(追記) (追記ここまで)
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倉下さんが、KDPで、そのものずばりのタイトルである「ブログを10年続けて、僕が考えたこと」という本を発売開始しております。
倉下さんからは、電子データでの献本もいただいたのですが、自費出版であるKDPで献本ってのは、なんだか収まりが悪いので、普通にアマゾンで購入させていただきました。
さて、なんだかもったいぶった感じで書き始めているのには、ひとつの理由がありまして、なんでも、この本私が書かせてしまったようなのです。
発端となったのは、以下の記事。
リンク: ブログ10周年、今から10年先に向けてブログを書くとはどういうことか?:[mi]みたいもん!.
この記事を受けて、倉下さんはこんなことを書いています。
リンク: R-style ✕ 『ブログを10年続けて、僕が考えたこと』を書きながら考えたこと.
[引用]もしブログというものが、私の人生にとって取るに足らないものならば、それでも構いません。他人の背中に隠れてヤジを送っていればいいのです。どちらにせよ、すべての出来事にコミットすることなど不可能なのですから。
しかし、実際は違います。自分にとって大切なことは、やっぱり自分の言葉で語っておきたい。矢面に立っておきたい。
なんというか、礼儀には礼儀で返すのが、少なくとも私の中ではルールです。ということで、ここまでが大前提です。
さて、倉下さんの「ブログを10年続けて、僕が考えたこと」は、私のブログ10周年、今から10年先に向けてブログを書くとはどういうことか?という記事と比較すると、構造的には真逆になっています。
私の記事が、個人的な体験からPublicの方向に話を広げていったのに対して、倉下ブログ10年本は、ブログのこの10年を振り返るというPublicな視点から、倉下忠憲という1人のブロガーの個人的な体験に収束していきます。
これは、ブログの1記事であり、どっかに石をぶんなげた私と、それを書籍という形で受け止めてくれた倉下さんというそもそものはじまりの違いから来ている部分はあるでしょう。
ただ、この10年のブログ界隈のことをまとめることについては、私は放棄してますので、この10年をまとめた倉下さんのアプローチには感服するばかりです。
じゃあ、ブログのこの10年というのはなんだったのかというと、ブログが個人のスタートアップツールとして機能していた10年だったのだと思います。
その章立てについては、倉下ブログ10年本のランディングページである以下のページでご確認ください。
リンク: ブログを10年続けて、僕が考えたこと | Official Website.
で、まずなにを言いたいのかというと、ここまでまとめてくれた人がいるのですから、これ以降のブログ論的なものは、この倉下ブログ10年本を読んでいることをベースとしたいということです。
そして、倉下ブログ10年本の新しいところは、ブログ論を書き出すとうっかり陥ってしまう自己言及の罠をするするとすりぬけながら、10年ほどブログを書いているブロガーに対して、古参ブログではなく、新古典派ブログという言葉を定義したところです。
つまり、古いスタイルを続けてはいるが、いまだに現役バリバリの実践派であるということです。
ここから書くことは、まさにおっさんうるせえと言われがちなことなんですが、というか10年以上ブログやってんだから私は立派なおっさんである、この10年でブログを取り巻くものは激変したのです。
え?ブログなにそれ?おいしいの?的なことを言われていることを感じ取りながらも、ブログをやめずに続けてきた人たちが、ひとつの固まりとしてネットに存在感を持ち続けた結果なのです。
もう2年ほど前の話になりますが、今は名前が(なぜか)変わってますが、ビデオブロガーとして名高いCaliLewisたんにお会いしたときに、ああーやっぱりそうなんだなあということがあったので、その時のことを書いておきます。
Caliたんを紹介してくれた人が、「この人は日本のブロガーです」と私を紹介してくれたのですが、それを聞くなりCaliたんは私に「ブログ、何年やってるの?」と質問しました。
私が「今年で9年」と答えると「Good」と言って、そこから先は写真と動画の話とか、使っている機材の話とか、いろんな話をして、私は私で「あなたのおかげで使っているものがある。いつも見ている」と感謝を伝えました。
そう!Caliたんにとってブロガーにまず聞きたいことは何年やってるのか?ということだったんですね。とにかく、いちばんに確認したいことはそれ。話はそれからだ!ということです。
ブログ論とか、ブログセミナー的なもので語られることが多いブログの成長。そういったところでは、ブログの成長について一応定義づけているように思えます。
私自身、セミナーなどでブログについて話すことはありますが、ブログというのは個人のメディアですから、人の数だけ成長もあります。だから、そういった場では、私はこうやってきたという話しかできないんですよね。
だって、ここのブログに正解なんては今はなくて、正解はブログを続けて結果的に見えてくるものでしかないからです。
10年続いたブロガーには、芸風としか呼べないようなものを持っているブログが多いです。これは以前倉下さんが書いてくれたものがあるので、それを引用しましょう。
リンク: R-style ✕ ブログと、その芸.
[引用]ネタフルは、「言わない力」が強いブログだと感じる。逆に、Lifehacking.jpは「言う力」が強いブログだ。対して、みたいもんは、「言わないで匂わせる力」があちらこちらに漂っている。
それぞれのブログが持っている力をよくもこの3行でまとめるもんだと思います。でも、これ相当正解に近いです。
ただ、このそれぞれの力というのは、なにもブログを書くことのみにかかっているわけではないということを、倉下ブログ10年本を読んでいるうちに気づきました。
じゃあ、その力はどこに向かっているものなのか?
それは、この記事のはじまりとなってしまっている私の記事の最後で、私が投げっぱなしジャーマンで放り投げた部分からひもといていけると思います。
リンク: ブログ10周年、今から10年先に向けてブログを書くとはどういうことか?:[mi]みたいもん!.
[引用]ネットの外を変えていくためにITはあり、ブログですらその本質から逃れることはできないのです。そして、だからブログは10年続き、さらに10年の世界に突入できるのです。
ブログを書く続けることで、身に付いてしまった力というのは、ブログの中にとどまらないからこそ価値を持つと私は思います。
では、さっきから力と言っているそれぞれのブログが持っている力というのは、ブログの外側に対しては、どういう形で力としてあらわれるのでしょう。
私はその力を「環境を引き寄せる力」としたいと思います。
わかりやすいので、倉下さんを含めた4人のブロガーをサンプルとします。
つまり、またかなり余計なことを言うんですが、ブロガーは読者の獲得で満足してはダメなんだということなんです。
読者の獲得、それもブログ単体での収益ばかり目指していると、自分の記事を現在の環境に合わせていってしまいます。iPhoneの記事を書くと、PV伸びるから書くというやつです。
聡明な方であれば、もうお気づきだと思いますが、これ本質的に後手後手になります。だから、自分で自分のネット上での席を作ることができないんです。席が見えた時には、もうそこには誰かが座っているというやつです。
さて、ブログブーム後のソーシャルメディアの広がりの中で、人の顔が見えるということの重要性については何度も繰り返しいろんな人が語ってきました。
それは、わかりやすい例でいえば、Youtubeでは、例えおっさんであっても、サムネに人の顔が表示されている動画の方が再生回数が増えることは、わりと知られている話で、おっさん顔出しの開祖であるジェットダイスケの手法は、もはやジャンル化しています。
蛇足ついでにかいておきますが、こういうことです。
最後の気持ちが悪いに行くまでに行間ありすぎるので、ちょっと書いておくと、記事の内容と顔(の強調)のバランスが取れていないということが、気持ち悪さにつながっているのだと思います。
気持ち悪いという表現については、今でもどうかと思うのですが、この視点はなかなか強力です。そして、ここで問題になっているのは、ブログを書いている人の顔です。
でも、ブログを取り巻くものとして、もうひとつもっと大事な顔があります。
それは、読者の顔です。そつなく、偏りもなく、だれでも喜びそうな記事を書いていても、読者の顔は見えてきません。
だれが読むかわからないけど、えいや!っと未来への投資として、ブログを書き続けるという先手を打たない限り、読書の顔は見えてきません。
そして、この顔が見えている読者を通じて、ブログは環境を引き寄せるのだと、私は思います。
最近で言うと、3Mのセミナーを通じて出会った女性が、先日すごい報告をしてくれました。
私がいつどこでそれを言ったのか、まったく記憶にないのですが、「いしたにさんが公開の場で情報出さないとダメだよと言ってたので、インスタグラムをはじめたら、えらいことになりました」って言うんです。
その女性は、本業の傍らBORONOTEというプロジェクトをやっていました。ボロ布・作業着・モンペのような古い布に新しい使い方を提案するものです。
それをインスタグラムで2ヶ月ほど前から公開し始めたところ、あれよあれよと話が転がりまくり、ついに香港でワークショップを開くまでになってしまいました。
彼女のインスタグラムには大きな特徴があります。
もちろん、いちばん写っているのは、BORONOTEをやっている彼女自身ですが、それ以外の写真の中に、実際にBORONOTEで作られたものを身に付けた人の写真がたくさんあるのです。
そう!これが読者の顔が見えているということです。
個人のスタートアップツールとしてのブログがその役割を、他のソーシャルメディアにある部分移管しました。
でも、送り手の顔を見せる・受け手の顔が見える。この基本的な形は、変わっていないと思います。
そして、双方の顔が見えたタイミングで、ぐぐっと環境はその双方に向かって変化していくのです。そして、その時はじめて、ネットから出たものが、ネットの外の世界を変えていくのです。
そして、私の場合、それが起きるのはブログを書いているときなんです。だから、10年やめなかったし、これからもやめずに続けていくのです。
前回、ブログの10年を考えたときには、ここまでたどりつけませんでした。この結論にたどりつけたのは、倉下ブログ10年本のおかげです。
ということで、お礼を述べて、この書評(なのか?)記事を終えたいと思います。倉下さん、ありがとうございました。
▼ブログを10年続けて、僕が考えたこと
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投稿:by いしたにまさき 2015 06 25 10:30 AM [ウェブログ・ココログ関連] | 固定リンク
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