝授する本連載。基礎編で学んだ決算書をベースに企業のビジネスモデルを検証していきます。

今回は、製薬企業についての分析です。新型コロナウイルス(Covid-19)のワクチン製造に関連して、海外製薬会社の報道が増えています。これまであまり製薬業界になじみがなかった方も、名前を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。

そこで、日本でいち早くワクチンの接種を開始した米国の大手製薬会社Pfizer(ファイザー)を中心に、製薬業界のビジネスモデルについて取り上げたいと思います。

(注記)今回は私が教える米国ビジネススクールの生徒たちに監修してもらい、決算書から導き出せるビジネスモデルという側面のみで分析しました。実際の製薬業界の分析は非常に複雑であるため、多面的に行う必要があることに注意してください。

ファイザーのPLはA、Bのどっち?

では、今回のクイズです。下図の製薬会社の損益計算書(PL)を比較して、AとBのどちらがファイザーか当ててみてください。

ファイザーが「成功確率0.004%」で高コストでも新薬開発をやめないワケ出典:各社の10K(年次財務報告書)を基に筆者作成
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クイズのヒントとして、以下に各企業の概要をまとめました。

===企業情報===============================
くろまる ファイザー...1849年に設立。1944年に世界初の抗生物質「ペニシリン」の大量生産に成功し、米製薬業界で不動の地位を築く。米国の大手グローバル製薬企業であり、がんや免疫疾患等の治療薬の開発・提供を行う。今回の新型コロナウイルスの世界的感染拡大では、ドイツのBioNTech(ビオンテック)と提携してコロナワクチンの開発を行い、提供を開始。
くろまる 沢井製薬(現サワイグループホールディングス〈HD〉)...1929年創業。ジェネリック医薬品の製造販売を行っている。後発医薬品業界では日本1位(2021年4月時点)。21年4月にサワイグループHDを設立し持ち株会社体制に移行したことに伴い、その完全子会社となる。
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では、次ページで正解と解説をお伝えしましょう。

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