NV1073PXはヴィンテージコンソールの名機Neve1073チャンネルストリップのマイクプリアンプ部分を再現したプリアンプ・キットです。
2024年12月22日日曜日
NV1073PX Preamp Kitが販売開始!
2022年1月10日月曜日
NV1073+ MicPreamp
Neve1073タイプの1chマイクプリアンプ/D.Iです。
一般的にNeveタイプのマイクプリアンプというと、有名メーカーの製品ではNeve1272をベースに製作されている場合が多いのですが、オリジナル回路の構成上高いレベルで信号が入ると歪みやすく、ピーキーなソースでは扱いづらいという難点があります。
しかしNV1073+ではNeve1073の回路をベースに、独自のゲイン定数と入力トリムのコントロールを追加。音色はVintage Neveそのままに、大きな入力信号やラインレベルでの入力にも耐えうる非常に使いやすいマイクプリアンプに仕上がっています。
またバランス入力とは別にJ-FETのディスクリートバッファを積んだD.I入力も備えていますので、ギターやベースのライン録音にも1台で対応できます。
電源レギュレータもトロイダルトランスからSBダイオードと高耐久電解コンデンサを組み合わせたオリジナル電源で、安定した+24Vと+48Vを生成し、ローノイズかつ太い音に貢献しています。
このような仕様は以前から1272のMODやFloatia Designsオリジナル製品として製作してきたものを踏襲したものですが、今回の+エディションでは心臓部であるBA283Pプリアンプボードの素子をより厳選してオリジナルの1073/1066に近いサウンドに仕上がっています。
出力トランスはLO1166の互換トランスVTB1148ですが、特殊なDCエージングを施すことで経年変化を経たヴィンテージトランスの状態を再現。特性補正のコンデンサもヴィンテージNOS品を採用。そして、トランスをドライブするパワートランジスタは希少なアルミ缶仕様のモトローラ2N3055(ヴィンテージ)を採用しています。
ヴィンテージサウンドとフレキシブルコントロールの両立した数少ないプリアンプです。
¥190,000 +tax で製作可能。
(削除) 限定生産で残り2台のみです。 (削除ここまで)最後の1台になりました。(納期3ヶ月)
EIA1U depth 250mm case
Input Trans : VTB9045 (Aged) or St.Ives L10468 (Option)
Output Trans : VTB1148 (Aged)
2019年3月26日火曜日
2018年9月14日金曜日
Neveのアウトプットトランス その2
2018年7月28日土曜日
Neveのアウトプットトランス その1
近年は神格化されすぎたせいか海外でも高騰&入手困難で、今となってはこういった綺麗なペアーを確保することは難しくなってきています。(売り物のストックはもうとっくの昔にありません)
2018年6月28日木曜日
Neve BA208 AmpCard
ストックパーツの類を整理していたら、Neve BA208が沢山出てきました。
これもオールドNeveのアンプカードの一種で、コンソール内のスイッチングユニットNeve1948のバッファー的に使われていたアンプです。比較的用途が近いのはBA283AMでしょうか。しかし、BA283とは回路が少し異なります。回路図を見てみましょう。
2018年2月10日土曜日
Neve1272を改良する(ラインレベルも受けられる!)
一般的にNeve1073,1066等の代用HAとして使われることが多いNeve1272 ですが、実は大きな問題点があります。実際に使ったことがある方は実感したことがあると思いますが、かなり入力が歪みやすいのです。特にマイク録音に関してはソースがピーキーになりやすいですし、マイク本体が真空管マイクなどになると大元の出力が大きめになりますので、余計に歪みやすくなります。しかも、オリジナルのラッキングものにはPADスイッチが付いていないことも多い…と実際エンジニアさんもお悩みの方が多いはず。今回は、そういった一連のウィークポイントを解決する改造を紹介したいと思います。
そもそも入力が歪みやすい原因を探ると 、1272の構造に問題がありました。元々ラインアンプではあるのですが、入力トランス(10648)を通過したあとにそのままアンプであるBA283 へ入力されるようになっています。BA283はご存知の通りシングルアンプで入力初段のエミッタ抵抗値でゲインを調整するようになっているうえ、更に既にトランスの昇圧で+6dbの利得がその前にあります。なのでこの時点で信号が大きくなりすぎます。Neveの動作電圧は+24Vですから元々ヘッドルームも狭いことも相まって、クリップし易かったのです。
つまりこれを改善するにはアンプの初段の手前で信号をある程度トリムする必要性があります。ここで入力を調整しつつ後ろのアンプである程度信号をゲインアップできれば、Neveの音色を活かした音作りも可能になりますね。そこでこのように配線をし直しましょう。
追加で必要な部品は5kAカーブのボリュームと240Ω、22Ωの抵抗、あとはトグルスイッチです。
(プッシュプルスイッチ付きボリュームでも可)
入力トランスの負荷抵抗は不要なので外してしまいましょう。
見ての通り、入力トランスの直後に5kAのボリュームで信号をトリムするようになっています。ここで信号を可変で絞ることにより、かなり大きな信号でも歪みづらくなり融通が効くようになります。またフロントアンプのゲイン調整用抵抗(240Ω)は固定にしていますが、ここをトグルスイッチで22Ωに切り替えることにより、ゲインが+18dbとなりますのでトータルゲインは今まで通りトランスの昇圧分を含めて60db近く稼ぐことができます。(リアアンプのゲインを調整する端子“K”はオープンでゲイン固定しています)入力インピーダンスは1.2kΩとなります。
増幅前の信号をボリュームに通して音質的にいいの?と思う人もいると思いますが、ひとまずお試しください。違和感はほぼないですし、しかもゲインがスムーズに可変できるようになった使いやすさのほうに感動すると思います。特に1つの入力でマイク/ラインレベル両方をこのまま受けることができますから、サミング・アンプとして使う場合は非常に便利です。オススメです。
いわゆる1272タイプのクローンはオリジナルの回路を踏襲しているため、このヘッドルームの狭さ・歪みやすさも継承してしまっているのですが、新しくNeveタイプのプリアンプを製作する場合はこちらの回路で作ったほうが良い結果が得られると思います。PADも不要ですしね。
2017年9月25日月曜日
Neve 1272 Racked by Brent Averill
2017年3月30日木曜日
2種類のBA283?
2016年7月26日火曜日
2N3055 PowerTransistor
メタルキャンパワートランジスタの代表格である2N3055です。
モトローラをはじめRCA、東芝製などもあり、主に電流増幅用に以前はよく使われました。メタルキャンという名の通り金属ケースに入ったTO-3という非常に古いパッケージです。最近はパワーアンプも電源もMOS-FETが主流になりつつあるのか、あまり使われないようですね。
モトローラの半導体部門が撤退したこともあり、一時期は新品が手に入らなかったのですが、後続のオン・セミコンダクター製やSTマイクロ製がセカンドソースとして製造しており、今では秋葉原でも安く手に入るようです。コンプリメンタリのMJ2955もオリジナルは入手困難な品種ですがこちらもセカンドソースは安価で入手できるようになりました。
ちなみに写真右側はアルミ蓋パッケージの3055で、初期のタイプです。
現行品の3055はキャンの材質が変わり、厚みもやや増しています。
NeveのBA283の最終段でもこのトランジスタが使われていますが、終段にこれを使うと独自の力強さというか音のパワー感があり、個人的にお気に入りのトランジスタのひとつです。
2016年4月14日木曜日
BA440とBA640
最近立て続けに??オールドNeveのノックダウンやラック化の依頼が続き、パワーサプライだけではなくNeve本体の修理や調整をしたりするのですがその一端の作業です。
こちらのBA440とBA640というのはNeveの出力アンプカードの一種です。
出力段ということでトランスのような負荷がぶら下がるので、当然電流増幅段が必要になってきます。見て分かる通り、出力段にはメタルカンTrのSEPPとなっています。ここがかなり発熱するので大きめの放熱器が付いています。
BA440とBA640は互換性があり、入れ替えたりすることも可能です。
この2つのアンプカードの違いですが、440のほうが先駆でフルディスクリート仕様です。構造自体はNeve特有のNPNトランジスタによるシングル増幅段+プッシュプル出力という古典的なものです。
それに対し、後期に作られた640は入力&増幅部分がIC、出力段はSEPPというハイブリッド仕様になっています。
この2つの違いというのはいわゆる良し悪しというものではなく、音色の違いという風に私は捉えています。フルディスクリートの440はオールドらしい中低域に色気があるのに対し、ハイブリッドの640は全体域に対してバランスが良くスピード感があるという印象です。
Neveのアンプカードというと以前紹介した283などもありますが、あちらが基板用ソケット接続に対し、こちらはオペアンプタイプのピン接続なので、このアンプだけ使って別の機材に作り変えることも可能です。出力トランスを付けるためのドライブアンプにしたりと…なかなか面白いですよ。
2015年8月11日火曜日
Neve BA283 AmpCard
リキャップ中のNeve BA283アンプカードです。
オールドのNeveサウンドの要となっているもののひとつで、Neve1073、1066、1272などポピュラーなNeveの心臓部はこのアンプカードが使われていました。
BA283上にはプリアンプとアウトプットアンプの2つが実装されており、これ1枚でディスクリートのアンプが作れるような構成になっているのが特徴です。
全段がNPNトランジスタによるA級シングルアンプ構成で、増幅素子には小信号用トランジスタBC184、アウトプットの最終段にはTO-3パッケージのパワートランジスタ・モトローラ製2N3055が入っています。これにより、負荷の重い大きなトランスも十分にドライブ可能となっています。(放熱のアルミ板ごとかなり熱くなります)出力段がトランスを介して直流を流すようになっているのも特徴で、大型の出力トランスLO1166のためにある出力アンプといってもいいかもしれません。
ゲインはそれぞれ20dbぐらい取ることができるので、これにマイク用トランスを足せばトータルで+60db程度のゲインを稼ぐことができ、マイクプリアンプとして使うことができます。このBA283に入力トランスと出力トランスを付けたのがまさにNeve1272です。Neve1073のイコライザー抜きバージョンとも一見言えそうですが、1073の場合は更に補助用のNeve284というアンプカードも併用して増幅しています。1073のプリアンプを再現するには増幅率などを調整する必要があります。
またBA283もいくつかバリーエーションがあります。
BA283AV : すべての部品を実装したフルバージョン
BA283NV : プリアンプ側のみ実装したバージョン
BA283AM : アウトプットアンプ側のみ実装したバージョン
このアンプカードは前述の通り、大きいトランスをドライブできるだけの力があるので、Marinair LO1166のような大型アウトプットトランスと相性が良く、このふたつが揃うと中低域に厚みのある、正にオールドNeveの音になります。代用品のCarnhilのトランスを使う場合はギャップ対応でプレートが1U対応サイズになったVTB1148を使うとよいでしょう。Marinairとはやや傾向が違うものの、オールドに近い音色を得ることができます。
回路図などは既に世間に出回っているので、いわゆるNeveのクローンを作っているメーカーもそっくりそのままこの回路を真似てはいるのですが、なぜか同じような音にならないのが不思議です。音質の要としてはヴィンテージのトランスがよく語られますが、オリジナルのBA283にはまず古いパッケージのトランジスタ、位相補償にポリスチレンコンデンサを使用、2N3055も初期のアルミパッケージを採用しています。このように、今では入手できない素子が多く使われていることも要因のひとつになっている気がします。
BA283は補修用も含めてまだ当方でもストックがありますが、数年後にはトランスと同様もうなかなか手に入らないものになっている可能性が高い気がしています。
・・・
気軽にNeveクローンが作れるようにBA283のクローン基板を作りました。
>> BA283Pと名付けました。単品でも販売しています。
2015年6月13日土曜日
Marinair&St.Ives T1444
オールドNeveのマイク用トランスです。
左が世に有名なMarinair(マリンエア)製、右がSt.Ives(セイントアイヴス)製です。
Neveの資料だとmodel 10468とかT1444と呼ばれているトランスで、2つとも同型のもの。