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センサは多くの特殊材料で構成されている。特定の物理現象を強く発揮させる材料や、その材料を支持する構造材なども含まれる。
異種材料の組み合わせとなると、当然、膨張係数差に伴う熱変形・熱応力が発生する。同時に、熱変形や別の物理現象の発生、極端な場合にはセンサのヒステリシスや材料の接合部での疲労破壊もあり得る。
電気信号を出力するセンサの場合には、絶縁物と導体が共存するので熱変形/熱膨張差の課題は大きい。
シリコン単結晶は理想的な弾性体に近いが、4(ppm/°C、以下省略)前後の線膨張率をもつ。これに近い膨張率のガラス材で、シリコンセンサ本体を支持するが、最終的に金属材料を介して容器に固定する。このときに必要になるのが、少なくともチップ面ではほぼ同一の金属材料を使うことになる。
センサでは異種材料の組み合わせに伴う熱変形/熱応力の課題ははほぼ必然的である。この解決の仕方には種々あるが、その組み合わせによりセンサ本来の特性が変調されて観測される。
シリコンMEMSでは、角部を等方エッチングによって応力集中を回避するがこの工程を記載した書籍は少ない。
実際に手を汚している人間にしか分からない課題はほかにも数多くある。その課題を承知しつつ、センサの能力を発揮させる技術は陰でセンサ技術を支える。
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