ガリウム
一般特性 | |
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名称, 記号, 番号 | ガリウム, Ga, 31 |
分類 | 貧金属 |
族, 周期 | 13, 4 |
密度 | 5.91 g/cm3 |
色 | 銀白色 |
原子特性 | |
原子量 | 69.723 u |
原子半径 | 135 pm |
酸化数 | 1,2,3 |
一応なるべく国際単位系使用 及び標準状態下。 |
ガリウム(Gallium)とは、ただの金属でありながら簡単に液体になることもできる珍しい元素である。しかし、融点が人間にとっての適温よりもちょこっとだけ高かった(29.76°C)ため、水銀に続く2番目の室温でも液体の金属になり損ねた元素でもある。
概要[編集 ]
ガリウムは一見ただの金属に見えるが、その真の姿は手の中で愛情をこめて温めてあげることで現れる。なんと、みるみるうちに手の中で凍りついた無機質な金属塊が生き生きとしたはぐれメタルになるのだ。これは他の元素ではほとんど見られない珍しい性質で、多くの人がこの元素を可愛がり遊んでいるが、工業でも重要な役割を果たしている、何かと人間に好かれている元素である。これは、正式なはぐれメタルで有毒重金属三羽烏の1つに数えられる水銀、ガリウムと同じはぐれメタルのなり損ね(融点28.44°C)で悪い意味で有名になったセシウムとは大きく違う点である。
性質[編集 ]
ガリウムはご存知の通り融点が体温よりも低い稀有な金属だが、それ以外にもいくつかフシギな性質がある。
凝固[編集 ]
この元素は、固体になるときに体積が増える。身近なところでは水もそうなので普段はあまり気が付かないが、実はこれはとても珍しい性質である。あまりに珍しいので、例の専門家気取りたちはこのような液体のことを異常液体と呼び、丸々1本記事をでっち上げてしまった。実際に珍しいことは本当で、ガリウムと水以外でこの性質を持つものと言えばケイ素、ゲルマニウム、ビスマスぐらいである。ガリウムについてはこのような性質になってしまったのは、はぐれメタルになりたかったのにギリギリなり損ねて、固体の状態では不満で頬を膨らませているからだと言われている。
反磁性[編集 ]
ガリウムは、鉄などとは逆に磁石と反発するという性質がある。他にこのような性質を持つ物質は水やビスマスである。このように水やビスマスと性質が似ているのはもしかしたら仲が良いからかもしれない、という説もあるが、いやいや性質が似ていたから仲良くなったのだ、という説もあり、議論が盛んに行われている。
侵食[編集 ]
ガリウムは、人間や動物に対して腐食性があるわけではないが、金属の結晶の中に入り込んでボロボロにしてしまうという困った性質がある。加えてガリウムは固体になると膨張するためガラス容器に入れておくと容器を突き破ってしまうので、容器選びには慎重になる必要がある。
用途[編集 ]
こんなガリウムは各種の産業でも多く使われており、日々の生活に役立っていることもある。
ガリンスタン[編集 ]
この金属は、インジウムとスズと混ぜることでガリンスタンという合金になる。この合金、ガリウムよりもさらに融点が低く、-19°Cでドロドロに融けてしまうのだ。別の言い方をすれば、ガリウムのはぐれメタルになりたいという念願を叶えた合金でもある。このような性質を持っているので、ガリンスタンは水銀体温計が禁止になった後の体温計に使われている。こうして考えると、これは実際にはぐれメタルの後を継ぐことができた合金であるとも言える。
半導体[編集 ]
体温計よりも先進的な用途として、半導体への利用が挙げられる。なんとあの猛毒元素ヒ素 と手を組んで集積回路になると、普通のケイ素の半導体よりも機能する範囲が広い優れものになるのだ。しかし、汎用性が低いという難点があり、そのためケイ素の半導体の方が一般的である。
LED[編集 ]
最後に、最も身近で文字通り輝いている用途はLEDへの使用である。実は、ほとんどのLEDは光らせるためにガリウムヒ素、窒化ガリウム、インジウム窒化ガリウムといった形でガリウムが含まれているのだ。このように、ガリウムはただ手の中で融けるフシギな金属というだけではなかったのである。
注意点[編集 ]
最後に、いざガリウムを購入して遊ぼうというときに一つ注意。ガリウムは基本的に無毒だが、素手で長時間触っていると手にこげ茶色のシミがついて取れなくなってしまうことがあるので、ビニール袋に入れて遊ぶことをオススメする。
関連項目[編集 ]
[周期表を編集する]
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6 | 55 | 56 | *1 | 72 | 73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 | 79 | 80 | 81 | 82 | 83 | 84 | 85 | 86 | ||||
7 | 87 | 88 | *2 | 104 | 105 | 106 | 107 | 108 | 109 | 110 | 111 | 112 | 113 | 114 | 115 | 116 | 117 | 118 | ||||
8 | 119 | 120 | *3 | |||||||||||||||||||
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*1 ランタノイド: (Lanthanoid) |
57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | |||||||
*2 アクチノイド: (Actinoid) |
89 | 90 | 91 | 92 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97 | 98 | 99 | 100 | 101 | 102 | 103 | |||||||
*3 超アクチノイド: (Superactinide) |
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