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  8. 令和7年度 今冬の急性呼吸器感染症(ARI)総合対策

令和7年度 今冬の急性呼吸器感染症(ARI)総合対策

インフルエンザや新型コロナウイルス感染症をはじめとする、今冬の急性呼吸器感染症(以下「ARI」という。)の流行に備え、「令和7年度ARI総合対策」を取りまとめ、国や地方自治体がARI対策に取り組むとともに、広く国民の皆様にARIに関する情報を提供し、適切な対応を呼びかけることといたしました。
国民の皆様におかれましては、以下を参考にして、ご家庭や職場などにおいて、適切に対応していただくようお願いいたします。

感染防止について

1.基本的な感染対策

インフルエンザをはじめとする急性呼吸器感染症の予防には、「手洗い」「マスクの着用を含む咳(せき)エチケット」などが有効です。
急性呼吸器感染症の中には、高齢者や基礎疾患のある方が感染すると、重症化する可能性があるものもあります。高齢者や基礎疾患のある方と会ったり、通院したり、大人数で集まったりするときは、マスクの着用を含めた感染症対策へのご協力をお願いします。

<マスクの着用が効果的な場面>

  • 重症化リスクの高い方への感染を防ぐため、医療機関を受診し薬局を訪問する時や、重症化リスクの高い方が多く生活・入院する社会福祉施設等(高齢者、児童、障害者等が集団で生活又は利用する社会福祉施設、介護老人保健施設等をいう。以下同じ。)や医療機関などへ訪問する時等は、マスクの着用を推奨します。
  • そのほか、重症化リスクの高い方が急性呼吸器感染症の流行期に混雑した場所に行く時は、感染から自身を守るための対策としてマスクの着用が効果的です。

<社会福祉施設等や医療機関等における対応>

  • 重症化リスクの高い方が多く生活・入院する社会福祉施設等や医療機関で従事する方には、勤務中のマスクの着用を推奨しています。
[留意事項]
  • 子どものマスクの着用については、すこやかな発育・発達の妨げとならないよう配慮することが重要です。
  • 乳幼児については、2歳未満では、息苦しさや体調不良を訴えることや、自分で外すことが困難であることから、窒息や熱中症のリスクが高まるため、着用は奨められていません。
  • なお、感染が大きく拡大している場合には、一時的に場面に応じた適切なマスクの着用を広く呼びかけるなど、より強い感染対策を求めることがあり得ます。ただし、そのような場合においても、子どものマスク着用については、健康面などへの影響も懸念されており、引き続き、保護者や周りの大人が個々の子どもの体調に十分注意をお願いします。
  • マスクの着用は個人の判断に委ねられるものではありますが、事業者が感染対策上又は事業上の理由等により、利用者又は従業員にマスクの着用を求めることは許容されます。ただし、障害特性等により、マスク等の着用が困難な場合には、個別の事情に鑑み、差別等が生じないよう十分配慮をお願いします。

<症状がある場合>


咳や痰などの症状がある場合は、他の人への感染を防ぐため、「マスクの着用を含む咳エチケット」を心がけることが重要です。
  • 咳・くしゃみが出る時は、他の人にうつさないためにマスクを着用しましょう。マスクを持っていない場合は、ティッシュや腕の内側などで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけて1m以上離れましょう。
  • 鼻水・痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨て、 手のひらで咳やくしゃみを受け止めた時はすぐに手を洗いましょう。
  • 咳をしている人にマスクの着用をお願いしましょう。

(注記) 咳エチケット用のマスクは、薬局やコンビニエンスストア等で市販されている不織布(ふしょくふ)製マスクの使用が推奨されます。
(注記) マスクの装着は説明書をよく読んで、正しく着用しましょう。
(注記) 咳エチケットを心がけることは、周囲にウイルスをまき散らさない効果があるだけでなく、周りの人を不快にさせないためのマナーにもなります。

▼「咳エチケット」については以下のページもご参照ください。
咳エチケット|厚生労働省

2.予防接種

急性呼吸器感染症のうち定期接種の対象となっている疾病は、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、百日咳、肺炎球菌感染症などです。一方で、RSウイルス感染症など、任意接種として予防接種を行うことができる疾病もあります。
定期接種の対象となる疾病のうち、インフルエンザ及び新型コロナウイルス感染症の予防接種には、発症をある程度抑える効果や、重症化を予防する効果があり、特に高齢者や基礎疾患のある方など、罹患すると重症化する可能性が高い方には効果が高いと考えられます。
両ワクチンの定期接種の対象となる方は以下の通りです。

  1. 65歳以上の方
  2. 60〜64歳で心臓、腎臓若しくは呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方

定期の予防接種として、毎年秋冬に1回行うこととしています。
なお、インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンは同日に接種することが可能です。

令和7年10月現在、インフルエンザワクチンについては、皮下投与の不活化ワクチン(インフルエンザHAワクチン)と経鼻投与の弱毒生ワクチン(経鼻弱毒生ワクチン)が国内で流通しています。インフルエンザHAワクチンは生後6ヶ月以上の者、経鼻弱毒生ワクチンは2歳以上19歳未満の者が対象となっています。
13歳以上の者に係るインフルエンザHAワクチンについては、いずれの製造販売業者の製品においても、用法・用量は「13歳以上のものについては、0.5mLを皮下に、1回又はおよそ1〜4週間の間隔をおいて2回注射する。」とされていますが、健康な成人の方や基礎疾患(慢性疾患)のある方を対象に行われた研究から、インフルエンザHAワクチン0.5mLの1回接種で、2回接種と同等の抗体価の上昇が得られるとの報告があります。なお、世界保健機関では、季節性インフルエンザワクチン(不活化ワクチンに限る。)の用法について、9歳以上の小児及び健康成人に対しては「1回注射」が適切である旨の見解が示されており、季節性インフルエンザワクチンの定期の予防接種は1回接種としています。ただし、医学的な理由により、医師が2回接種を必要と判断した場合は、その限りではありません。

▼ 予防接種・ワクチンについての詳細は、下記ページをご参照ください。
インフルエンザワクチン(季節性)

令和7年10月現在、新型コロナワクチンについては、mRNAワクチン、mRNA(レプリコン)ワクチン、組換えタンパクワクチンが国内で流通しています。新型コロナワクチンの対象者や製品の詳細は製造販売業者の情報をご確認ください。

▼ 予防接種・ワクチンについての詳細は、下記ページをご参照ください。
新型コロナワクチン

3.施設等における感染防止対策の推進

急性呼吸器感染症は、学校、社会福祉施設等、医療機関等(以下「施設等」という。)において、大規模な集団感染を起こすことがあります。特に、重症化リスクの高い方が多く利用する社会福祉施設等や医療機関においては、まずは、施設等内に病原体が持ち込まれないようにすることが重要です。
厚生労働省は、病原体の施設等への侵入の阻止と、侵入した場合のまん延防止を目的とした標準的な手引書「急性呼吸器感染症(ARI)に関する施設内感染予防の手引」を作成しています。
なお、重症化リスクの高い方が多く利用する社会福祉施設等や医療機関において感染症が複数発生し、その必要がある場合には、都道府県等(都道府県並びに保健所を設置する市及び特別区をいう。以下同じ。)は、当該施設等の協力を得て調査を実施し、感染拡大の経路、感染拡大の原因の特定などを行うことにより、今後の施設内感染の再発防止に役立てることが重要です。厚生労働省は、都道府県等から調査の実施に当たって協力要請があった場合には、積極的に対応します。

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情報提供について

1.流行状況

厚生労働省HPの「令和7年度ARI総合対策」ページにおいて、ARIの発生状況等(発生動向情報など)を更新し、公表しています。流行状況を踏まえた対策の実施にお役立てください。

(1) 厚生労働省からの毎週の報道発表

以下の情報について、毎週、報道発表します。

【急性呼吸器感染症定点報告情報】


各都道府県が選定した全国約3,000か所の急性呼吸器感染症定点医療機関から報告される急性呼吸器感染症・インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症の発生状況について、情報収集を行うとともに、集められた情報を分析し、公表しています。このほか、インフルエンザ様疾患発生報告(学校欠席者数)、インフルエンザ及び新型コロナウイルス感染症の入院患者の概況も公表しています。

(注記)インフルエンザ様疾患発生報告(学校欠席者数):全国の保育所、幼稚園、小学校、中学校及び高等学校においてインフルエンザ様疾患による休校、学年閉鎖又は学級閉鎖があった場合に、その施設数を計上するとともに、当該措置を取る直前の学校、学年、学級における在籍者数、患者数及び欠席者数を計上するもの

(注記)インフルエンザ及び新型コロナウイルス感染症の入院患者の概況:各都道府県が選定した全国約500か所の基幹定点医療機関から報告されるインフルエンザの入院患者の概況

(2) その他の関連情報提供

その他、厚生労働省ホームページや国立健康危機管理研究機構(以下「JIHS」という。)のホームページにおいて、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症のほか、急性呼吸器感染症に含まれる感染症に係る基本的な情報や発生状況の情報を分析し、公表しています。
それぞれのリンクについては本総合対策の末尾に記載していますのでご参照ください。

2.ワクチン・診断キット・治療薬等の確保の状況

急性呼吸器感染症のうち、特にインフルエンザ及び新型コロナウイルス感染症については、急性呼吸器感染症に関する特定感染症予防指針(令和7年厚生労働省告示第296号)にも各論として記載されているとおり、インフルエンザは乳幼児・高齢者が罹患した場合は重症化・合併症が問題になり、個別予防接種推進指針の対象であること、新型コロナウイルス感染症については5類感染症に位置づけられてから間もなく、乳幼児・高齢者のほか、一定の基礎疾患を有する方に重症化リスクがあることなどを踏まえ、ここでは特にインフルエンザと新型コロナウイルス感染症のワクチン・抗原検出キット・治療薬に関する情報を記載しています。
なお、その他の感染症も含む、医療用医薬品の供給状況については、以下のウェブサイトにて随時公表しております。

急性呼吸器感染症に関する特定感染症予防指針[268KB]

医療用医薬品供給状況報告

(1)ワクチン

  • インフルエンザワクチン

    今シーズンの供給予定量(令和7年8月現在)は、インフルエンザHAワクチン(0.5 mL/回換算)及び経鼻弱毒生ワクチン(0.2 mL/回換算)で約5,293万回分と、近年の平均使用量を超える供給量となる見込みです。
  • 新型コロナワクチン

    今シーズンの供給予定量(令和7年8月現在)は、約909万回分と、昨シーズンの使用量を超える供給量となる見込みです。

(2)抗原検出キット

  • インフルエンザ抗原検査キット(迅速タイプ)

    今シーズン(2025年10月〜2026年3月)の医療用医薬品としての供給予定量(2025年9月上旬現在)は約6,169万回分です。昨シーズン(2024年9月〜2025年3月)の供給量は約3,764万回分でした。

    新型コロナウイルス抗原検査キット(簡易検査キット)

    今シーズン(2025年10月〜2026年3月)の医療用医薬品としての供給予定量(2025年9月上旬現在)は約3,279万回分です。昨シーズン(2024年9月〜2025年3月)の供給量は約2,969万回分でした。

(3)治療薬

抗インフルエンザウイルス薬

今シーズン(2025年10月〜2026年3月)の供給予定量(2025年8月末日現在)は約3,689万人分で、それぞれについては以下のとおりです。
昨シーズン(2024年10月〜2025年3月)の供給量は約1,267万人分でした。
商品名(一般名) 確保状況
タミフル(一般名:オセルタミビルリン酸塩 中外製薬) 約550万人分
リレンザ(一般名:ザナミビル水和物 グラクソ・スミスクライン) 約127万人分
ラピアクタ(一般名:ペラミビル水和物 塩野義製薬) 約43万人分
イナビル(一般名:ラニナミビルオクタン酸エステル水和物 第一三共) 約1,041万人分
ゾフルーザ(一般名:バロキサビル マルボキシル 塩野義製薬) 約1,150万人分
オセルタミビル「サワイ」(一般名:オセルタミビルリン酸塩 沢井製薬) 約717万人分
オセルタミビル「トーワ」(一般名:オセルタミビルリン酸塩 東和薬品) 約62万人分


新型コロナウイルスの抗ウイルス薬

今シーズン(2025年10月〜2026年3月)の供給予定量(2025年10月現在)は約478万人分で、それぞれについては以下のとおりです。
商品名(一般名) 確保状況
ベクルリー(一般名:レムデシビル ギリアド・サイエンシズ) 約7万人分
ラゲブリオ(一般名:モルヌピラビル MSD) 約155万人分
パキロビッド(一般名:ニルマトレルビル・リトナビル ファイザー) 約27万人分
ゾコーバ(一般名:エンシトレルビル フマル酸 塩野義製薬) 約289万人分

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予防・啓発の取組

1.専用ホームページ「令和7年度ARI総合対策」を開設

厚生労働省のホームページに、ARIに関する情報等を掲載した専用のページ「令和7年度ARI総合対策」を開設します。

ARI(総合ページ)

2.啓発ツールを周知

厚生労働省は、「令和7年度ARI総合対策」ページにARIに関する啓発ツールを作成し、電子媒体形式(PDFファイル)で掲載・提供しています。
都道府県、医療機関、学校、職場等におかれましても、適宜ダウンロードしてご活用いただき、ARI予防啓発の呼びかけにご協力をお願いいたします。
インフルエンザ 啓発ツール
(注記)今年度は新規にポスター作成を行いません。平成29年度のポスターをご活用ください。
結核・呼吸器感染症 啓発ツール [126KB]
結核・呼吸器感染症 啓発ツール2[226KB]
百日咳 啓発ツール[647KB]
RSウイルス感染症 啓発ツール [894KB]

3.令和7年度ARI総合対策に関するQ&Aを周知

厚生労働省は、ARI対策に関連するQ&Aをまとめ、「令和7年度ARI総合対策」ページで公表いたしました。

令和7年度 ARI総合対策に関するQ&A

4.相談窓口の設置

厚生労働省は、ARIをはじめとした感染症の一般的予防方法、流行状況や予防接種の意義、有効性、副反応等に関する国民の皆様の疑問に的確に対応するため、「感染症・予防接種相談窓口」を開設しています。具体的な対応は以下のとおりです。
<感染症・予防接種相談窓口>

電話番号:0120-995-956(午前9時〜午後5時 (注記)土日祝日、年末年始を除く)
(注記) 行政に関する御意見・御質問は受け付けておりません。
(注記) 本相談窓口は、厚生労働省が業務委託している外部の民間会社により運営されています。
(注記) オペレーターへの暴言、性的発言、セクハラ等の入電はご遠慮ください。他の入電者様の対応に支障が生じております。

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感染症関連情報一覧

感染症発生動向に関する情報


くろまる感染症発生動向調査週報(IDWR)(JIHS)
感染症発生動向調査週報

くろまる過去10年間との比較グラフ(JIHS)
インフルエンザ
新型コロナウイルス感染症
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
百日咳(2017年52週まで)
RSウイルス感染症
咽頭結膜熱
ヘルパンギーナ
マイコプラズマ肺炎
クラミジア肺炎(オウム病を除く)

各感染症に関する情報

くろまるARI
急性呼吸器感染症(ARI)
急性呼吸器感染症サーベイランス週報(JIHS)

くろまるインフルエンザ
インフルエンザ(総合ページ)
インフルエンザ(JIHS)
・インフルエンザに関する各シーズンのまとめ(JIHS)
インフルエンザ 2023/24シーズン
今冬のインフルエンザについて(2022/23シーズン)
今冬のインフルエンザについて(2021/22シーズン)
今冬のインフルエンザについて(2020/21シーズン)
今冬のインフルエンザについて(2019/20シーズン)
今冬のインフルエンザについて(2018/19シーズン)
今冬のインフルエンザについて(2017/18シーズン)

くろまる新型コロナウイルス感染症
新型コロナウイルス感染症
新型コロナウイルス感染症(JIHS)

くろまるA群溶血性レンサ球菌咽頭炎
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(JIHS)

くろまる百日咳
百日咳
百日咳(JIHS)

くろまるRSウイルス感染症
RSウイルス感染症
RSウイルス感染症(JIHS)

くろまる咽頭結膜熱
咽頭結膜熱
咽頭結膜熱(JIHS)

くろまるヘルパンギーナ
ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナ(JIHS)

くろまるマイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎(JIHS)

くろまるクラミジア肺炎(オウム病を除く)
クラミジア肺炎(オウム病を除く)(JIHS)

くろまるオウム病
オウム病
オウム病(JIHS)

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