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なぜ「バーベルを使った筋トレ」は難しいと感じるのか?

[ 2024年12月9日 09:00 ]

下半身のトレーニングで欠かせない筋トレ種目「スクワット」。自重はもちろんのこと、ダンベルやバーベルなどウエイト器具を使って負荷を高めるやり方も効果的です。

しかし初心者にとって、バーベルを使ったスクワットはハードルが高いと思われるかもしれません。今回は初心者向けに、ウエイトスクワットに挑戦するために覚えておきたいポイントを解説します。

バーベルを担ぐとなぜ動作が難しいのか

なぜ初心者にとって、バーベルのスクワットは難しく感じるのでしょうか。原因を考えてみましょう。

ウエイトを意識してしまう

自重のスクワットはスムーズにできても、バーベルを持つことによってウエイトを意識しすぎて、フォームが崩れてしまう人がいます。

「重いものを持ち上げる」という意識が強くなり、何がなんでも持ち上げようとフォームが崩れてしまうのです。

これは初心者に限らず、どんどん重い重量にチャレンジしようとする人にも見られる傾向と言えるでしょう。

初心者の場合は、バーだけでもいつもより20kgも負荷が高まります。そのため、意識せずに行うというのは難しい話かもしれません。

つぶれるのではないかという不安が出る

「持ち上がらなくなったらどうしよう」「つぶれてしまわないか心配だ」という不安も、フォームが崩れる原因のひとつです。

たしかにその不安は、初心者にとって大きいものでしょう。心理的にも、バーベルスクワットのハードルを高めている原因にもなります。

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バーベルスクワットを行うときのポイント

初心者がバーベルスクワットにチャレンジするために、覚えておきたいポイントを紹介します。

バーベルを担ぐと背中が丸まりやすい

初心者がバーベルを担ぐと、どうしても動作中に背中が丸まりやすくなります。これを防ぐため、意識したいのが「顔の向き」です。

バーベルスクワットに慣れていない場合、顔の向きに意識しないと、いつの間にか顔が下を向いていることが多いでしょう。顔が下を向くということは顎が引けて、背中が丸まりやすい状態です。

バーベルスクワットをするとき、顔の向きは常に正面〜やや上向きにして動作を行うようにしましょう。顎を上げることで、背中がまっすぐになります。

[画像:バーベルスクワットのやり方 膝がつま先より前に出ないようにして、お尻をまっすぐ下げる]

バーの担ぐ位置を見直す

バーベルを担ぐ位置も気をつけてみましょう。

バーベルを僧帽筋の上のほうで担ぐやり方を「ハイバースクワット」、バーベルを肩甲骨の上あたりで担ぐやり方を「ローバースクワット」といいます。

ハイバースクワット

初心者の場合、ほとんどの方は「ハイバースクワット」になっているでしょう。

ハイバースクワットは上体が起きやすく、膝が前に出やすいフォームになりがちです。自重トレーニングでしっかり股関節を意識して曲げている人ほど、ハイバースクワットになるといつものフォームが取れない可能性があります。

そんなときは、バーベルの担ぐ位置を変えてみるのもひとつの方法。

「バーベルが落ちてしまうのでは」と心配する人がいるかもしれませんが、大丈夫です。バーベルは肩の上に乗せるというイメージしかなかった人は、ローバースクワットを試してみてください。

次ページ:バーベルを持つと股関節をしっかり曲げられない場合

お尻の位置にベンチを置いてみるのもおすすめ

バーベルを持つと股関節をしっかり曲げられないという人は、お尻の位置にベンチを置いてみましょう。ベンチを置いて、それに座るような感覚でお尻を後ろに下していくと、きれいなフォームで行うことができます。

最初のうちはベンチにお尻が触れるようにしながら行い、慣れてきたらベンチを外してフォームを変えず行うとよいでしょう。

スミスマシンとフリーウエイトは別物

フリーウエイトの前に、スミスマシンでフォームを作ろうと考える人がいるかもしれません。

しかし、同じフォームに見えても、双方には力の入れ方に違いがあります。そのため、個人的にはあまりおすすめしません。

スミスマシンはバーの軌道が決まっていますし、バランスを崩すことなく動作を行うことができるマシンです。一方でフリーウエイトは、バランスを取りながら力を発揮することが求められます。

あくまでも、フリーウエイトとスミスマシンで行うスクワットは別物と考えておいたほうが良いでしょう。

ダンベルから始めるものアリ

いきなりバーベルを使うのに抵抗があるという人は、まずダンベルを使ったスクワットから始めてみてください。

ダンベルならバーベルより負荷を軽くできますし、バーベルよりも自由度があるため動作しやすいというメリットがあります。

なお、両手にぶら下げて行うのではなく、肩の位置に持ち上げてバーベルと同じような状況で行うと、フォームづくりに役立つでしょう。

スクワットするときは底が平らで安定する靴を履く

ジムへ行くと、スクワットに適さない靴でスクワットを行っている人も見かけます。

ランニングシューズなどソールのクッション性が高いもの、あるいは底が厚いものは、動作中に力が逃げやすく、バランスを崩す可能性が高まります。

スクワットを行うのであれば、底が平らでグリップ力の強い靴がおすすめです。

初心者にとって、新しいエクササイズにチャレンジするのはなかなか大変でしょう。「フォームは正しくできているのか」「やり方は間違ってないか」と、心配になる多いはずです。まして筋力トレーニングの代表格とも言えるスクワットなら、周囲から見られていることがあるかもしれません。

しかし初心者でも、まず軽い負荷からなら問題なく行えるはず。それでも心配なら、ジムのインストラクターやトレーナーにチェックしてもらいながら取り組んでみてください。

著者プロフィール

和田拓巳(わだ・たくみ)

プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。​医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。運営協力メディア「#トレラブ(https://tr-lv.com/)」などで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会 JATI-ATI
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<Text:和田拓巳>

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