ドラッグストアが「客寄せ」の食品安売りから脱出できない理由

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食品を買いに来た客に、医薬品や化粧品を買ってもらうビジネスモデルはだんだん通用しなくなっている食品のついでに粗利益率の高い医薬品や化粧品を買ってもらうというドラッグストアのビジネスモデルはだんだん通用しなくなっている(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ドラッグストアの食品売り場から安売りが消える日は来るのか――。ドラッグストアといえば主力商品の医薬品や化粧品以外だと「加工食品や飲料の安売り」、そんなイメージがある。しかし、ドラッグストアも百貨店の市場規模を抜いて6兆円超となり、これから10兆円市場を目指そうというタイミング。「食品の安売りで客を集め、化粧品や医薬品を買わせるという商売でもないだろう」(あるスーパーの首脳)という声も出てきた。(流通ジャーナリスト 森山真二)

ドラッグストアにおける
「食品安売り」のカラクリ

「コスモス薬品の食品売り場を見てみるといいですよ。とにかく安いですから」というスーパー関係者の言葉に背中を押され、出張帰りにコスモスの店頭を見てみた。

例えばインスタントラーメンのサンヨー食品の「サッポロ一番みそラーメン」(5食パック)が298円(税込み)で売られている。

この商品の価格を他社と比べると、ある大手スーパーのネットスーパーの価格は378円(税抜き)、大手ネット通販の価格は395円(税込み)だから相当安い。この商品だけではなく他の商品も他社に比べて安い。

コスモス薬品は業界でも突出して食品の売上高構成比が高い。

直近の決算では食品の売上高構成比が55%超で食品スーパーも顔負けの比率だ。しかも、きちんと収益も上げている。直近の売上高営業利益率は4%を超えており一般的な食品スーパーと比べても利益率は高い。

「ドラッグストアは基本的に食品で儲けようと考えていませんからね」と語るのはあるコンビニエンスストアの幹部だ。

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