ヤバい保険の経済学――〈選択問題〉で、なぜいつもコケてしまうのか? 作者:リラン・エイナヴ,エイミー・フィンケルスタイン,レイ・フィスマンみすず書房Amazonこの『ヤバい保険の経済学』は、特に保険でよくみられる「選択問題」、またこれが存在する「選択市場」の難しさを扱った一冊になる。選択問題って何?? 複数の選択肢から一個選ぶ系の問題? と思うかも知れないが、まったく違う。 「選択市場」とはどのようなものかといえば、条件は主に二つある。第一に、買い手は売り手の知らない自分についての情報を持っていること。二つ目は、買い手がどれほど良い顧客になるかに、この情報が影響を与えることだ。たとえば医療保険を売る側からしてみれば、「健康そのもので死ぬまで病気もしない顧客」を相手にしたい。しかし現実的にはそうではなく、健康に不安を抱える人間ほど、医療保険を求めるし、顧客の真の健康情報は(たとえば運動するか