ジェンダー平等・リベラル・先進的といった印象の強いフランス。「フランスでは政治家のパリテ(男女同数)が進んでいる」といった言説を聞いたこともあるのではないだろうか。 政治分野のパリテは憲法改正をしてまで実現された政策であり、確かにフランスは一歩進んだ印象を受ける。しかし、大学入試における取組はまた違ったロジックが働いているようだ。 女子枠は憲法違反一つ分かりやすい例として、立法府での議論を確認しよう。フランス上院(元老院)で行われた公聴会においてSylvie Retailleau氏(元高等教育大臣、大学教授)は、STEM領域に女性が少ないことや、ジェンダーギャップの解消のため取り得る手段について議論しているが、それでも女子枠については憲法上の問題から試験的な導入すら困難であったと回答している。 ... Cette idée n'a pas abouti, car un problème d'i