センサは生のままでは多かれ少なかれ各種環境変化の影響を受ける。常に温度の影響は考えなければならない。
センサが線形出力なら0%と100%点で校正を行うが、0%調整は何もしなければその温度係数を変化させる。意識的に0%をずらし部分目盛にする場合には、感度の温度係数との交絡項を生じる。100%点は感度の調整で、センサ回路の利得を調整して、校正する。
校正コストは相対的に大きいが、個別温度補償は実際に環境温度を変え、被測定量を与える必要がある。
校正結果は可変抵抗の位置やROMのデータとして保存される。
安価なセンサでは無調整、あるいは簡単なトリミングで0%、100%の校正を行うが、工業用途ではセンサの種類にもよるが、0.1%単位の校正をゼロとスパンに対し行い、必要に応じて精密な温度補正を施す。
半導体センサの多くは温度依存性が無視できないので、ゼロとスパン(感度)に対し感温素子を利用して温度補正を行う。
温度補正は温度依存性を実測し、そのデータに基づいて真値を求める作業であるから一種の逆問題である。綿密に計算されたアルゴリズムで、ゼロ、スパン、それらの温度依存性を消去していくのである。
またセンサ材料のトリミングは複雑な信頼性上の問題を引き起こすことも多い。
ピエゾ抵抗効果を使うと、抵抗値のばらつきとその非線形な温度係数が問題になる。感度は広い温度で考えると数%の非線形温度係数である。
これらの温度補正技術は各社異なり、陰でセンサの性能を確保する技術であるがその詳細は光をまず浴びることはない。
陰でセンサの性能を支える技術、それが温度補正技術である。一般的に純アナログ式の方が校正条件の数が少なく、デジタルシステムでは桁違いに校正点が増えるとアナログエンジニアは考えている。
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