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タールア駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タールア駅
ท่าเรือ
Tha Rua
バーンプルックラット (3.57 km)
(6.05 km) バーンモー
地図
所在地 タイ王国の旗 タイ王国
アユタヤ県 タールア郡
駅番号 1039
所属事業者 タイ国有鉄道
等級 一等駅
所属路線 北本線
キロ程 102.73 km(クルンテープ駅起点)
電報略号 ทร.
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
開業年月日 1901年 4月1日
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タールア駅(タールアえき、タイ語:สถานีรถไฟท่าเรือ)は、タイ王国 中部 アユタヤ県 タールア郡にある、タイ国有鉄道 北本線である。

概要

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タールア駅はタイ王国 中部 アユタヤ県の、人口約5万人が暮らすタールア郡にある。タールアとは、タイ語で港を意味する。内陸部で「港」とは奇妙だが、パーサック川が当駅を包む様に「J」字形に流れており、水運しか輸送手段のなかった時代では重要な位置づけであった。クルンテープ駅(バンコク)からは102.73km地点に位置し、快速列車利用で2時間15程度である。町の中心部に位置するため、利便性が良いが小さな町である。駅の正面側(西側)が、市街地である。

一等駅であるが、特急急行は停車せず、1日当たり26列車(13往復)の発着があり、その内訳は快速4往復、普通9往復である。当駅を含むバーンパーチー分岐駅からロッブリー駅 までは、複線 区間である[1]

当駅で特筆すべきは、かつて当駅よりサラブリー県クンコローン町(当時)まで民営鉄道であるプラバート軌道が伸びていた点が挙げられる(後述)。

プラバート軌道

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プラバート軌道[2] ((泰)รถรางพระพุทธบาท ททุนจํากัด (英)Phra Phutthabat tram Co.,ltd [3] ) は、当駅よりサラブリー県プラプットバート区(当時)[注釈 1] クンコローン町((泰)ขุนโขลน、(英)Khun Khlon)までを結ぶ全長19 kmの軽便鉄道である[4] 。タイでは数少ない民営鉄道であり、その軌間は600 mmとされるが、写真の分析により約750 mmとする見解もある[3] [5] 1901年に免許が交付され、1903年に完成した。その後タールア鉄道に継承され1942年に廃止された[6] [注釈 2]

歴史

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1897年 3月26日にタイ官営鉄道最初の区間が、クルンテープ駅 - アユタヤ駅間に開業した[7] 1900年 12月21日に当初計画のナコンラチャシーマ駅まで完成した。この頃北本線チエンマイ延長が決定し、1901年 4月1日ロッブリー駅まで完成、それに伴い当駅も中間駅として開業した[8] 。なお、当駅開業の約21年後の1922年 1月1日に、北本線はチエンマイ駅まで全通完成した[9]

タイ国有鉄道 北本線
1897年3月26日 【開業】クルンテープ駅 - アユタヤ駅 (71.08 km)
1897年 5月1日 【開業】アユタヤ駅 - バーンパーチー駅 (18.87 km)
1901年4月1日 【開業】バーンパーチー駅 - ロッブリー駅 (42.86 km)
プラバート軌道
1903年 【開業】タールア駅 - プラプッタバート駅 (19 km)
1929年 【運休】(免許失効のため)[3]
1931年 3月31日【再開】タールア鉄道として運行再開[3]
1940年 6月24日 (パホンヨーティン通りサラブリー - ロッブリー間が延伸開業。以降、輸送量が激減)
1942年 【廃止】タールア駅 - プラプッタバート駅 (19 km)

駅構造

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単式及び島式1面の複合型ホーム2面2線をもつ地上駅であり、駅舎はホームに面している。

  • プラバート軌道の駅は国鉄駅の東側にあったとされている。

周辺

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  • ボーソック駅遺構 - 駅より約10 km、バーンポー郡タムボン・サンソック庁舎の敷地内。確認されている建物としては唯一の、現存するプラバート軌道遺構(2021年現在)であるが、どのような目的の構造物であるかは不明。
  • ワット・プラプッタバート - 駅の北北東、約19 kmにある仏足跡で有名な寺院。プラバート軌道は国道3022号線沿いにこの付近まで伸びていた。サラブリー県の県章にも描かれている。なお現在の最寄り駅としては当駅よりもノーンドーン駅が近い。

注釈

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  1. ^ 当時の日本語地図(帝国陸軍地図、外部リンク節を参照)における表記に倣い「プラプットバート」とした。現代的な呼称であればプラプッタバート郡となる。ただし、2021年現在におけるクンコローンはプラプッタバート市 (タイ語版)に属する。なお『プッタバート』とは『仏陀の足跡』の意味である。
  2. ^ タイの鉄道リスト(英語版)によれば、Phra Phutthabat Railwayは1902年開通、1947年廃止になっている。同年に鉄道用地が道路局に売却された記録に基づくとみられるが、詳細不明。

脚注

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  1. ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.295
  2. ^ 『王国の鉄路』による日本語表記に基づく。開業時の現地法人名を日本語に訳せば『プラプッタバート路面軌道株式会社』
  3. ^ a b c d สุนันทา เจริญปัญญายิ่ง. "ทางรถไฟสายท่าเรือ–พระพุทธบาท" (タイ語). สถาบันการขนส่ง จุฬาลงกรณ์มหาวิทยาลัย. チュラーロンコーン大学. 2018年11月3日閲覧。Archived 17-07-2019 at the Wayback Machine.
  4. ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.47
  5. ^ 『The Railways of Thailand』 p.183 White Lotus
  6. ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.163
  7. ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.25
  8. ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.26
  9. ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.25 - p.28

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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北本線 (三等駅以上を記載、太字は一等駅)
本線

フアランポーン - サムセン - クルンテープ・アピワット中央・バーンスー(分岐) - バーンケン - ラックシー - ドンムアン - ランシット - チアンラック - チアンラックノーイ - クローンプッサー - バーンパイン - バーンポー - アユタヤ - バーンマー - マップラーチャン - プラケーオ - バーンパーチー - ノーンウィワット - タールア - バーンモー - ノーンドーン - バーンクラップ - バーンパーワーイ - ロッブリー - ターケー - コッククラーティアム - ノーンタオ - ノーンサイカーオ - バーンミー - ホァイケーオ - チャンセン - チョンケー - ポーントン - バーンタークリー - ドンマク - フアワーイ - ノーンポー - フワギュ - ノーンマコック - カーオトーン - ナコーンサワン - パークナムポー - ブンボーラプート - タップクリット - クローンプラーコット - チュムセーン - ワンクラン - バーンムーンナーク - ホークライ - ドンタコップ - タパーンヒン - フアイケット - フアドーン - ワーンクロット - ピチット - ターロー - バーンクラトゥム - メーティアップ - バーンマイ - ブンプラ - ピッサヌローク - バーンテンナーム - バーントゥーム - クウェーノイ - プロムピラーン - ノーントム - バーンブン - バーンコーン - ピチャイ - ライオイ - バーンダーラー - ターサック - トローン - ワーンカピー - ウッタラディット - シラアット - バーンダン - パントンプン - ホァイライ - デンチャイ - パクパン - ケーンルアン - バーンピン - パーカーン - パンプアイ - メーチャーン - メーモ - サラパーラット - メーター - ノーンウォアターオ - ナコーンラムパーン - ハンチャット - パンムアン - メータンノーイ - クンターン - ターチョンプー - サラメーター - ノンロム - ラムプーン - パーサオ - サーラピー - チエンマイ

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