PHYSICS部門脅威存在データベースからの抜粋
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はじめに

世界オカルト連合は超常的脅威存在に関して得られている概括的知識に基づき、当該存在を五つの大まかなカテゴリに分類している。脅威存在は以下の形式を用いて命名される。

  • 脅威区分を示す三文字のコード
  • 固有の事件簿番号
  • 一語以上の暗号記述子
  • 脅威存在についての略式説明

例: KTE-7912-Spiral Blackchild: "コーンウォールの多次元ポータル"

上記の名称は、この存在が既知脅威存在/Known Threat Entity(KTE)であり、事件簿番号は7912、そして局所的な時空の裂け目(暗号コード Spiral)及び半神によって生み出された事象(暗号コード Black [半神]、修飾子 -child [他の脅威存在により生み出された超常的アーティファクト])という二つの性質を持つことを示している。

このリストでは、脅威分類のための暗号数百種の中から抜粋された一部見本のみを記載している。暗号とその意味に関する完全なリストについては、手持ちのPHYSICS部門便覧を参照されたし。

人型存在

人型の脅威存在は色に基づく分類方式によって大まかに分類される。例として以下が挙げられる。

  • Type Black: 半神。
  • Type Beige: 切断された身体部位。
  • Type Blue: 妖術者。
  • Type Green: 現実歪曲者。
  • Type Cyan: 霊的実体。
  • Type Grey: 死後蘇生。
  • Type Indigo: サイボーグ。
  • Type Purple: エーテル投射能力者。
  • Type Red: 再生能力者。
  • Type Silver: 感染性脅威。
  • Type White: 先天的/後天的な変異体。
  • Type Yellow: 変身者。

非人型存在

以下は非人型生命体を表すのに用いられる一般的な暗号である。

  • Blackwood: 元人間。
  • Corona: 地球外起源を持つ生命体。
  • Cetus: 巨大な水棲生命体。
  • Denver: 時間移動を経た生命体。
  • Fiji: 未確認動物(第二任務の懸念によってその存在が隠蔽されている土着生物)。
  • Goodrick: 奇跡論的生命体。
  • Hogweed: 自然界の植物。
  • Moro: 人間によって作成された生命体。
  • NACL:非土着生命体。Non-Autocthonic Lifeformこの暗号コードは現行の時空において発生したものではないと判定されたものの、その起源は未だ明らかにされていない生物にのみ使用される。
  • Plague: 伝染性の微生物。
  • Ragweed: 別宇宙に起源を持つ生命体。
  • Schopenhauer: ゲニウス・ロキ。Genius Loci地理的特徴が具現化・生物化された生命体に関連する暗号コード。

アーティファクト

人工物である脅威存在に関連する。

  • Alexandria: 書誌的性質。
  • Blaecca: 計算機。
  • Caliburn: 武器として使用するよう設計された物体。
  • Domino: 新たな物体あるいは超脅威を、複製もしくは生成する物体。
  • Flint: 貨幣・通貨的な物体。
  • Kapala: 儀式的もしくは宗教的な物体。
  • Knickknack: 装着可能な物体。
  • Staple: 食品もしくはその他可食な物体。
  • Templum: 不動の異常な領域。
  • Velveteen: 生命を持つ物体。

超越事象/Extranormal

根本的な宇宙定数に関連する。

  • Clockwork: 時間改変。
  • Ex Machina: 神性。
  • L'Engle: 高次元異常。
  • Parallax: 空間変容。
  • Spiral: 時空間の断絶。

組織

連合の作戦中に遭遇し得る対立組織に関連する。

個人

その影響力の大きさや対立組織との直接的関係の無さのため、しばしば一個人のための暗号句を作成することが賢明であると判断される場合がある。

  • Geist: "何者でもない"として知られる個人に関連する。
  • Andronikos: "吊られた王"として知られるType Grey実体に関連する。
  • Nimue: "Her Lady"としてのみ参照される個人に関連する。
  • Sina: "dado"として知られるテロリストに関連する。
  • Victoria: "黒の女王"として知られるType Blueの個人に関連する。

国家

これらの暗号句は当該政府機関によって作成、あるいは対処されている超脅威にのみ用いられる。

脅威警告

  • Blit: 認識災害。
  • Bosch: 終末論的脅威。
  • Burrhus: 行動(顕在意識)の強制。
  • Ebbinghaus: 記憶影響。
  • Faraday: 電磁災害。
  • Freud: 行動(潜在意識)の強制。
  • Gorgon: 麻痺の誘発。
  • Karhu: 名辞災害。
  • Lovelock: 生態学的な脅威。
  • Mendel: 遺伝子変容。
  • Pygmalion: 脅威の創造。
  • Smitty: 催奇形性。
  • Typhon: 運動力学的な危険。
  • Van Allen: 電離放射線の危険。

修飾子

  • -buster: 他の1つ又は複数の脅威存在の破壊を目的としている脅威存在。
  • -child: 固有の暗号句を割り振られた他の脅威存在に生み出されたもの。
  • -dianetic: 特定の脅威存在に対し独占的に直接関連する集団。
  • -father: 組織暗号コードと共に用いられる。当該組織の創設者もしくは統率者。
  • -morph: 他の脅威存在に対する粛清手順実行中に生み出された脅威存在。

既知脅威存在とは脅威として明確に断定され、対応を予定されている超常存在である。

文書ファイル:

脅威ID: KTE-0706-Black "対象 アベル"

認可レスポンスレベル: 4 (重度脅威)

概要: 人型の脅威存在、外見上は20代後半、約2mの身長と約80kgの体重、以上がアベルの構成要件である。平時の対象は悪魔的な紋様の刺青に身を包み、また黒革の衣服を好む。対象は超人的能力の標準一式(筋力、速力、再生能力の全てにおいてクラス1かそれ以上)に加え、未知の出処から刀身を持つ武器を出現させる能力を保有する。対象は近接戦闘において高度に熟練しており、現在公に知られている如何なるものにも当て嵌まらない格闘スタイルを使用する。

心理的分析は、対象が主に退屈によって動機付けられていることを示している。:対象は殺害行為、特に"好敵手"に対して行われるそれによってのみ、充足感を得ていると見られる。対象は必ず最も危険であると認識した脅威との交戦を優先し、そのために危険度の低い脅威を無視するようである。:行動計画に備える際、工作員はこの事実を考慮に入れる必要がある。

構成要素〈ベイカー〉とは、一辺3.66m (12ft)の彫刻が施された立方形の石塊であり、21の錠前(20個の小さな錠に円状に取り囲まれている大錠前)によって封印されている。構成要素〈ベイカー-2〉はその内部に収納されており、高さ2.13m (7ft)の石棺とそれを固定する未知の組成物でできた鎖から成る。構成要素〈ベイカー-2〉は、どんな残骸からも構成要素たるアベルを再生し、また万一全ての残骸が粉砕された場合であってもそこからアベルを再構成することができる。上述の通り、構成要素〈ベイカー〉は主たる脅威として見なされるべきであり、可及的速やかに確保せねばならない。

交戦規定: KTE-0706 Black(以後、対象と称する)は2つの構成要素から成る。構成要素〈アベル〉には細心の注意を払って交戦にあたるべきである。:当存在は非常な殺人性を有する戦士であり、これまでに100人以上の工作員を殺害している。構成要素〈アベル〉とは決して至近距離での交戦を行ってはならず、可能な限り遠方から対処すべし。狙撃手によるヘッドショットが望ましい終了手順である。

終了に際して、構成要素〈アベル〉は構成要素〈ベイカー〉内部で再構築を開始し、数週間以内に脅威性を完全に取り戻す。したがって、構成要素〈ベイカー〉の所在特定及び破壊は対象の完全な粛清のために必須である。構成要素〈ベイカー〉の所在発見に繋がる情報を持つ工作員は、GOC最高司令部へ前述情報を直ちに報告すること。

来歴: <GOC最高司令部の命によるQ種機密指定>


付記 001: 実地工作員は現在KTE-0706-Blackが財団の手中にあることを明らかにした。これによって、構成要素〈ベイカー〉を捜索し、取り戻すための組織だった諜報活動に尽力せよとの指令が工作員たちへ下された。

付記 002: 工作員クレインの現場報告から、財団は6〜12人の支援分隊による援護を伴う戦闘状況下において、構成要素〈アベル〉を封殺し始めているとの情報が連合工作員へと伝達された。

付記 003: 過去3度に渡る脅威体アベルとの交戦による許容できない人的被害のため、全ての実地工作員は自己防衛を除く如何なる状況下においても、構成要素〈アベル〉との交戦を停止しなければならない。工作員は構成要素〈ベイカー〉の所在特定及びその破壊に再び主力を注ぐべきである。

脅威ID: KTE-0937-Velveteen "6番目の椅子"

認可レスポンスレベル: 3 (中度脅威)

概要: 主にオーク木片と椅子張り生地から成る数キログラムの資材。かつてはもたれ掛かる女性を象ったオーク材と革製の椅子であった。タイプIII空間転移存在。

交戦規定: 交戦は隠蔽工作員によってのみ行われる。対象は連合とそのエージェントに対して非常に敵対的である。もし機会が訪れた場合、対象は焼却によって処分される。

来歴: 元々は[身元編集済]への贈答物であったKTE-7201-Pygmalion ("木工師") を構成する6組セットのオブジェクトの内の1つであった。████年、第二任務脅威へと分類される。製作者、顧客、アーティファクト群はGOC実地執行部隊により全て粛清された。他のオブジェクトはみな首尾よく焼却された。:KTE-0937-Velveteenは焼却デバイスの故障のため、破砕処理によって処分された。当該アーティファクトはテレポーテーションによる逃亡を引き起こし、後にエージェント複数人の死亡原因となっている。現在は財団の占有下にあると見られている。

補遺:

KTE-0937-Velveteenは以下の適切な処置手順の重要性を示す訓例である。現場エージェントの不用心のために、オブジェクトの脅威レベルは増大され、オブジェクト自体は正常に処分されず、以後は敵対機関の手に落ちた。一人の工作員が犯したただ一度の過ちが六名の殉職者を出す始末となってしまったのだ。次に君が手抜きを考えた時には是非ともこの前例を思い返してほしい。
— 管理補佐官 "キップリング"

脅威ID: KTE-1181-Plague Grey "伝染性粘菌"

認可レスポンスレベル: 3 (中度脅威)

概要: 黄緑色の動菌類原生生物。生活環は細菌や他の原生生物を通常餌とする単細胞性アメーバ様生物から始まる。同種の異なる個体と出会うと、微生物は交配して変形体を形成し、間もなく遭遇したあらゆる可食物を消費しながら拡大していく。全ての利用可能な可食物が消費された時、微生物は凝固して胞子嚢(子実体)を形成し、単細胞性アメーバ様生物へと孵化する胞子を放出すると、再び生活環を開始する。

超脅威としての微生物への指定は、ヒト脳組織に接触した際の振る舞いに起因する。もしアメーバ様生物が血液脳関門を通過し脳に侵入すると、対象は人間のグリア細胞を摂食し始め、脳組織を変形体の培養基質に置換する。二次的に発生した変形体は、フェロモン類似物質を生成する胞子嚢に似た構造体を形成し、毛穴への血流を通して移動する。

宿主の肉体が公共空間への移動を余儀なくされた後、フェロモンは現在いる場所へと他の人間を惹き寄せる。特定距離内に十分な数のヒト宿主を検知すると、微生物は指数関数的に増殖し始め、宿主の頭蓋が破裂するまで頭蓋骨内の圧力を増大させ、胞子及び変形体を拡散させることで近くのヒト宿主全てに感染し、生活環を再開する。

交戦規定: 感染した宿主は銃撃によって終了され、その肉体は焼却によって処理される。対象頭蓋の早期爆発とそれに伴う感染拡大をもたらし得るため、ヘッドショットは避けよ。好ましい終了手順は狙撃手による心臓への長距離精密射撃である。:近接戦闘を要した際は、全工作員にMOPP(任務志向防護態勢)装備が支給され、執行から72時間以上の間検疫下に置かれなければならない。

万が一、感染が検疫区域を越えて拡大する恐れがある場合には、レスポンスレベル4への移行が認められる。この時点で全検疫区域は封鎖され、焼却による滅菌措置が行われねばならない。検疫区域からの退去を試みる如何なる人物も、銃撃とそれに続く焼却滅菌によって終了される。

外部記録ファイル:
アクセス KTE-2013-Kapala-Mendes
アクセス KTE-4503-Ragweed-Faraday
アクセス KTE-5634-Ex-Machina-Bosch
アクセス KTE-6024-Blit-Nuntius

国際ファイル:
アクセス KTE-7883-Velveteen-Grey(日本語訳あり)
アクセス KTE-3724-Blue-Lerna
アクセス KTE-1742-Fiji-Hogweedmorph
アクセス KTE-3317-Green-Sunset
アクセス KTE-1229-Flint
アクセス KTE-1505-Corona
アクセス KTE-1334-Parallax-Spiral
アクセス KTE-1357-Smitty
アクセス KTE-0369-Elec-FoCorona
アクセス KTE-0934-Einherjar-Goodrickchild
アクセス KTE-2272-Hogweed-Van Allen-Viridi

未知脅威存在とは実在が推測されるものの、その存在証明がはっきりと立証されていない超脅威である。

外部記録ファイル:
アクセス UTE-9839-Templum-Ebbinghaus
アクセス UTE-1919-Discofather

潜在的脅威存在とは現状脅威であると見なされていないものの、脅威となる可能性が高い超常存在である。

国際ファイル:
アクセス PTE-1422-Bosch-L'Engle

破壊が確認された脅威存在。記録は文書保存目的の為だけに維持される。

文書ファイル:

脅威ID: LTE-0913-Ex-Machina - "セム人の太陽神"

認可レスポンスレベル: 1 (再出現の兆候を監視、交戦を禁ず)

概要: LTE-0913-Ex-Machina(以後、"対象"と称する)とは、紀元前四千年紀においていくつかのセム族集団に神として崇拝されていたエネルギー実体である。

来歴: 西暦1882年頃、対象はドイツ人オカルティストの秘密結社によって首尾よく捕獲され、殺害された。対象の駆除は、PSI感受性が高い数人の当事者に憂鬱感や虚無的感情をもたらす深刻な精神的バックラッシュを引き起こした。:中でもある一人は、1883年に前述対象の死を嘆いて文章を執筆した。

神は死んだ。神は死んだまま。我らが彼を弑したが故に。殺害者の中の殺害者たる我々は自身をどのようにして慰めるべきなのだろう?世界が今なお有していた最も尊く、最も強大であったモノは、我らが凶刃の下に血を流し斃れた。:一体誰がこの血を拭い取れるのか?果たして我らを清めるための水など在るのだろうか?如何なる贖罪の祭礼、宗教的遊戯を我らは新たに考え出さなければならないのか?この行為の崇高さは決して我々の身に余るものではなかっただろう?ただそうなるに値しないからこそ、我々は自らの手で神になってはいけないというのか?


付記 001: この執行はGOCの設立以前に行われたものだが、当組織の創設に繋がる極めて重要な出来事の一つであった。

<GOC最高司令部の命によるQ種機密指定>

後発の事件(第七次オカルト大戦)は超自然的世界を荒廃させ、終末論的事象シークエンスを発生させる寸前にまで至った。その後、更なる無分別な執行に対する安全装置及び失われた<GOC最高司令部の命によるQ種機密指定>による保護の代替手段として機能するように、連合が設立された。

脅威ID: LTE-2101-Freud-Warhol - "ストリート・シアター"

認可レスポンスレベル: N/A (破壊確認済み、記録書庫入り)

概要: LTE-2101-Freud-Warhol(以後、"アーティファクト"と称する)とは、不明な日時から██/█/█に連合の回収班に発見・破壊されるまで、ニューヨークのセントラルパーク内に隠匿されていた精神機械デバイスである。アーティファクトは3つの構成要素から成る。

1. 自動車の鉛蓄電池バッテリー4個の配列と市の電力網から電気を引く非接触充電器から成る電源。

2. CPU、ソリッド・ステート・ハードドライブ、タイマーから成る制御ユニット。

3. 200キロラインの出力能を有するタイプ2精神投射ユニット。

アーティファクトは10〜30日に一度、最低限必要な人数を投射範囲内に検出した時に起動するようプログラムされていた。その際、アーティファクトは投射範囲内にいる全ての個人に対する直接的な精神操作を担い、個々人を"役者"、あるいは"観衆"に指定する。"役者"は"観衆"の啓発のために、無作為に選ばれたウィリアム·シェイクスピアの戯曲の上演に取り掛かる。

上演の締めとして、アーティファクトは全ての対象から過去の上演に関する記憶を消去する高エネルギー精神バーストを放射する。副作用に頭痛や方向感覚の喪失、吐き気が含まれる。

来歴: アーティファクトの存在は、セントラルパークに住むホームレスたちの間で見られた奇妙な行動についての周辺住民の噂に次いで、最初に発見された。アーティファクトはニューヨーク電力公社の社員を装った連合の現場班により回収・目録化され、破壊された。

付記 001: LTE-2101-Warhol破壊の24時間後、以下のビラがセントラルパークの周辺に掲示されているのが発見された。

権威に仕える者たちへ

三つの問い:

言論の自由が削がれた時、一体そこにはどんな言葉が残っているか?

もし森の中で木が倒れ、その音を聴く者が誰もいなかったなら、それは芸術足りえるか?

Are we cool yet?

脅威ID: LTE-3410-Clockwork Green "ノロマなガキ"

認可レスポンスレベル: N/A (破壊確認済み、記録書庫入り)

概要: 粛清時における対象は21歳の白人男性で、ステージ4のType Green(時間改変型)既知脅威存在であった。最初の同定は、現地警察からの異常存在を伴う銀行強盗の通報の後、監視員[編集済み]によって行われた。銃撃戦を映した監視カメラ映像は、対象がその異常な能力を活用し、武装警察対応班からの銃撃に影響を与える様を記録していた。この事件において3人の警官が負傷した。

粛清: 初期事件の注目度の高さから、██/█/█に管理補佐官"チェレスタ"によって速やかなレスポンスレベル2粛清承認が下され、現地へ部隊が派遣された。銀行所在地が人口集中地域内であったため、減音小火器による近距離射撃を用いた夜襲という終了手順が選択された。

付記 001: 遭遇戦報告
日時: ██/█/█
対象: KTE-3410-Clockwork-Green

事後報告の概要: 建物への突破口を開くと、第一粛清班は対象が事前に仕掛けた大量のブービートラップに悩まされた。即死性のものでなかったとはいえ、それによりもたらされた注意散漫は対象が即席爆発装置を始動させながら建物から逃げ遂せるには十分なものであった。

この時、対象が我々の任務を認識していたと我々は考えていない。;待ち伏せは妄想型統合失調症患者が行う警戒行為(過度な危険物利用を伴う)のそれと一致しているに過ぎない。

第一班における戦死者1名、戦傷者2名。班長の█████は対象の追跡調査及び再補足任務の指揮を志願している。

現状: 任務失敗、対象逃走中

付記 002: 粛清報告
日時: ██/█/█
対象: KTE-3410-Clockwork-Green

3410は目と鼻の先で銃弾をぶっ放して"終了"させてやった、死体はいつも通りに焼却処分済みだ。
誓って言うが、あんたであれ、あのクソ忌々しい弾丸が野郎の脳天をブチ貫く前に止める事はできなかっただろう。
だがあいにく、俺はもうあの弾丸をどうすることも出来ないんだ。

- M.E.

現状: 任務成功、対象粛清済み

付記 003: 監督官注釈

工作員█████は、KTE-3410-Clockwork-Greenへの規則違反かつ単独で行った粛清のために懲戒処分を受けている。対象は首尾よく粛清されたとはいえ、彼の独断専行が報復に動機付けられたものであったばかりか、新たな非脅威存在の生成という結果を招いてしまった。当該存在は現在財団の管理下に置かれており、この事実は第二任務の懸念の下に容認出来ないリスクであると見なされている。再審理が行われるまで、工作員█████には三ヶ月以上の停職処分が下されている。

付記 004: 個人情報編集

これらの事件に関与したエージェントの個人情報保護のため、当脅威存在事件簿のこの版からエージェントの名前が削除されました。

- 記録部門、SN/ec

脅威ID: LTE-4201-Velveteen "幽霊船"

認可レスポンスレベル: N/A (破壊確認済み、記録書庫入り)

概要: 全長39メートルの2隻のトロール漁船。それぞれ構成要素〈アルファ〉、構成要素〈ブラボー〉と呼称する。構成要素〈アルファ〉は氷山との衝突に由来する大規模な船体損傷により、構成要素〈ブラボー〉と区別できる。当該存在は生命兆候及び明らかな知性を有しており、互いに友愛の振る舞いを見せている。

粛清: 現地の船乗りの間で囁かれる"幽霊船"の噂の高まりによる第二任務の懸念増大のため、██/█/█に108評議会によってLTE-4201 Velveteenに対する粛清承認が下された。標的の排除任務は排撃班"オーシャンサンダー"へ任じられた。構成要素〈アルファ〉粛清の成功後、搭乗していた船が構成要素〈ブラボー〉と極超音速で衝突したことで排撃班は壊滅、部隊全員の人命が失われる結果となった。その後、構成要素〈ブラボー〉は自ら終了した。

排撃班"オーシャンサンダー"の全部隊員は後に、人類の盾勲章(the Aegis of Humanity)を死後叙勲された。

付記 001: ██/█/█発付の追悼メッセージ

世界オカルト連合全加盟団体への即時発付

GOC最高司令部は本日、アラスカのダッチハーバーを拠点とする排撃班"オーシャンサンダー"が危険な脅威存在との交戦後、一人の生存者も無く壊滅した事実を把握した。排撃班"オーシャンサンダー"は重大な第二任務脅威の粛清を実行し、2体の脅威存在の内の片割れを破壊、その際にもう一方の脅威存在が彼らの搭乗する船に高速衝突した。評価班"スピンネーカー"による必死の救助活動も虚しく、排撃班"オーシャンサンダー"の全部隊員は海中から引き揚げられた時点で死亡していた。

我々は亡くなった友人や家族を悼み、思いを馳せる。彼らの犠牲を忘れてはならない。

署名
dcaf(1).png
事務総長D. C. al Fine
国際連合世界オカルト連合

外部記録ファイル:
アクセス LTE-0851-Cetus
アクセス LTE-1004-Caliburn-Velveteen
アクセス LTE-1998-Burnout-Blaecca-Parallax
アクセス LTE-2712-Bosch
アクセス LTE-7433-Goodrick-Kringle
アクセス LTE-8686-Yellow-Kewpie

国際ファイル:
アクセス LTE-2020-Goodrick
アクセス LTE-5230-Fiji-Sunset-Glory
アクセス LTE-1969-Blaecca-Ford-Osmanthus-Spiral
アクセス LTE-4444-Bosch-ExMachina-Goodrick-Spiral
アクセス LTE-8118-Moro
アクセス LTE-9202-Blue-Blackbuster

偽りの記載項目
後に存在しないことが確認されたデータベース上の記載。記録は文書保存目的の為だけに維持される。

非脅威
脅威と見なされなかった超常存在。記録は観察及び連絡の為に維持される。

外部記録ファイル:
アクセス NT-4041-Nimuedianetic-Karhu

要注意人物
超脅威との関与のために、GOCの関心を引く非超常的人物。

PHYSICS部門フィールドマニュアル
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Footnotes
. この人物は名も無きものと考えられる種に強く関連している。
. 訳注:原文:Component Baker フォネティックコードにおけるA(Able)、B(Baker)が元ネタと思われる
. 訳注:原文:myocetezoan 検索しても当記事関連のページしか出てこなかったため、mycetozoaの誤字と判断した。
. 訳注:対NBC戦を警戒し、ガスマスクのような装具が準備される。
. 訳注:原文:solid-state hard drive SSDとHDのハイブリッド記憶媒体であるSSHDの誤表記か?
. 訳注:原文:kilorhines 英語圏の単位かと思い色々検索したものの、それらしいページが出てこず。
. 訳注:有名な哲学的思考実験の一節であるIf a tree falls in a forest...の改変
. 役職の略称表記?分かる方訂正お願いします。
ページリビジョン: 36, 最終更新: 27 Apr 2023 18:33
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