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【リーグワン】練習は土のグラウンド、シャワーもなし 新規参入のルリーロ福岡「挑戦をしたい」

[ 2024年12月9日 14:48 ]

<リーグワンメディアカンファレンス>ポーズを取るルリーロ福岡・西村光太(撮影・篠原岳夫)
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今季からラグビーリーグワンの3部に新規参入するルリーロ福岡のFW西村光太クラブキャプテン(27)が9日、東京都内で行われる開幕前メディアカンファレンスの前に取材に応じ、「ラグビーでは2部昇格が目標。リーグワンに入っても勝てると証明したい。唯一の地域クラブで新たな形だと思う。ルリーロにしかできない挑戦をしたい」と抱負を述べた。

ルリーロ福岡はかつて福岡県を拠点に活動していた宗像サニックスやコカ・コーラの実質的な廃部を受け、選手の受け皿や地域の活性化を目指して22年4月に誕生。地域リーグの成績や参入条件を満たし、今年1月31日に狭山セコムラガッツ、ヤクルトレビンズ戸田とともに、今季からの新規参入が決まった。

自身も所属していたコカコーラが廃部する憂き目に遭い、現役引退に気持ちが揺らいでいたところ、わらにもすがる思いで入団を決めたという西村は「参入決定はパソコンを開いて入試結果のように見た。実感がなかった」と振り返る。チームには旧トップリーグ、リーグワン経験者から高卒選手まで、約70人が所属。「今年も30人以上が新入団した。かなりパワーアップしている」と手応えを語った。

大企業を母体とせず、約300社からの協賛金と福岡県うきは市など地域に支えられて運営するチームならではの苦労もある。在籍する70人の選手は、ほとんどが外部の企業や学校などのフルタイムワーカー。業種もさまざまで、「果樹園に務めている選手もいる。介護の仕事、高校の教員、外国人選手も英語の先生や不動産業をしたり。40くらいの職種がある」。そう語る西村自身はクラブ運営が主な業務で、昼間はスポンサー獲得などに奔走しているという。

練習環境も他のリーグワンチームとはまるで違う。拠点はうきは市にある福岡県立浮羽究真館高の、土のグラウンド。クラブハウスはなく、練習後はシャワーを浴びることもできないため、「冬は(土で汚れた)膝を水道で洗うくらいです」と西村。練習時間は午後7〜9時で、照明灯はあるものの「想像されているよりも暗いです(笑い)」と高校の部活レベルの現状を明かした。

それでも1年8カ月前にわずか3人の選手で発足したチームは情熱にあふれている。10月には元日本代表で早大やコカ・コーラで活躍した豊田将万ヘッドコーチが就任。西村も「凄いスピードでチームがまとまってきている」と手応えを語る。記念すべき参入初戦では12月22日に同じく新規参入の戸田と福岡・久留米総合スポーツセンター陸上競技場で対戦。人口わずか3万人のうきは市から、日本ラグビー界に新たな歴史をつくる。

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