« ピエゾ抵抗式圧力センサ | トップページ | 小さい昇圧トランス »
近年は「センサ」と言えば、入力が物理・化学量で出力が電気量であるものが多い。電気出力する物は狭義のセンサでエレクトロニクス機器と自然界とのインターフェースに多用されるからだ。
センサは千差万別と言われるように多種多様であるが、実用化されているセンサで使われる物理法則、物理効果は数10程度である。
使い方や形状で異なる測定対象となるものも数多い。たとえば、熱線の抵抗値を利用するセンサで、1個の細線を低圧下で使えばピラニー真空計となり、常圧に近い環境でヒーターと感熱線を複数個使用すれば質量流速センサとなり、さらに流路断面が決まるようにパイプ等の中に設置すれば質量流量計となる。
もう1例をあげると、シリコンのピエゾ抵抗効果を利用すれば構造材の歪みが計測できるので、膜(ダイアフラム)にかかる力を測れば圧力計になり、慣性質量を先端に取り付けた梁にかかる力を測れば加速度センサになる。もちろん、機械的構造は、測定目的に特化して設計されている。
センサの大敵は温度である。多くの物理効果は温度依存性をもつ。センサは物理効果をうまく発揮させるために、種々の材料を使用する。このため熱ひずみがついて回り、その影響を低減するために、機械的構造や特殊な材料も多く使用される。
原初的センサからデジタルシステムが受け入れ可能な電気信号に変換するには、センサの励起やセンサ信号の増幅、校正も必要となる。
今、これらの一連の過程が次第にブラックボックス化しつつある。センサ自体が半導体プロセスを使うことが多くなり、その信号処理も明示されなくなってきているからである。アナログエンジニアはセンサのブラックボックス化を憂う。センサの理解なしに、自然界に働きかけることは、中間段階を考えずにシステムを組むようなものである。
『人気Blogランキング』の「自然科学」部門に参加しています。今日も貴重な応援の1票をよろしくお願いします。【押す】
« ピエゾ抵抗式圧力センサ | トップページ | 小さい昇圧トランス »
この記事へのコメントは終了しました。
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
| 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
| 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
| 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
| 28 | 29 | 30 |