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事業所・企業統計調査って何?
- 事業所・企業統計調査の目的
- 事業所・企業統計調査の対象
- 統計法に基づく調査
- どうしても答えなければいけないの?
- 調査関係者の守秘義務
- 事業所・企業統計調査の歩み
- 沿革
- 主な改正点
事業所・企業統計調査の目的
事業所・企業統計調査は、事業所及び企業の産業、従業者規模等の基本的構造を全国及び地域別に明らかにするとともに、各種標本調査実施のための母集団情報となる事業所及び企業の名簿を整備することを目的として行われる事業所及び企業についての国の最も基本的な統計調査です。
この調査は、昭和22年に開始され、23年以降は、56年までは3年ごとに行われてきましたが、その後、5年ごとに行われています。また、平成8年の調査以降、調査から3年目に当たる年には簡易な方法による調査を行っており、16年に行われた調査は、この簡易調査に当たります。
平成18年10月に実施した調査は、平成13年以来の大規模調査に当たります。
事業所・企業統計調査の対象
事業所・企業統計調査では、我が国の事業所のうち、農林漁業に属する個人経営の事業所、家事サービス業、外国公務に属する事業所を除く、すべての事業所が調査の対象となります。
ただし、簡易調査においては、民営の事業所のみが調査の対象となります。
ここでいう「事業所」とは、経済活動が行われている場所ごとの単位で、原則として次の条件を備えているものをいいます。
- 経済活動が単一の経営主体の下で一定の場所(一区画)を占めて行われていること
- 物の生産や販売、サービスの提供が、従業者と設備を有して、継続的に行われていること
例えば、商店、工場、事務所、営業所、銀行、学校、神社・寺院、病院、旅館、学習塾、個人教授所(生け花、茶道など)など、一区画を占めて事業を行っているその場所が事業所です。しかし、個人で自家営業している大工、左官や個人タクシーの運転手などのように、事業を行う場所が一定していないような場合には、その人の自宅を事業所とみなします。
また、露店、行商、屋台、立売などのように固定的な設備がない場合は、営業場所が定まっているか否かにかかわらず、商品の販売活動などを行うための拠点となっている場所(事務所、自宅など)を事業所とみなします。
なお、当該事業所に所属する従業者が1人もおらず、他の会社など別経営の事業所から派遣されている人のみで事業活動が行われている場合も、調査の対象となります。
統計法に基づく調査
事業所・企業統計調査は、戦後の復興を大きな目的として行われた昭和22年の第1回調査の実施に際し、昭和22年5月、統計委員会から統計法に基づく指定統計として、第2号の指定を受けました。
どうしても答えなければいけないの?
統計調査を実施し、正しい統計を得るためには、正確に回答してもらうことが必要となります。
もし、回答が得られなかったり、回答内容が不正確・不完全だったりすると、調査の目的である統計が作成できなかったり、精度の低い統計となってしまうおそれがあります。
そこで、統計法第5条では、指定統計調査について、調査の対象である「人又は法人に対して申告を命ずることができる。」と規定しています。
また、同法第19条では、「申告をせず、又は虚偽の申告をした者」、「申告を妨げた者」に対して、「6箇月以下の懲役若しくは禁錮又は10万円以下の罰金に処する。」と、罰則について規定しています。
調査関係者の守秘義務
指定統計調査の対象である人や法人は、調査に回答する義務がありますが、一方で安心して調査に協力できるよう、調査員を始めとする調査関係者に対しては、調査内容について、その秘密を保護することが規定されています。
統計法第14条では、「指定統計調査の結果知られた人、法人又はその他の団体の秘密に属する事項については、その秘密は、保護されなければならない。」ことが規定されています。
また、同法第15条では、「調査票を、統計上の目的以外に使用してはならない。」ことが、また、同法第15条の3では、「集められた調査票を適正に管理するために必要な措置を講じなければならない。」ことが、それぞれ規定されています。
そして、同法第19条の2では、統計調査員を始めとする調査関係者に対し、「その職務執行に関して知り得た人、法人又はその他の団体の秘密に属する事項を、他に漏らし、又は窃用したとき」は、「1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」ことを規定しています。
事業所・企業統計調査の歩み
沿革
事業所統計調査(事業所・企業統計調査の前調査名)は、昭和22年10月に第1回調査が行われました。この年は、第2次世界大戦中から続いていたインフレが、終戦を景気として最高潮に達し、物不足、仕事不足で混乱していました。第1回の調査は、連合国総司令部(GHQ)の指令に基づき、戦争により疲弊しきった産業を復興させるため、産業の実態や事業活動の状態などを明らかにすることを目的として行われました。
第2回の調査は、翌23年に「事業所賃金調査」として実施されましたが、これは事業所の実態を明らかにするというよりも、むしろ賃金に関する実態を調査することが目的でした。
第3回の調査は、昭和26年に実施されました。前年に勃発した朝鮮戦争に端を発した特需景気などで、我が国の経済がようやく立ち直り始めたころです。第1回調査とほぼ同様、事業所に関する基本的な事項を中心に調査が行われ、現在まで引き継がれています。
以後、調査は昭和56年まで3年ごとに実施され、その後、5年ごとに行われてきました。また、平成8年の調査以降、調査から3年目に当たる年には簡易な方法による調査を行っています。
なお、平成3年調査までは、事業所に関する基本的な事項が主要な内容でしたが、平成8年の調査からは、企業の国内外における活動の多角化に対応するため、企業に係る調査項目を充実して、調査の名称も事業所統計調査から事業所・企業統計調査へと改めました。
主な改正点
≪第4回調査(昭和29年)≫
個人サービス業を対象とした調査が「乙調査」として開始され、一部の事業所について給与支給額と事業収入が調査されました。
≪第6回調査(昭和35年)≫
会社について、有形固定資産を調査項目に加えました(第8回調査まで)。
≪第10回調査(昭和47年)≫
国や地方公共団体の非現業部門である「公務」が調査対象に加えられました。
≪第13回調査(昭和56年)≫
調査結果の早期利用を図るため、集計を中央で行う方式から地方で行う地方分査方式に変更し、各都道府県で調査票の内容を収録した磁気テープを作成して、統計局に集め、最終的な集計を行いました。
≪第14回調査(昭和61年)≫
前回までは、3年周期で調査が実施されてきましたが、この回から、5年周期の調査となりました。また、個人サービス業を対象とした「乙調査」は、この回をもって廃止され、代わって、サービス業事業所を対象とした「サービス業基本調査」が平成元年に開始されました。
≪第15回調査(平成3年)≫
商業統計調査と同一年の実施となり、記入者の記入負担等を軽減するために調査対象の重複を排除して、商業事業所用の調査票と商業以外の事業所用の調査票を配り分けることにより、同時に実施しました。
≪第16回調査(平成8年)≫
企業の国内外における活動の多角化に対応するため、「外国資本比率」や「関連会社の有無」といった調査項目を加え、企業に係る調査項目を充実して、調査の名称も事業所統計調査から事業所・企業統計調査と改めました。
≪第17回調査(平成11年)(簡易調査)≫
平成8年の調査以降、5年ごとの調査の中間年(3年目)に簡易な調査を実施することとし、初めての簡易調査として実施しました。なお、簡易調査は、民営の事業所のみを対象としています。また、平成3年調査と同様、商業統計調査と同一年の実施となったことから、商業統計調査と合わせて、二つの調査を一元化した一枚の調査票で同時に実施しました。
≪第18回調査(平成13年)≫
企業活動の多角化、企業再編の活発化等を踏まえ、我が国における企業グループの構造、企業の合併・分割の状況等の実態把握に資するため、従来の企業関連の調査事項のほかに「登記上の会社成立の年月」、「親会社の名称・所在地」、「関係会社(出資元)の有無」及び「平成8年10月2日以降の会社の合併・分割等の状況」の調査事項を追加するとともに、さらに、企業活動における情報化の進展等を踏まえ、電子商取引の実態をとらえるため、「電子商取引の状況」の調査事項を追加しました。
≪第19回調査(平成16年)(簡易調査)≫
平成11年調査の実績を踏まえ、更なる記入者の記入負担等を軽減することを目的として、商業統計調査のほかサービス業基本調査も加えて、三つの調査を一元化した1枚の調査票によって同時に実施しました。
≪第20回調査(平成18年)≫
今回調査では、会社法の施行に伴い、経営組織区分の有限会社を削除し、合同会社を追加。企業の親会社・子会社の判定基準を出資比率から議決権所有割合に変更するとともに、子会社の範囲に「みなし子会社」を追加。また調査事項を「子会社の有無」から「子会社数」に変更する等企業関連項目の充実を一層図った調査を実施しました。