2022年08月03日
動物福祉教育普及委員会
こんにちは!動物福祉教育普及委員会から投稿です!東武動物公園では、飼育係が動物福祉について理解し動物園全体で動物福祉の向上を目指し取り組んでいます。
今回は2021年9月に実施した 第2回 動物福祉ワークショップ についてお伝えしていきます!前回の第1回ワークショップでは動物や獣舎の福祉状態を客観的に評価すること目的に行いました。今回はより実践的な内容で行うため、1.動物福祉に関する取り組み方の一連の流れであるスパイダーモデル(メソッド)に沿って計画を立て、実行し結果を評価する2.エンリッチメントアイテムの導入をテーマとし、遊具またはフィーダー(物の中に餌などを入れ採食時間を延ばすもの)を作製3.新人飼育係の道具の使用機会にする4.動物の行動観察方法の認識を統一する 目的で行いました。
スパイダーモデルとは...Setting goal(目標設定)、Planning(計画)、Implementing(実施)、Documenting(記録)、Evaluating(評価)、Readjusting(再調整)の各単語の頭文字をとった(SPIDER)もので、実施したまま終わりにしてしまうのではなく、結果について評価を行い改善案を考え、再挑戦していく終わりのないサイクルとなります。
実際の内容は
1委員会が選定した動物種のグループに分かれる
今回の動物種はAシシオザル、Bアフリカタテガミヤマアラシ、Cヤギ、Dアカカンガ
ルー、Eキリン、Fミナミシロサイ
2振り分けられた各グループで、何も行っていない状態で事前に対象動物の行動観察を
行い、福祉状態を評価する
3各グループでディスカッションし、評価内容から問題点を抽出・改善するための
エンリッチメントアイテム(遊具またはフィーダー)を考える
4エンリッチメントアイテム作製
5エンリッチメントアイテム導入
再度動物の行動観察を行い、結果を記録し福祉状態を評価する
6各グループでディスカッションし、結果をまとめ後日動物園飼育係研究会にて発表
各グループで実際に作製したエンリッチメントアイテムがこちらです。
Aシシオザル:ヤシの実フィーダー
Bアフリカタテガミヤマアラシ:木の枝フィーダー兼隠れ場所
Cヤギ:乾草フィーダー
Dアカカンガルー:竹フィーダー
Eキリン:木の葉フィーダー
Fミナミシロサイ:プラスチックドラムフィーダー
サイグループの結果を見ると行動内容が3パターンだったのに対して5パターンへ増加することが出来たことが分かります。
今回もワークショップ終了後に参加者全員にアンケート記入してもらい、参加した感想やワークショップの開催内容について聞き取りを行いました。アンケート結果では目的にあったスパイダーモデル・動物行動観察方法について理解することが出来たことや年代の様々なメンバーで構成されたグループで行う事により新人飼育係は先輩から知識や経験を得ることが出来たことがプラスな面でありました。一方ワークショップの内容は今後各自の飼育担当動物福祉状態を向上させるためのきっかけづくりでもありますが、通常飼育作業とのバランスがとれておらず動物福祉に関して取り組む事ができていないマイナス面もありました。
ワークショップの結果を振り返り、大人数で行う事でかえって大がかりなものを作製し、その後改善・継続まで至らない結果となりました。本来であれば、今の動物の福祉状態を評価して問題点を考え改善していく取り組むことが動物福祉の向上につながるので、動物の探査時間を伸ばすために餌を隠すといった小さな工夫から普段の飼育業務に織り込んでいければと思っています。
次回は2022年4月に実施した 第3回 動物福祉ワークショップ についてお伝えします!
今回は2021年9月に実施した 第2回 動物福祉ワークショップ についてお伝えしていきます!前回の第1回ワークショップでは動物や獣舎の福祉状態を客観的に評価すること目的に行いました。今回はより実践的な内容で行うため、1.動物福祉に関する取り組み方の一連の流れであるスパイダーモデル(メソッド)に沿って計画を立て、実行し結果を評価する2.エンリッチメントアイテムの導入をテーマとし、遊具またはフィーダー(物の中に餌などを入れ採食時間を延ばすもの)を作製3.新人飼育係の道具の使用機会にする4.動物の行動観察方法の認識を統一する 目的で行いました。
スパイダーモデルとは...Setting goal(目標設定)、Planning(計画)、Implementing(実施)、Documenting(記録)、Evaluating(評価)、Readjusting(再調整)の各単語の頭文字をとった(SPIDER)もので、実施したまま終わりにしてしまうのではなく、結果について評価を行い改善案を考え、再挑戦していく終わりのないサイクルとなります。
実際の内容は
1委員会が選定した動物種のグループに分かれる
今回の動物種はAシシオザル、Bアフリカタテガミヤマアラシ、Cヤギ、Dアカカンガ
ルー、Eキリン、Fミナミシロサイ
2振り分けられた各グループで、何も行っていない状態で事前に対象動物の行動観察を
行い、福祉状態を評価する
3各グループでディスカッションし、評価内容から問題点を抽出・改善するための
エンリッチメントアイテム(遊具またはフィーダー)を考える
4エンリッチメントアイテム作製
5エンリッチメントアイテム導入
再度動物の行動観察を行い、結果を記録し福祉状態を評価する
[写真5]
6各グループでディスカッションし、結果をまとめ後日動物園飼育係研究会にて発表
各グループで実際に作製したエンリッチメントアイテムがこちらです。
Aシシオザル:ヤシの実フィーダー
Bアフリカタテガミヤマアラシ:木の枝フィーダー兼隠れ場所
[画像:ヤマアラシ]
Cヤギ:乾草フィーダー
Dアカカンガルー:竹フィーダー
Eキリン:木の葉フィーダー
Fミナミシロサイ:プラスチックドラムフィーダー
サイグループの結果を見ると行動内容が3パターンだったのに対して5パターンへ増加することが出来たことが分かります。
[写真6]
今回もワークショップ終了後に参加者全員にアンケート記入してもらい、参加した感想やワークショップの開催内容について聞き取りを行いました。アンケート結果では目的にあったスパイダーモデル・動物行動観察方法について理解することが出来たことや年代の様々なメンバーで構成されたグループで行う事により新人飼育係は先輩から知識や経験を得ることが出来たことがプラスな面でありました。一方ワークショップの内容は今後各自の飼育担当動物福祉状態を向上させるためのきっかけづくりでもありますが、通常飼育作業とのバランスがとれておらず動物福祉に関して取り組む事ができていないマイナス面もありました。
ワークショップの結果を振り返り、大人数で行う事でかえって大がかりなものを作製し、その後改善・継続まで至らない結果となりました。本来であれば、今の動物の福祉状態を評価して問題点を考え改善していく取り組むことが動物福祉の向上につながるので、動物の探査時間を伸ばすために餌を隠すといった小さな工夫から普段の飼育業務に織り込んでいければと思っています。
次回は2022年4月に実施した 第3回 動物福祉ワークショップ についてお伝えします!