就職内定率の低水準に思う「年齢差別禁止法」の必要性

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胸が潰れるほど可哀相

大学4年生の就職内定率は、厚生労働省などの調査で10月1日現在、たったの57.6%であるという。これは、金融危機の直撃を受けていたはずの昨年同時期よりも4.9%も悪い。

完全失業率(9月で5.0%)や有効求人倍率(同0.55倍)は、水準として悪いながらも最悪期を脱しているが、来年の卒業生の就職状況は現在まだまだ悪化している。

来年新卒者の就職内定状況の悪さの主因は、企業が人員の削減を主として新卒者の採用抑制で行おうとしているからだ。既存の正社員を簡単には解雇出来ないので、採用の抑制で人員を減らす訳だが、1年分では目標に達しないので、翌年の採用をさらに抑えることで対応しようとした結果、今年は昨年よりももっと酷い状況になってしまった。

筆者は、たまたま今年から関東圏のある私立大学で週に2コマ授業を持っているので思うのだが、現在の大学生は、1年生から4年生まで「卒業までに、何とか就職を決めなければならない」という強いプレッシャーを感じながら学生生活を送っている。ことの善し悪しは別として、3年生になると、「就活」が生活の中心になる。

上級生の苦戦を見ているので、1年生や2年生も就職の準備に余念が無く、何を勉強すると就職に有利か、在学中にどんな資格を取っておくといいか、といった質問を学生からたびたび受ける。

それだけ努力しても、なかなか就職が決まらないという現状については、胸が潰れそうなほど可哀相だ、という実感を禁じ得ない。

全体的な不況で、雇用情勢全般が厳しいのは仕方がないとしても、そのしわ寄せが特に「新卒」に集中して、しかも、「新卒」の時期の就職を逃すと、好条件な企業の正社員になることが難しい。新卒就職の可否で職業人生の相当部分が不可逆的に決まってしまう状況は過酷だ。

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