スズ
一般特性 | |
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名称, 記号, 番号 | スズ, Sn, 50 |
分類 | 貧金属 |
族, 周期 | 5, 14 |
密度 | 7.265 g/cm3 |
色 | 銀白色 |
原子特性 | |
原子量 | 118.710 u |
原子半径 | 140 pm |
酸化数 | 4 |
一応なるべく国際単位系使用 及び標準状態下。 |
スズとは楽器、とくにパーカッションによく用いられる元素。他にベルとも呼ばれる。
概要[編集 ]
このような楽器の歴史は古く、世界各地で同時発生的に出現している。当初は木の実などを用いたごく素朴な形態のものであり、枝についたままの形で用いられることが多かったようだ。特に祭祀において重要な意味を持つケースが多く、村の中心地や社において安置されることもあった。しかしながら自然のものを直接用いているだけでもあり、音色はそれほどいいものではなかった。そこで人々は、何らかの金属を用いることを思いついた。古代は技術力が低かったため、古代エジプトなどでは金が用いられていた。金は高価、一般人には入手困難だったこともあって、祭祀の神聖化に大きな役割を果たした。
しかし時間がたつと神聖性が薄れ、単なる楽器として扱われるようになった。すると金のような貴金属では用に合わず、もっと廉価なものが求められるようになった。そこで取り上げられたのが鉄であり、一時はこれが急速に広まった。しかし鉄はさびやすく、打ち付けたりたたいたりする動作が多い楽器の用途としては合わなかった。そこで目をつけられたのが、このスズであった。スズは加工が容易、融点が低かったことから一般人にも入手しやすくかつ加工もしやすかった。こうして世間一般に広まり、世界的にスズ製の楽器が広まった。
性質[編集 ]
スズにはいくつかの同位体があって、それぞれで用途が異なる。
- ハンドベル
- スズのうちでも大きく、棒状の同位体が用いられる。深みのある音が出るほか、一定の周波数を鳴らすことで特定の音のみを出すように設計することも可能である。
- カウベル
- スズのうち、生体に影響を与えない安定同位体で作られる。当初は牛の首に着けることで牧場の管理を容易にすることを目的としたが、現代では楽器としても用いられる。
- プラスベル
- スズであればいずれでも使用可能。もっとも一般的な、輪状のものである。子供に人気。
- タンバリン
- スズを大きな輪にくくりつけた形の同位体。輪に皮のようなものがついている同位体とついていない同位体があり、ついている方の同位体はクラシックでよく用いられ、ついていない方の同位体はカラオケボックスでよく用いられる。
- 風鈴
- スズのうち、透明感の強い同位体のみでしかつくることができない。夏に需要が高まり、高価なものでは数万円することも少なくない。
現代[編集 ]
プラスチック製品が非常に多くなった現代においても、スズに代わるものはいまだに合成されていない。ゆえにこの金属は今でも打楽器界の覇権を握っており、今後もその座を譲ることはないだろう。加工のしやすさにおいてこの金属の右に出るものはなく、そのうえ音色のシャープさ・ディープさは他を圧倒する。これほど長期にわたって一つの目的のために用いられた物質も珍しい。
関連項目[編集 ]
[周期表を編集する]
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5 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | ||||
6 | 55 | 56 | *1 | 72 | 73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 | 79 | 80 | 81 | 82 | 83 | 84 | 85 | 86 | ||||
7 | 87 | 88 | *2 | 104 | 105 | 106 | 107 | 108 | 109 | 110 | 111 | 112 | 113 | 114 | 115 | 116 | 117 | 118 | ||||
8 | 119 | 120 | *3 | |||||||||||||||||||
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*1 ランタノイド: (Lanthanoid) |
57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | |||||||
*2 アクチノイド: (Actinoid) |
89 | 90 | 91 | 92 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97 | 98 | 99 | 100 | 101 | 102 | 103 | |||||||
*3 超アクチノイド: (Superactinide) |
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